軍用の訓練を受けたイルカが逃亡って・・・
カトリーナによって破壊された水槽または施設から
艦艇を護衛するための特殊訓練を受けたイルカが
メキシコ湾に逃げたらしい。
アメリカ海軍が極秘に行っていた訓練によって、この
イルカたちは「海軍基地に監視や敵の撃退用に配備され
港に侵入し海中から軍艦や重要設備を破壊しようとする
テロリストや敵対行為を行う者に、毒矢を発射するよう
に訓練を受けており・・・それが逃げたの?
もうSFとしかいえないような内容の記事を英国の新聞
が伝えた。
アメリカではツナ缶には妙なシールが貼ってあるらしい。
「ドルフィン セーフ(イルカに安全)」?
いったい何のことだろう?わかるかな?
ウチのカワイイ(?)イルカのえさに出来ます!って
意味なんだよ。なにしろアメリカは日本と違って家の
プールでイルカも飼えるくらいって金持ちや動物愛護家
が多いからねぇ。ほんでイルカの好物であるツナ、
この缶詰なら家族みんなでhappy!って、そんな
ことあるわけねー!イルカをペットにって!ゴメンよ
これって冗談!
なーんだよ、一瞬信じちゃった?許しておくれーな!
そうやって笑ってくれないと、冗談でもいわないと
憂鬱なるような話でもあるんだよ、今日のテーマはね。
んで!このシールの本当の意味は
「この缶詰の原材料のマグロは、漁の際にマグロを狙って
寄ってきて、人間がせっかく網にかけて獲ろうとした魚を
マグロを、それこそもう食いまくって!かじりまくって、
とにかく全部食った!食った!うまかった!って満足した
イルカやナンだよーオレにもマグロくれよ!よこせよ!
って網の周りをぐるぐる回ったイルカも、とにかく漁師が
イルカを殺さずに獲ったマグロで作られています。
あなたが好きなイルカを傷つけてませんよ!(セーフ!)
ホントに殺して犠牲にしてませんとも!(ホントにセーフ!)
このマグロでツナ缶作って人間がそれで生計を立てて生きて
いるけど、あたしらは善良な漁師です。
イルカを犠牲にしてません。ホントに信じていいですよー」
ってことを簡単に伝える意味で貼ってあるのだ。
ふう~・・・そこまでしてツナ缶って・・・
1979年、オレがスイスのローザンヌにいた頃だけど
当時オレはフランス語の語学試験、まあ英検のフランス語版
みたいなもので、アリアンス・フランセーズっていうのでさ
これに合格すると就職に「いいよ!」っていうんで、その
試験準備してたわけ。
ところがさ、あれは11月だったかなぁ、そうそうオレの誕生
日が半ばなんで、その頃だよ。
ある日、授業でさイルカを快楽で(釣りのように)殺し、
鯨を食べるの日本人は野蛮だ!なんてことがテーマになった
討論会があってね。それは最初はオレのクラスよりレベルの
下のところで始まって、そのクラスにいた日本の女の子が
泣き出しちゃってそれが学校中になんか飛び火して
「鯨を食べて、イルカを殺す日本人なんて野蛮!
信じられない人間じゃない!」
みたいな空気になってさ。ありゃぁーナニこれ!
ほんとにぃーっていう、おろおろパニック状態。
それまでみんな仲良かったのに、突然ホントに重い空気が
ドーンってさ、日本人はオレを含めて10人くらいかな。
500人くらいいるなかでスイス人が200人くらいで
あとはイタリア、ドイツ、オランダ、英国、北欧からも
いたし、まあ欧州から80%北米10%その他10%って
比率かな。
それで捕鯨に関しては賛成10vs反対440(50棄権)
で圧倒的に不利で、イルカの虐待に関しては1vs499
みたいになってしまって。
日本人がイルカを棒で殴り殺した!って記事が広まってさ
確かにオレも見たよ、浜辺に引き上げられた無数のイルカが
漁師に棒で殴り殺されたという(事実かはわからんが)
雑誌に掲載された写真。
浜の砂も波も赤く染まってて、そりゃ悲惨な写真だった。
みんなその写真見ただけで「日本人は残酷!イルカのような
高等生物を虐殺するなんて!」・・・
オレも記憶があいまいなんだけど、確かこれは長崎か壱岐か
どちらかの話で、伝統的なイルカ漁の話だったと思うんだよ
ね。
漁師にとってイルカは海のギャングみたいなもんで、自分
たちの生活の糧である魚を食い荒らす天敵みたいなもんだ。
漁が始まると20-50っていう群れで網に入り込み食い
まくるというからね。サメも同じように被害を与えるが
まだサメのほうが食い散らかすというか、魚は残るらしいが
イルカは丸呑みらしい、まるで小クジラ!っていうか
イルカとクジラは同じ科目だもんな。
まあ多数派のスイス人に、それも国土を山に囲まれ、海に
面していない国の人間にクジラは食うな!イルカは殺すな!
といわれても、食文化が違うだろ!といってもしょせん多勢に
無勢。
イルカ・・・オレにとっては悪夢の動物だったなぁ
同時にスイス人の偏見の強さに、もうこの国には住めないなっ
て思ったなぁ・・・
この軍用イルカのニュースを聞いて、あの当時、日本人を
強い偏見で嫌ったスイス人は何を思うかな。アメリカ人なら
許すかな?
きっとアメリカの軍部には「怒り」をおぼえても、漁師や
ツナ缶にシールを貼る企業とそれを信じるアメリカの一般
市民には理解をしめすかもしれないな。
それとも2005年のスイス人は、軍用イルカのニュースを
聞いて、そういえば日本人は・・・っていいだすかもしれない。
それは被害妄想、過剰反応といわないでおくれ。
人種に対する差別や偏見で傷ついた心は、なかなか相手を
許せるものではないんだよ。
日本人の漁師よりもイルカのほうが大事といわれてごらんよ。
そういう国に住もう、働こうなんて思わなくなるよね。
でもさ、そういう偏見を知ったことで、やがてオレは大きく
成長したんだよ。
以前に絶滅寸前のカバの話を記事にしたけど、あの記事を書き
ながら、ルワンダの兵士よりも「かば」のほうが大事かも?
って一瞬思ったことは嘘ではないからね。人は未知の世界と
遭遇するとその世界で生きている人間を否定したくなるんだ
よね。
でもね、ああいうひとつの文化の衝突があって、そこから生まれ
たものは悪いものばかりではなかったんだな。
日本の食文化を語る機会に恵まれた事で、それは偶然だったんだけ
ど奇跡的な、あれはそうとしかいえないような、状況を一変させる
ことが起こったんだよ。
日本人は、そうやってクジラも、あまり欧州では人気のないタコも
同じように牛も豚も食べるけど、食事の前に多くの日本人は忘れて
いないよ。え?何を忘れないか?
欧米では人間が食物連鎖の頂点にたっているから、そういうことは
わからないかもしれないけど、日本人は「いただきます」っていうよ。
人間が生きるために命を奪った生き物に、あなたの命をいただきます
そういって食事をするよって説明したんだ。
それを言ったら、それまで険悪だったクラスの雰囲気がそれこそ
ガラッと変わったな。
俺の知る限り、食事の前にそんな表現をする欧州の言語はないからね。
「いただきます」という食文化を知って、なかには泣き出しそうな顔に
なった子もいてね、ホントそれまで最悪な雰囲気で、目をあわせること
も、その同じ空間にいることが耐えれないと思いあっていた人間同士、
正確に言えばオレと残りほぼ全員のクラスメイトってことだけど、
それがさ「いただきます」の意味を知ってから、はるか極東の食文化を
理解する気持ちになってくれたんだよね。
本当に偶然の展開で「日本人は動物の命をそまつにしている!」といわれ
「そんなことはない。ちゃんと犠牲になってくれた生き物に感謝してる。
その思いが、いただきますって手を合わす気持ちに表れてる」って
どうしてあんなことが言えたか今でもわからないな・・・
翌日には「いただきます」の意味が学校中に知れ渡ったようで
いつもの朝にもどっていた。階段でクラスで、ごく自然に交わされる
あいさつの言葉、そして微笑み。
それから別れの日が来るまで、青い目や金髪のクラスメイトたちと
食事するたびに手を合わせて「いただきます」という彼らにオレも
つきあわされたのは言うまでもない。
あれからもう長い月日がたったなぁ。
もう2度と会うことはないだろうが、きっと「いただきます」は
誰かの家庭では語り継がれているかもしれないな。
イルカの話から、なんかそんな昔のこと思い出してしまったなぁ。
カトリーナによって破壊された水槽または施設から
艦艇を護衛するための特殊訓練を受けたイルカが
メキシコ湾に逃げたらしい。
アメリカ海軍が極秘に行っていた訓練によって、この
イルカたちは「海軍基地に監視や敵の撃退用に配備され
港に侵入し海中から軍艦や重要設備を破壊しようとする
テロリストや敵対行為を行う者に、毒矢を発射するよう
に訓練を受けており・・・それが逃げたの?
もうSFとしかいえないような内容の記事を英国の新聞
が伝えた。
アメリカではツナ缶には妙なシールが貼ってあるらしい。
「ドルフィン セーフ(イルカに安全)」?
いったい何のことだろう?わかるかな?
ウチのカワイイ(?)イルカのえさに出来ます!って
意味なんだよ。なにしろアメリカは日本と違って家の
プールでイルカも飼えるくらいって金持ちや動物愛護家
が多いからねぇ。ほんでイルカの好物であるツナ、
この缶詰なら家族みんなでhappy!って、そんな
ことあるわけねー!イルカをペットにって!ゴメンよ
これって冗談!
なーんだよ、一瞬信じちゃった?許しておくれーな!
そうやって笑ってくれないと、冗談でもいわないと
憂鬱なるような話でもあるんだよ、今日のテーマはね。
んで!このシールの本当の意味は
「この缶詰の原材料のマグロは、漁の際にマグロを狙って
寄ってきて、人間がせっかく網にかけて獲ろうとした魚を
マグロを、それこそもう食いまくって!かじりまくって、
とにかく全部食った!食った!うまかった!って満足した
イルカやナンだよーオレにもマグロくれよ!よこせよ!
って網の周りをぐるぐる回ったイルカも、とにかく漁師が
イルカを殺さずに獲ったマグロで作られています。
あなたが好きなイルカを傷つけてませんよ!(セーフ!)
ホントに殺して犠牲にしてませんとも!(ホントにセーフ!)
このマグロでツナ缶作って人間がそれで生計を立てて生きて
いるけど、あたしらは善良な漁師です。
イルカを犠牲にしてません。ホントに信じていいですよー」
ってことを簡単に伝える意味で貼ってあるのだ。
ふう~・・・そこまでしてツナ缶って・・・
1979年、オレがスイスのローザンヌにいた頃だけど
当時オレはフランス語の語学試験、まあ英検のフランス語版
みたいなもので、アリアンス・フランセーズっていうのでさ
これに合格すると就職に「いいよ!」っていうんで、その
試験準備してたわけ。
ところがさ、あれは11月だったかなぁ、そうそうオレの誕生
日が半ばなんで、その頃だよ。
ある日、授業でさイルカを快楽で(釣りのように)殺し、
鯨を食べるの日本人は野蛮だ!なんてことがテーマになった
討論会があってね。それは最初はオレのクラスよりレベルの
下のところで始まって、そのクラスにいた日本の女の子が
泣き出しちゃってそれが学校中になんか飛び火して
「鯨を食べて、イルカを殺す日本人なんて野蛮!
信じられない人間じゃない!」
みたいな空気になってさ。ありゃぁーナニこれ!
ほんとにぃーっていう、おろおろパニック状態。
それまでみんな仲良かったのに、突然ホントに重い空気が
ドーンってさ、日本人はオレを含めて10人くらいかな。
500人くらいいるなかでスイス人が200人くらいで
あとはイタリア、ドイツ、オランダ、英国、北欧からも
いたし、まあ欧州から80%北米10%その他10%って
比率かな。
それで捕鯨に関しては賛成10vs反対440(50棄権)
で圧倒的に不利で、イルカの虐待に関しては1vs499
みたいになってしまって。
日本人がイルカを棒で殴り殺した!って記事が広まってさ
確かにオレも見たよ、浜辺に引き上げられた無数のイルカが
漁師に棒で殴り殺されたという(事実かはわからんが)
雑誌に掲載された写真。
浜の砂も波も赤く染まってて、そりゃ悲惨な写真だった。
みんなその写真見ただけで「日本人は残酷!イルカのような
高等生物を虐殺するなんて!」・・・
オレも記憶があいまいなんだけど、確かこれは長崎か壱岐か
どちらかの話で、伝統的なイルカ漁の話だったと思うんだよ
ね。
漁師にとってイルカは海のギャングみたいなもんで、自分
たちの生活の糧である魚を食い荒らす天敵みたいなもんだ。
漁が始まると20-50っていう群れで網に入り込み食い
まくるというからね。サメも同じように被害を与えるが
まだサメのほうが食い散らかすというか、魚は残るらしいが
イルカは丸呑みらしい、まるで小クジラ!っていうか
イルカとクジラは同じ科目だもんな。
まあ多数派のスイス人に、それも国土を山に囲まれ、海に
面していない国の人間にクジラは食うな!イルカは殺すな!
といわれても、食文化が違うだろ!といってもしょせん多勢に
無勢。
イルカ・・・オレにとっては悪夢の動物だったなぁ
同時にスイス人の偏見の強さに、もうこの国には住めないなっ
て思ったなぁ・・・
この軍用イルカのニュースを聞いて、あの当時、日本人を
強い偏見で嫌ったスイス人は何を思うかな。アメリカ人なら
許すかな?
きっとアメリカの軍部には「怒り」をおぼえても、漁師や
ツナ缶にシールを貼る企業とそれを信じるアメリカの一般
市民には理解をしめすかもしれないな。
それとも2005年のスイス人は、軍用イルカのニュースを
聞いて、そういえば日本人は・・・っていいだすかもしれない。
それは被害妄想、過剰反応といわないでおくれ。
人種に対する差別や偏見で傷ついた心は、なかなか相手を
許せるものではないんだよ。
日本人の漁師よりもイルカのほうが大事といわれてごらんよ。
そういう国に住もう、働こうなんて思わなくなるよね。
でもさ、そういう偏見を知ったことで、やがてオレは大きく
成長したんだよ。
以前に絶滅寸前のカバの話を記事にしたけど、あの記事を書き
ながら、ルワンダの兵士よりも「かば」のほうが大事かも?
って一瞬思ったことは嘘ではないからね。人は未知の世界と
遭遇するとその世界で生きている人間を否定したくなるんだ
よね。
でもね、ああいうひとつの文化の衝突があって、そこから生まれ
たものは悪いものばかりではなかったんだな。
日本の食文化を語る機会に恵まれた事で、それは偶然だったんだけ
ど奇跡的な、あれはそうとしかいえないような、状況を一変させる
ことが起こったんだよ。
日本人は、そうやってクジラも、あまり欧州では人気のないタコも
同じように牛も豚も食べるけど、食事の前に多くの日本人は忘れて
いないよ。え?何を忘れないか?
欧米では人間が食物連鎖の頂点にたっているから、そういうことは
わからないかもしれないけど、日本人は「いただきます」っていうよ。
人間が生きるために命を奪った生き物に、あなたの命をいただきます
そういって食事をするよって説明したんだ。
それを言ったら、それまで険悪だったクラスの雰囲気がそれこそ
ガラッと変わったな。
俺の知る限り、食事の前にそんな表現をする欧州の言語はないからね。
「いただきます」という食文化を知って、なかには泣き出しそうな顔に
なった子もいてね、ホントそれまで最悪な雰囲気で、目をあわせること
も、その同じ空間にいることが耐えれないと思いあっていた人間同士、
正確に言えばオレと残りほぼ全員のクラスメイトってことだけど、
それがさ「いただきます」の意味を知ってから、はるか極東の食文化を
理解する気持ちになってくれたんだよね。
本当に偶然の展開で「日本人は動物の命をそまつにしている!」といわれ
「そんなことはない。ちゃんと犠牲になってくれた生き物に感謝してる。
その思いが、いただきますって手を合わす気持ちに表れてる」って
どうしてあんなことが言えたか今でもわからないな・・・
翌日には「いただきます」の意味が学校中に知れ渡ったようで
いつもの朝にもどっていた。階段でクラスで、ごく自然に交わされる
あいさつの言葉、そして微笑み。
それから別れの日が来るまで、青い目や金髪のクラスメイトたちと
食事するたびに手を合わせて「いただきます」という彼らにオレも
つきあわされたのは言うまでもない。
あれからもう長い月日がたったなぁ。
もう2度と会うことはないだろうが、きっと「いただきます」は
誰かの家庭では語り継がれているかもしれないな。
イルカの話から、なんかそんな昔のこと思い出してしまったなぁ。