つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆「運命の人」を読み終えて

2010-08-21 17:00:01 | Weblog
 海洋博公園沖縄美ら水族館のモニュメント

             

今年に入って、図書館に購読を申し込んでいた「文藝春秋」社連載小説「運命の人」(全四巻)が、やっと、退院後の7月に入って、一巻から順番待ちで読み始め、昨夜全巻を読み終えた。

沖縄返還(1972年5月)の一年前に起こった「外務省機密漏洩事件」を、西山太吉(当時毎日新聞記者)氏を主人公に、司法、立法、行政に続く第四の権力である新聞マスコミを絡ませ、難解な法律問題、機密外交、国益、不可解な政治の世界を、判り易く、興味深く纏めた、山崎豊子氏の長編小説に、ある時は怒り、また歓喜し、最後は涙しながら読み終えた。

終戦末期の沖縄玉砕、27年後の沖縄返還、当時社会党の楢橋議員による爆弾発言、3人の海兵隊員による少女レイプ事件、大型へり墜落事件など、断片的に頭に残る沖縄のニュースを、時系列に頭に蘇えらせ、改めて考えさせられた。

8月6日に広島、8月9日長崎に原爆が投下されて65年。オバマ大統領誕生によって、世界が核兵器(開発)抑制に大きく舵を切りつつある中で、核抑止力を理由に、日米軍事同盟国として、全国の75%を占める沖縄の米軍基地問題について国民は真剣に考え、さらに被爆国として、率先して核兵器根絶を発信していかなければならない。

沖縄返還協定の軍用地復元補償費400万ドル(当時では約12億円、現在円換算で3億4千万円)は、西山氏の情報通り、日本側の肩代わりだったことも、米公文書で証明された(昨年、朝日新聞が琉球大学の長年の調査で判明したことをスクープ)。

その補償費用も、実際に地主に支払ったのは2~3割といわれる。

日米地位協定や治外法権による沖縄県民の怒り。

戦場で戦った人々、広島、長崎で被爆された方々、そして沖縄で戦中戦後を賢明に生きて来た人々に共通することは、多くを語らないことである。戦争とその後の生活において、辛酸を極めた方々にとって、過去を振り返りたくない強い思いがある。

しかし、二度と繰り返してはならない戦争を後世に伝え続けることも我々の責務である。
そうした趣旨から,そして、沖縄を識り、将来あるべき日本を考える一助としても、是非「運命の人」を一読していただきたい。

奇しくも本日、興南(沖縄)が東海大相模(神奈川)を13-1で破り、史上6校目の春夏連覇を達成した。沖縄勢の夏の甲子園優勝は初めて。

因みに、1958(昭和33)年、首里高校に始まる沖縄(当時は外国)は、50回大会で、我喜屋主将(現、監督)の港南高校が4強入りし、99年選抜大会で沖縄尚学が初優勝を果たし、58~60回大会で3年連続8強入り、72、73回大会で沖縄水産が2年連続準優勝している。

興南高校の優勝を祝福し、併せてエース島袋洋奨投手(3年)の健闘を称えたい。



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