滋賀県彦根市甲田町にあるフジテック前駅は、米原駅から貴生川駅までを結んでいる全線単線の近江鉄道本線(47.7km)の駅として、2006(平成18)年3月18日に開業しました。
米原方面に向かって右側に配置された3両分の有効長をもつ単式ホーム1面1線のみを有する無人駅で、コンパクトな駅舎があります。
2018(平成30)年度の1日の平均乗降人員は586人で、これは近江鉄道本線の全25駅中9位です。
このフジテック前駅は、エレベーター大手製造会社のフジテック株式会社が本社を大阪府茨木市から彦根市の滋賀製作所へ移転したことに伴って、通勤者の利便を図るために設置された駅です。 総工費5,400万円のうち駅舎設置費用などに相当する4,000万円を同社が負担し、残りの1,400万円で自治体(彦根市)がトイレと駐輪場を整備しました。
フジテック前駅が属する近江鉄道本線は、東海道本線や草津線のルートから外れた近江盆地の穀倉地帯を縦断する鉄道として、北陸から関西鉄道(現在の草津線)へ伊勢参詣への短絡路も兼ねて建設されました。 しかし、昭和40年代に入るとモータリゼーションが進み、鉄道の利用客は減少し始め、さらに昭和50年代後半になると国鉄側の貨物輸送の拠点間輸送化の影響を受けて近江鉄道の貨物輸送の縮減が進み、1984(昭和59)年9月にキリンビールの輸送、1986(昭和61)年3月にセメント原石の輸送、1988(昭和63)年3月に日本石油の輸送が廃止されて貨物輸送が全廃となりました。
ちなみに、2013(平成25)年3月16日からは、米原駅~高宮駅に多賀線多賀大社前駅間に「彦根・多賀大社線」(ラインカラー: 赤)、高宮駅~八日市駅間に「湖東近江路線」(ラインカラー: 青)、八日市駅~貴生川駅間に「水口・蒲生野線」(ラインカラー: 黄)の愛称が付けられました。
<フジテック前駅の年表>
・2006(平成18)年3月18日:近江鉄道本線の駅として開業
・2013(平成25)年3月16日:「彦根・多賀大社線」の愛称を使用開始
・2015(平成27)年3月1日:駅の無人化
・2019(令和元)年9月15日:駅構内終日全面禁煙化
(駅 名 標)
(貴生川方面を望む)
(踏切上から米原方面を望む)
(駅舎・ホーム側)
(フジテック前駅駅舎)
(駅 舎 内)
撮影年月日:2019(令和元)年8月17日
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