JR伊丹駅の西側から県道尼崎伊丹線を越えて阪急伊丹駅の少し手前の三軒寺前広場までの約400mの通りを「伊丹酒蔵通り」といいます。
(伊丹酒蔵通りのまちなみ)
この通りには、江戸時代に約80の酒蔵が並び、酒造業で栄えました。
320年前に創業した「伊丹老松酒造株式会社」の本社横には、酒造りに使われた井戸水が出ており、多くの人がこの水を汲みにきています(水質検査済み)。
(伊丹老松酒造株式会社横の井戸水)
また“白雪”で知られる「小西酒造株式会社」が江戸時代に建てた酒蔵の長寿蔵は、1995(平成7)年に1階をレストランやショップ、2階は伝統の酒造りの道具200余点と伊丹の酒造りの歴史等の資料を展示するブルワリーミュージアムに改築され、昔ながらの面影を残しています。
(白雪ブルワリービレッジ長寿蔵)
伊丹市は2006(平成18)年に、この酒蔵通り周辺の地区を市景観計画の重点区域(正式名称は“伊丹酒蔵通り都市景観形成道路地区”)に指定し、1.新たに建てられる建物は、町屋や酒蔵などをイメージする伝統的な建物にすること、2.白色や黒色を基調にした周辺と調和した建物にすること、などを定めました。
この取り組みが評価され、2008(平成20)年、官民一体となって景観の保全などに取り組んだ地区に贈られる都市景観大賞の「美しいまちなみ優秀賞」に伊丹酒蔵通り地区が選ばれました。