花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

『婦系図』『鹿鳴館』

2008年06月14日 | 芝居
新橋演舞場
新派120周年記念公演
『婦系図』には仁左衛門、『鹿鳴館』には團十郎、西郷輝彦が、
参加した公演。

『婦系図』泉鏡花の小説。
早瀬主税(ちから)とお蔦(つた)との悲恋物語。
早瀬「月は晴れても心は暗闇だ。」   
お蔦「切れるの別れるのってそんなことは芸者の時に云うものよ。」
という湯島神社の境内での有名なセリフがあるけれど、小説にはないそうな。
(私、泉鏡花は、読んでません。たぶん)
このストーリーそのものもが泣ける!のだけれど
やはり仁左衛門や波野久里子、二人にさらに絡んでゆく新派の方々がいい。
見ていて思わず純愛といっていたが、結局泣けない純愛「ルドルフ」に対し
切ない早瀬主税とお蔦に泣かされたのは、役者の芝居なんじゃないかなあ・・と。
湯島のシーンは、ことのほか切ないのだけれど、
二人は恩師酒井のことばに、別れることになる。
早瀬が一人静岡に列車にのって旅立ったあと、駅に追いかけてきたお蔦が、
やはり一人追いかけてきた恩師坂井の娘妙子を彼女を
妻にしたいと希望している河野が、連れ込みあわやのところを救ったあと、
彼女が、座布団を直し、そっとお酒をついで、早瀬に報告してるシーン。思わずジーン。
こういうシーンで泣かせてくれる芝居いいよなあ。

この妙子を妻にしたい名家という河野一族これが曲者。河野家は早瀬
自分達の家系に卑しきものが嫁に来ることないよう妙子の身上調査をするのだけれど・・実はこの一族、いろいろなゆがみがある。
恩師の娘を妻にといいながら身の上調査をすることが面白くなかった早瀬が、河野一族の偽りを暴くシーンここは、気持ちがいいほどかっこいい。

泣きの早瀬シーンが、多いなかここは胸のすくようなドスが効く。
新派の代表作ながら、仁左衛門のかっこよさ全開だった。

一方、『鹿鳴館』
一幕目は・・疲れたのか、いやちょっと面白さにかけて・・
眠気に襲われた。
天長節(天皇誕生日)を祝う観兵式が日比谷練兵場で行われて
それを影山伯爵伯爵邸の敷地にある丘の上から眺める
婦人達。そしてそこに影山伯爵の夫人朝子水谷八重子登場。
芸妓時代の友人季子から娘顯子の恋の仲立ちを頼まれる・・
その恋のお相手は影山の政敵の清原永之輔の息子久雄だった。
この久雄は朝子と清原との間に出来た息子だった。
この息子が、父清原の暗殺計画をしって・・とここまでが一幕。
15分休憩後
そして二幕目。ここから、西郷輝彦の清原永之輔が登場し
團十郎の影山伯爵が登場する。
ここからは睡魔に襲われず・で最後まで昼にくらべるとイマイチだなあ・・
なんて思いつつ見入っていた。
当時の日本はこんなだったのかなあ・・と思いながら、
政治の勢力争いはどろどろながら、ここに男と女の愛憎劇が絡んでいるこの芝居を
水谷八重子、團十郎、の深みにはまった。

水谷八重子なにか着物の裾捌きがへん。デコルテ(ドレス)になると歩き方がちょっと怪しい・・なんて思ってみたり、
團十郎やっぱり世話物のセリフはなあ・・なんて思いながら、大きさがしっかりあってこんな人なら政治の裏があってあたりまえ、勢いもあり・・と
ブラック的な雰囲気をしっかり見せながら、最後これらは男のッ嫉妬といってのけるすごさにでっかいなあとあらてめて感じた。
八重子演じる朝子もなんだかんだ思いつつ、大きい。
やはりすごい役者さんなんだろうなあ。。と。

そしてゲストとあったが・・ゲストなど芝居中の登場はなかった。
カーテンコールでゲストの登場だった。
この日のゲストは光本 幸子さん。新派のベテラン。
でも一度結婚を気に引退され、波野久里子さんの代役で再び舞台にでたそうな。
水谷八重子、波野久里子とともに3人娘だったそうだが、息が合った思い出話に
花をさかせ、後には、「三婆やりましょうね」と。

新派・・今はやはりなんとなく魅力にかけるが。・・
母が若かれし頃は、新派もそれなりきだったせいか
出演者の名前もきいたかた方。

たまにはみようかな・・そんな舞台だった。



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