大阪市北区で行政書士・海事代理士・マンション管理士を営んでいる原田行政書士法務事務所の駅ブログ

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旧国鉄伊勢線が伊勢鉄道に転換された日!

2019年03月27日 | 鉄道

旧国鉄伊勢線は、南四日市駅と津駅とを結んでいた全長26,0kmの全線非電化のローカル線でした。

(南四日市)-河原田ー鈴鹿ー玉垣ー中瀬古ー河芸ー東ー身田ー(津)

従来、名古屋・四日市方面と南紀(尾鷲・新宮)・伊勢志摩(伊勢市・鳥羽)方面間を行き来するには、四日市市から津市の間で伊勢湾沿岸から外れて、関西本線・紀勢本線の結節点である亀山駅を経由しなければならない上に、同駅で列車の方向転換が必要とされており、所要時間の面で障害となっていました。 このため、関西本線の南四日市駅と紀勢本線の津駅の間を方向転換せずに短距離で結ぶ短絡線として日本鉄道建設公団により主要幹線として1965(昭和40)年11月から建設が始められ、1973(昭和48)年9月1日に国鉄伊勢線として開業しました。

しかし、伊勢線沿線の工業開発計画は四日市ぜんそくに端を発して猛反対にあったことから頓挫してしまい、伊勢線の開業時には1日に特急「くろしお」1往復、急行「紀州」3往復、普通7往復しか運転されませんでした。並行している近鉄名古屋線では同時期に、特急44往復、急行34往復、準急9往復、普通62往復も運転されていたので、伊勢線の利用者は非常に少なかった。
そのため、伊勢線単独での利用者数は伸び悩み、開業10年後の1983(昭和58)年には営業係数(100円の売り上げを得るために必要な費用)が646にまで上がっていました。その結果、1980(昭和55)年12月27日に施行された国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)により、伊勢線は第2次特定地方交通線として廃止承認されてしまいます。

そして、伊勢線特定地方交通対策協議会において1986(昭和61)年9月29日に第三セクター鉄道への転換を決定し、国鉄分割民営化直前の1987(昭和62)年3月27日に伊勢線は廃止され、伊勢鉄道に転換されました。

  <伊勢線の年表>

 ・1961(昭和36)年6月16日:鉄道敷設法の改正により、四日市~津間が予定線に追加される
 ・1964(昭和39)年4月22日:鉄道敷設審議会により、日本鉄道建設公団の工事線となる
 ・1965(昭和40)年11月4日:工事着工
 ・1973(昭和48)年9月1日:国鉄伊勢線として南四日市~津駅間(26.0km)が開業
 ・1973(昭和48)年10月1日:特急「くろしお」のうち、名古屋発着1往復と急行「紀州」の一部が亀山駅経由から当線経由に変更される
 ・1978(昭和53)年10月2日:名古屋発着の特急「くろしお」が廃止され、特急「南紀」の運転開始
 ・1982(昭和57)年10月2日:一部列車が当線を経由し鈴鹿駅に停車していた急行「紀州」がすべて亀山駅経由に変更される(急行「紀州」は1985年3月13日に廃止)
 ・1984(昭和59)年6月22日:第2次特定地方交通線として廃止承認される
 ・1986(昭和61)年9月22日:伊勢線特定地方交通対策協議会で国鉄伊勢線の代替輸送計画決定
 ・1986(昭和61)年9月29日:第三セクター鉄道への転換を決定
 ・1987(昭和62)年3月27日:伊勢線が廃止され、伊勢鉄道に転換される

 



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