ハレノクニでワイン

11年間の島暮らしから、ワイン農家を目指して山暮らしへ。
グッドライフを探す旅と美味しいものを綴ります。

チップソー研磨機 ケンちゃんが仲間に加わった 

2023-08-18 | ワイン農家

草刈用のチップソーの刃を研ぐための道具、研磨機を購入した。

各メーカーの商品や少しでもお金をかけないアイデアなどを比較検討した結果、

津村鋼業製の「ケンちゃん」という商品を選んだ。

それにしても、素敵なデザイン。

なんで農家用の商品は駄洒落とか「~君」みたいな昭和の香りのするアイテムが多いのか。

まあ、嫌いじゃないですけど。

 

この商品は写真のようにチップソーをセットすれば、チップのすべての刃に対して

同じ角度で研磨が簡単にできます。

角度の設定も自在だし、グラインダーの当て具合も調節可能。

今までは電動ドリルにつけたダイヤモンドヤスリを使って研磨してましたが、やはりばらつきが出るのと

切れ味がすぐに落ちてしまう点が気になっていた。

2万円の投資で作業性アップと時短ができるので、これから先30年を考えるとこれは「買い」でした。

安いチップソーを何枚も買い替えることと比べると、こちらの方が性に合う。 

 

それにしても、なぜか「研ぐ」という行為が好きだ。

魚を扱っていた時代も包丁を研ぐ時間が癒しだった。

研げばその後の作業が楽になる。

そういえば、サラリーマン時代はアイロンがけと靴磨きが好きだった。

昔から「一生もの」が好きで、「使い捨て」が嫌い。

きっと両親と暮らす環境の中で培われた性格なのだろう。

特に父型の祖父から引き継いでいるような気がする。

さて、息子たちには引き継がれていくのだろうか。

 

盛夏をむかえ、ますますケンちゃんが活躍してくれることでしょう。

 

 

 


ブドウの収穫時期を決めるために糖度を測定する

2023-08-12 | ワイン農家

ワインを造る原料となるブドウをいつ収穫するか、その時期を決めるためにはブドウの糖度を一つの指標としています。

上の画像はその糖度計を覗いたところをスマホで撮影したもの。

こちらがその糖度計。

厳密な数値を求めることはできないけれど、とても手軽なのでこの時期は畑に持っていって測定しています。

はかり方は、まずブドウ畑の中から偏りが出ないようにブドウの粒を集めてきます。

畑の端か、真ん中か。南側か北側か、などの樹の位置だけでなく、葡萄の房の中の

どの位置にあるかなども考慮して選びます。

そして、手でつぶして得られた果汁を糖度計のプレパラートに乗せ、覗くだけ。

光の屈折を利用した測定方法です。

もちろん手で触った感触や、口に入れて種を嚙んだ時にわかる熟度などの情報から、

今後の天気の推移から想像される最適な時期を決定していきます。

 

その間、何度も糖度を測定し、もちろん実際に食べてもみます。

これが結構楽しい時間なんです。

ワイン用ブドウは食べても美味しくないと言ったことをたまに聞きますが、美味しいですよ♪

 

 

これから時期をずらしながら様々な品種が収穫期を迎えていきます。

どうか台風の被害にあいませんように。

 

 


接木の魅力に取りつかれる

2023-07-28 | ワイン農家

6月の終わりごろからブドウの接木にチャレンジしていて、とても面白いなぁと思っている。

接木とは、写真のようにブドウの樹に別の品種の枝を接ぐこと。

うまくくっつけば、そこから先は別の品種として成長していくことになる。

この「魔改造」感がたまらない。

マッドサイエンティスト的万能感とでもいうべきか。

極端なことを言えば、一本の木にたくさんの品種を接ぐとすると、同じ樹に白ブドウも黒ブドウも、たとえばシャルドネやシラーや甲州などいろんなブドウが生る樹を作ることができるのだ。

この写真は最初に技術を教わったおかやま葡萄酒園の接木教室の一コマ。

ナイフと接木用のテープさえあればできてしまうお手軽さも魅力の一つだ。

上の写真はお借りした道具たち。

その後、久々に自分の小刀を研いだのも楽しかった。

こんな風に新しい芽がついている枝を穂木にして、形成層が重なるように元の樹に接いでいく。

上手くいけば、こんな風に芽から葉っぱが生えてくる。

 

今年は梅雨前から雨が多く、その影響で病気が出てブドウが実らない樹が結構あった。

修行先の畑では、その病気に耐性があると思われる新しい品種に更新すべく、接木を70本近く行いました。

 

接木をしてからは毎週欠かさず状態をチェック。

接いだ部分以外からもどんどん新しい芽が出てくるので、それらはすべて取り除いて

成長に必要な栄養を集中させるようにします。

 

育てた苗が成長する喜びも好きですが、接木もまた成長を見守るのが楽しいです。

 

来年以降の自分の畑にも必要な作業になってくるため、しっかりと習得したいと思います。

 

 

 


葡萄の色づき始めとバッタの脱皮

2023-07-21 | ワイン農家

ブドウ畑で多くの時間を過ごすようになって2シーズン目を迎えています。

7月10日、ハウス内の葡萄が色づいているのに気がつきました。

こうなってくるといよいよ慌ただしくなってきます。

樽で熟成していたワインの瓶詰や、瓶で熟成していた委託醸造のワインの出荷などをして

醸造所内のスペースを空けていき、今年の醸造シーズンに向けて準備をしていきます。

それに合わせて、畑では防鳥ネットをかける作業や引き続きの草刈と芽かき。

さらに今年新たに体験した「接木」後のケアなど。

2周目だからわかるようになったこともありますが、もちろんまだ見えていないことの方が多いのだろうけど。

そんな慌ただしい合間に、畑で脱皮直後のショウリョウバッタ(と思われる)に遭遇。

まだ動けないらしく、じっとしていたので脱ぎ捨てた過去と一緒に記念撮影。

虫を追いかけまわしていた幼少期にも見たことが無かった光景にしばし感動しました。

 

前回の記事から2か月も更新できていなかったのですが、ここからまたボチボチ再開できればと思ってます。

どうも他人が書いたものを読んで心を動かされることがあると、自分も書きたくなるようであることをつかんだ。

インプットは絶やさないようにしたいものです。

 

 

 


ついに苗を植え始めました!

2023-05-15 | ワイン農家

GW明けからワイン用ブドウの苗を自分の畑に植え始めました。

年明けから準備を進めてきて、畑にようやく誘引線を引き終わったのが4月中旬。

こちらは区画「観音下」。広さは約20aあります。

 

こちらは区画「タンク」。広さは12aほど。

どちらも自宅から歩いて1分の距離なので、作業がしやすいです。

苗は葉の成長と根の発根状況にばらつきがあるため、準備が整った苗から順次植えていきます。

こんな感じで根が出ていればいい感じ。

水を張ったバケツで吸水させながら植えていきます。

植えてみて、これまでの挿し木作業の善し悪しがわかってきたことがいくつかありました。

順調に育っていくことを願っています。