お気楽極楽 つばさのたわごとのつづき

管理人つばさの徒然なるままのたわごとを連ねた日記でございます。

人間は簡単に壊れる

2005年04月24日 | Weblog
自分を暖かくしたばっかなのに、結構苦しい舞台を観に来たなぁって思ってしまいました。
KITCHEN 演出:蜷川幸雄 主演:成宮寛貴
はい、いい男を観に来ましたよ!!(笑)成宮くんの他にも勝地涼くんとか高橋洋さんとか。色男揃いですの。これ(笑)
舞台はロンドンのとあるレストランテの厨房。厨房という名の戦場でコック以外にこんなに働く人いたんだぁって単純にそこからびっくりしたんですけどね、私。私の好きな一幕モノだったんですが登場人数多すぎ。それぞれにドラマがあって、違う人物が主役になったバージョンとか観てみたい気がしたくらい濃い人物達が背景を少しずつ描いておりました。
まず会場入ってびっくり。厨房をそのまま再現し、下手は食料倉庫へ繋がる。上手はリストランテ店内に繋がるというみたいな造りにしてありました。そして、厨房をぐるりとお客が囲んだ形の360度正面な舞台。
そりゃ成宮くん包丁で手を切るっつうの。(笑)
この日が千秋楽だと言うのに、舞台上誰も台詞言ってませんよ、し~~んってなってますよ。っという瞬間はあったんだけど、結構ずっと緊張の糸が張った内容。
成宮くんが杉田かおると不倫している事を軸に、国籍の事、前日の暴力沙汰、それぞれの仕事に対してのプライドが交差して、ちょっとずつ変な空気が漂ってきて、何気ない一日はいつも通りには終らなかったという話。そうあまりに話に入ってしまっていて気づかなかったけど、厨房に朝集まってからディナー時間までの話だったんだよね。
これを見ていて人間は簡単に壊れるんだぁ・・そう実感した。
ラストシーン寸前、成宮くんが杉田かおるに別れるというより自分を否定された物言いをされたすぐ後、仕事仲間が自分のテリトリーに入って来てプライドをずたずたに傷付けられ、発狂して全てを壊す、そして自分も壊れてしまう。その流れの芝居がずっと痛かった、見てるのが・・・成宮くんにこんな思いをさせる芝居ができるなんて正直思っておりませんでした(失礼!)
内臓を全て引きずり出された感じでした。。。涙とか出ないの、ぼ~~っとしてしまい気づいたらカーテンコールだった。って感じ。
千秋楽でカーテンコールが長かったんですが、私本気でスタンディングオーベーションしておりました。
人間の壊れる瞬間って人それぞれ違うし、いつあるか分からない。
私のその引き金を引かれないようにと思いながら帰りました・・・