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穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

昔っこ。せつめん

2023-01-27 17:46:14 | 昔っこ・民話

先日の寒波は厳しかったですが 本日は(金曜日)穏やかで 午前中は真冬日だったようですが

気温も 0.2度位まで上がったとか。ほっとしました~(^^)

明日以降はまた 真冬日に戻るそうです。

日常と昔っこのblogですが だいぶ昔っこ・民話を ご無沙汰でした。

県の北部 鹿角(かづの)地方に伝わる民話「せつめん」を。

         昔っこ「せつめん」

昔は正月用の木綿の事を 節の木綿と言う意味で「節綿(せつめん)」といったもんだ。

そのころ、ある親方が若勢(わかぜ)使用人)の 太郎に、花輪さ行って節綿買ってけ。と言ったと。

何もわがらねぇ太郎は「せつめん せつめん」って言いながら花輪に向かった。ところが、

堰をまたいだ拍子に「おにめん・おにめん」と言い間違えてしまったと。

 

花輪について「おにめん けてくなんせ」て 店屋で言ったら、「おにめんて、鬼の面だべ」

と、鬼の面を売ってくれた。

帰りしな疲れて お堂っこで一休みしたと。あんまり寒くて炉に火を炊こうと思ったども

薪が無い。仕方ねぇ。杉の葉っぱをとってきて火をおこした。

だどもなんと、杉の葉だもの。煙がどんどと出てきて煙い、煙い。

 

そこへ、正月の木綿をたくさん背負った木綿屋が、「ああ寒ぶ、寒ぶ。あたらせてけねべが」

と、炉端にやってきた。ところが煙はどんどと出る。二人して煙が自分の方に来れば

顔をそむけてしのいでいたども、とうとう太郎はがまんできねぐなった。

煙が木綿屋の方に行った隙に鬼の面をかぶったと。木綿屋がふと、太郎の方を見ると

「鬼の面 無料」の画像検索結果

なんと!鬼がいる。「鬼だ・鬼だ」 どでんして(びっくり)叫ぶなり、逃げだした。

「なんと、この木綿なんとする」 太郎がたずねると 「なんもいらねぇ。助けてけれ~」

て 走っていってしまった。

「いらねて言うなら おらがもらっても かまわねべ」そこで、ありったけの木綿を背負って

村に戻ると、村人がたは、木綿のいっぺあるのにたまげてしまった。

親方はたいした喜んで、みんなさ その木綿を分けて、たいした楽しい正月を、迎えたと。

とっぴんぱらりのぷう。

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昔っこ・ナマハゲと天の邪鬼

2022-09-15 21:09:15 | 昔っこ・民話

昔、遠い漢の国の王武帝が、白い鹿にまたがり 5匹のコウモリを従えて 男鹿にやってきた。

やがて5匹のコウモリは、5匹の鬼に変わった。

眉間、逆頬(さかづら)眼光、首人(しゅじん) 押領(おうりょう)の五色の鬼がそれである。

初めの2匹が両親で、武帝に仕えて間もなく死んだが 残る三匹が里へ出てきては 暴れまわり

村人たちを困らせるようになった。 遠い国から渡ってきて 父も母も死んでしまった寂しさが

鬼たちを荒々しく 狂わせてしまった。兄弟3匹で男鹿島をゆさゆさ揺らし、地割れするほどに暴れた。

里に出てくるようになると 田畑を荒らすばかりでなく 娘までさらっていくようになった。

村人は鬼たちを「ナマハゲ」と呼んで恐れた。

「なんとしたらええべか」「さあ 何とすべ」 いく日も、いく日も人々たちは考えた。

村人の一人は一人がやっと言い出した。「ナマハゲたちの暴れたい心は おらも分かるような気がする。

だども、こんなにひどく暴れられては たまったもんでねぇ。そこでだ。ナマハゲとおら達とで

かけをしては?」 「ほう、かけって何たごどするなだ」

「あの山のてっぺんまで 千段の石段を築かせるのだ。たった一晩で。それが出来たら好きなことして

暴れてもええ。毎年一人づつ娘をやってもええ。 出来なかったら 永久にここを追われるのだ。

このあたりには、ちょうどええ具合の石も無いし、ずっと向こうの寒風山から運んでくるしかねえべ。

まさか、一晩で千段の石段は作れねえと思う」

それは、いい考えだというので、さっそくナマハゲたちに言うと 三匹は喜んだ。

今までは、神様の目を盗んで、こそこそやっていたが、今度は大っぴらにできる。

どうしても、かけに勝たなければいけない。早速取り掛かった。

なにしろ鬼の事だ。寒風山までひとっとび。大石をかかえてきては、どすん、どすんと築き上げていく。

そのものすごい勢いで、村人たちがあれよ、あれよと驚いている間に、999段まで出来てしまった。

 ところで、ここに一匹の天邪鬼がいた。天邪鬼はへそまがりで、普段は嫌がらせや、

弱いものいじめばかりしている。

鬼の仲間なのに 鬼たちは相手にしなかった。だから、力の強いナマハゲたちを 

いつかやっつけてやろうとねらっていた。

天邪鬼は、この夜の事を木の蔭から にたにた笑いながら見ていた。

千段出来かかった石段を見て 一つの計略を思いついたからである。昔は目覚まし時計など無かったから

ニワトリの叫び声で 目を覚ましたものだ。だからこの時の約束も ニワトリの鳴く夜明けまでと

言うことになっていた。ナマハゲが千個目の石をかついで 寒風山から飛んで帰ってきたとき 

どこからともなく 大きな声で「コケッコッコー」と ニワトリの鳴き声がした。

鬼たちは、がっかりした。がっかりして怒り出した。怒り狂ったナマハゲは 山にかけあがり

てっぺんの杉の大木を引き抜くと 真っ逆さまに突き立てた。しかし、約束は約束。

今までの元気はどこえやら。がっくり肩を落としてどこへともなく去って行った。

村人たちは、大喜び。はらはらしていたのに ニワトリの一声で、ナマハゲたちはいなくなってしまった。

こんなめでたいことはない。「だども不思議だ。まだ こんなに暗いのに、なしてニワトリ鳴いたべか。

誰か真似したものいねぇか」

大騒ぎしたけれども、かけには勝ったのだ。 けれども、いなくなってみると、なんだか

懐かしいナマハゲたちだった。

そこで、村人たちは、1年に一度 1月15日に ナマハゲのお面を付けて 「泣ぐ子はえねが」と

家々を回って歩くようになったという。

999段の石段や、逆さ杉は 門前の五社堂の近くに今もある。

     五社堂👆  読んで字のごとくお社が五つあり 最強のパワースポット

 

鬼が築いたといわれる999段の石段👆 

 

文中 1月15日とありますが、昔はこの日にちだったようです。

現在は 各町内ごとに 大みそかの夜 ナマハゲの扮装をして家々を回って歩くそうです。

真山神社では、2022年2月11日(金)から13日(日)の3日間「なまはげ柴灯まつり」が開催されました。

                       秋田の昔話より

                                 コメント欄とじてます

 

 


昔っこ 猿一ぱ・キジ一ぱ

2022-07-12 18:09:39 | 昔っこ・民話

このお話は 私が子供のころ 囲炉裏端で 何夜 祖母に聞いて そらんじるほど聞きました。

寝る前に 昔っこを聞くのが 習慣になって もう少し・もう少しとせがんだものでした。

「さる一束(いっぱ) キジ一束」 懐かしく思い出しまして 掲載しました。

 

むがし むが~し(昔) ある所にさると キジおったど。そしてな 同じ田んぼを二人で作っていたど。

春になってな キジがさるに「さる・さる田越しに行がねが」と言ったら さる

「今日だば おれ せんきで(腰やお腹の痛む病気)行がれね(行けない)」というので

キジ一人で 田を耕しに行ったど。 やがて田植えの時が来たので 「さる・さる 稲植えに行がねが」

と言ったど。そしたら「おら 脚気で行がれね」と 断るものだから

キジ 一人で田に苗を植えたど。 その苗もどんどん育って 秋になったど。

      

雉は、いつもうちの畑の所にいます 👆      お猿さんイラストは、無料素材をお借りしました

 

そこでキジが「さるさる 今日も脚気だが。稲こ刈りに行がねが?」と聞いてみたど。そしたら

「今度まだ せんき(腰やお腹の痛む病気)起きで 行がれね」と言ったど。

キジまた一人で寂しく稲刈りに行ったど。  そのうちに刈った稲も乾いたので キジが

「さる・さる稲分けねが(分けないか)」と誘ったら 「んだ(そうだ)早く分けねば いけねな!」

と、言うが早いか どんどん田んぼに走っていったど。

そしてな、さる、自分の所には 二束を一緒にして 「さる一ぱ・キジ一ぱ」

「さる一ぱ・キジ一ぱ」と 分けたど。 んだども キジ 文句も言わねで

そのまま家にもってきて 少しづつ大事に 大事に食べていたど。

 

さるの方は あざねくて(大事にしないで) どんどん食ってしまったもんだから 

すぐに米こ なくなって キジの所に もらいに行ったど。

「キジ キジ おめだば稲こ いっぺ(たくさん)取ったえて まだあるべ。俺さ少しよこせ」

と おどかしたけれど 今度だけはキジも 「んた(嫌だ) やらね。」と 

きっぱり断ったもんだから。キジをひどい目にあわせたり 

「今度から せんきも脚気もならねで 働くから」と だましたりして とうとう稲を取って行ったど。

それで、キジあしたから食べる米こ ないもんだから、困ってシクシク泣いておったど。

 

そしたら、ちょうどそこへ 栗と蜂と臼が来て 「キジ・キジなして泣ぐ」と なぐさめるので

今までの事、みんな教えたど。そこで三人相談して そのうち、きっとさるが また来るだろうから

その時こそ さるを懲らしめることにしたど。

やがて さるが来た。「キジ、何か食うもの寄こせ。ああ寒。おお寒」

と 勝手に上がり込んで、囲炉裏に近づいたものだから、栗 この時とばかりに「バガーン」と

さるの顔めがけて はねたど。「あっちっちち・・・」と叫んで 水がめのあるところに走ったど。

ちょうどそこに蜂が隠れていて 「ブーン・ブスッ!」と顔も手も足も 刺したど。

さる あまりに痛くて 「いで・いでででで・・・」と 戸のぐち(入口)の方に 逃げて行ったら

軒に隠れていた臼が 「ドシーン」と 落ちてきたもんだから

さる ひとたまりもなく 組み伏せられてしまったど。

     

ネットより 無料イラストです  

 

「キジをなして(どうして)ひどい目にあわせたんだ。

これからずるいことしねば ごめんするがら謝れ」と

とっちめたら「あどしね(もうしない)。絶対しね」と、誤ったど。

それで許してやったら さる、オイオイ泣きながら 家さ帰ったど。

とっぴんぱらりのぷう・・・

小さかった頃を 思い出して楽しんでくださいね。

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伝説・民話 ヘビ杉

2022-04-28 12:27:42 | 昔っこ・民話

久しぶりに 秋田の伝説を… お孫さんと一緒にお楽しみくださいね~

 

昔々、船岡の庄内に 松兵衛という木こりが住んでいた。身の丈6尺(約2メートル)もあり、10人力という

まるで、仁王のような大男だった。また、大変な大酒飲みだった。

木こりのくせに、木を切るのは面倒だと 近くの山から 立ち木を根こそぎ抜いてきて 根元の方から

囲炉裏にくべるので 端の方は家からはみ出し、垣根を越えて道をふさいでしまった。

 

ある時、松兵衛は村人に頼まれて ブンナ森の大きな杉を切ることになった。この大杉は庄内からも

見えるほど高く天にそびえていた。村人たちからは、神様の住む木のように思われ 恐れられていた。

松兵衛は、大きなにぎり飯を腰につるし、大マサカリを振り回して、杉の木を切りにかかった。

静かな山々に まさかりの音がこだました。しかし、いかに10人力の松兵衛でも 大人4・5人でも

やっと抱えるような大杉を、一日で切り倒すことは出来ない。日暮れまでかかって

やっと半分、切り込むのがやっとだった。 次の日、松兵衛は朝早く起きて山に向かった。

             

 

「きょうは、必ず倒してやるぞ、こんな杉に3日もかかったといわれては、俺さまの名がすたる」

ところが山に着いてみてびっくりした。昨日確かに半分切り込んでおいたはずの杉の木が

元通りになっているのだ。松兵衛はあまり不思議なので、杉の木にさわってみたり、ぐるぐると

回ってみたりしたが、傷跡一つついていない。 松兵衛は、しばらく首をかしげていたが、やがて大まさかりを

持ち直して、一振り、ふた振り 力任せに切りつけた。昼休みもとらないで、頑張ったがその日も

半分ほどで日が暮れた。 3日目の朝、杉はまた元通りになっていた。

「ややっ、なんとしたことだべ。こんたらごとしていたら、1年かかっても切り倒すことはできねぇ。

 なんとも困ったこった。何としたらええべ」

 

松兵衛は、杉の根元に腰をおろすと、腕組して考えこんだ。やがて昼近くになったころ、松兵衛は

膝をたたいて立ち上がった。松兵衛は近くから杉の葉や 枯れ枝を集めて火をたいた。

ぼうぼうと燃え盛ると 松兵衛は大まさかりを振り上げた。杉の幹はみるみる切り取られていく。

松兵衛は、その切り取られたコッパ(切り取った木片)を、燃え盛る火にくべる。

その日も、半分切り取ったところで終わったが、松兵衛は「これでよし!もう、焼いたから

 元通りにはなれねべぇ。だども、念には念をいれておぐべ」 松兵衛は沢に下りて、

一抱えもある大石を探し出し、それを担ぎ上げて、いままで切り込んだ傷口に どっかと押し込んだ。

その日の真夜中、大地震のような山鳴りがしたかと思うと、家が揺れ、柱も折れるかと思うほど

きしみだした。松兵衛は飛び起きた。見ると恐ろしい大蛇が、家を3巻き、4巻きにし、

大きな目を輝かし、口からは、炎のような舌をはきだして、松兵衛をにらんでいた。

      

              まさかり・へびは、無料イラストよりお借りしました

 

一度は驚いたが、元々力自慢の男だったから、土間にとび下りると、大まさかりを手にして 外に出た。

そして、襲い掛かる大蛇の目をめがけて切りつけた。戦いは2時間以上も続いた。

松兵衛は、最後の力を振り絞って、切りつけた。さすがの大蛇もその一撃で力尽きて倒れた。

松兵衛は、大蛇の死骸をマキのように、プツン、プツンと切って積んだ。それは、高さ4尺(約1.2㍍)

横6尺(約1.8㍍)もある、大きな釜に7杯半ぐらいもあったという。

 

さて、1度はマキのように積んだ大蛇の死骸を 松兵衛は、近くの沢に捨てた。

ところが、その沢に とても美味そうなキノコが生え出した。松兵衛は、きっと大蛇の死骸に生えたものに

違いないと思い、初めのうちは食べなかった。キノコは、年々増えて、いい匂いをまき散らした。

ある年、酔っぱらった松兵衛は、とうとう我慢できなくなって、そのキノコを食べてしまった。

すると、たちまち腹痛をおこし、転げまわって苦しんで、死んでしまった。

村人たちは、大蛇のたたりだと口々に言いあった。

今も、ブンナ森には、大杉の切り株と、切り口に押し込んだ大石が残っている…  

          ―仙北郡協和町―     秋田県国語教育会編

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伝説・昔っこ 坊さんとワラビ

2022-03-01 18:48:37 | 昔っこ・民話

玉米の奥地に一人の旅の坊さんが入ってきた。もう日が暮れてしまったので、今夜はここあたりに

泊めてもらおうと、あちこちの家に頼んでみた。しかし、どこの家でも泊めてくれようとしなかった。

がっかりして、山道を入っていくと、1軒の荒れ果てた小屋を見つけた。小屋の中にはひとりの娘がいて

父親らしい病人を看病していた。病人がいては気の毒だと思ったが、

「もしもし、旅の僧ですが、宿がなくてこまっています。邪魔にならないようにしますから、

小屋のすみっこにでも、泊めてもらえませんかな」と頼んでみた。娘は少しの間考えるようにしていたが

「この通りの小屋で、布団どころか食べ物もないのですけれど、それでもよろしかったら、

どうぞ泊まって行ってください」といってくれた。

 

「いやいや、そんな心配はいりません。ただ夜つゆさえ しのげればいいのですから」

坊さんは、気持ち良く泊めてもらうことになった。翌朝何度も礼を言って、小屋をでようとすると

「こんなものでも良かったら、どうぞ食べていってください」

娘は、きれいに盛った山菜を差し出した。「ほほう。これはおいしいものだ。何というものかな」

「はい。これはワラビと言って、一晩あく抜きして食べるものです」

「娘さん、私をそのワラビの生えている所に 連れて行ってくれないかな」

しばらく娘の顔を見ていた坊さんは言った。娘は裏山に案内して行った。

 

そこには、山一面に、ワラビが生えていた。

「ここに生えているのがワラビです。ここらの山は、どこへ行ってもいっぱいありますよ」

と、娘はいった。坊さんは1本のワラビを採ると、何やらお祈りしていたが

「娘さん、この山に生えるワラビは、あくぬきしなくても食べられるようにしてやりましょう。

それから、きょうのワラビを寝ている病人にも食べさせてみなさい。きっといいことがありますよ」

と言うと、サッサと山を下りて行った。

娘は、またワラビをいっぱい摘んで帰り、あくぬきしょうと思ったが、ふと、さっきの坊さんの言葉を思い出し

お湯を通したままのワラビを食べてみた。すると、不思議なことに苦みがなくなっている。

おどろいた娘は、さっそく寝たっきりの父にも 一口食べさせてみると 今まで死にかけていた病人が

夢から覚めたようにお気あがった。不思議な出来事に娘は泣いて喜んだ。

村人たちはこのことを伝え聞き 誰いうともなくこの土地を、善徳ということになった。 

                             ―由利郡東由利町に伝わる伝説―

今年も寒風山に ワラビ採りに行こう! まちどおしいなぁ・・・

あく抜きしなくても食べられるワラビ あったらいいね。

 

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