小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

57・58 禍因悪積 福縁善慶

2022年01月28日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《禍因悪積 福縁善慶》のプリントをアップしました。

 ブログでは、8文字のなかの「悪」をとりあげます。

 

 亜流、亜熱帯という言葉があるように、悪にふくまれる亜は「次位の」「準ずる」という意味があります。

 漢字の成立ち辞典によると、亜の旧字は亞で、建物の基礎を描いた図形だそうです。

 基礎は建物のしたにあるので、亞には「押し下げられて下にある」「押さえつけられて上に出られない。つかえる」というイメージがあります。その亜をパーツに持つ字は、

 悪 亜(上に出られない。つかえる)+心で、胸がつかえてムカムカする嫌な気分。悪い、憎む。

 唖 喉がつかえてしゃべれない。唖然。

 となるそうです。

 

 今回のプリントには、四字熟語や名言がずいぶんあります。

 禍福如糾纆は禍福糾纆(カフクキュウボク)ともいわれます。

 禍福はあざなえる縄のごとし、です。

 糾はあざなう、よじる。纆は縄のことです。

 意味は塞翁が馬とおなじで、悪いことといいことは交互にやってくるので、慢心せず、落ち込まずにいなさい、という意味です。

 積善之家必有餘慶 積不善之家必有餘殃

 こちらは、積善(セキゼン)の家には必ず餘慶(ヨケイ=いいこと)あり、積不善(セキフゼン)の家には必ず餘殃(ヨオウ=よくないこと)あり、と読みます。

 核家族化が進むいまの日本では、ちょっとピンとこない言葉かもしれません。しかし、それが家でなくて人でも、もちろん国であっても、あてはまる言葉だと思いました。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。

 みなさんのリアクション、お待ちしています。


55・56 空谷伝声 虚堂習聴

2022年01月28日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《空谷伝声 虚堂習聴》のプリントをアップしました。

 そしてブログでとりあげるのは「伝」です。

 伝は旧字では傳になります。専には「くるくるまわる」「丸い」というイメージがあり、

 轉(転) ぐるぐる回る。回転。

 傳(伝) 人から人へ物をまわしてつたえる。伝達。

 團(団) まるい固まり。丸くまとまったもの。一団。集団。

 などとなります。

 旧字だと「くるくるまわる」という共通のイメージを感じることができますが、専のパーツは新字だと云と寸になっています。

 云は「もやもやと漂う」、寸は「そっと押さえる」というイメージがあるパーツなので、「くるくる回る」を感じることはできません。

 新字への批判はいろいろありますが、イメージがごっちゃになったのは、たしかに残念ですね。

 手書きが主流のころは画数が減って便利だったと思います。

 でも、いまはパソコンやスマホで文章を書くことの方が多いので、画数は関係ありません。書くことが激減して目でみて理解できればいいという時代になりました。ちょっと早まったかもしれませんね。

 まあ、これほど手書きがすたれるとは、だれも想像できなかったと思うので、仕方なかったのかもしれません。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

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53・54 徳建名立 形端表正

2022年01月28日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 きょうは《徳建名立 形端表正》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「名」に注目しました。

 漢字の成立ち辞典によると、名は「はっきりわからないものを、それによってはっきりわからせる言葉」という意味をもっているそうです。

 はっきりさせる前提として、「はっきりしない」状態があるので、「はっきりしない」という意味にも使われるそうです。

 あ〜、なんだかややこしい。

 いずれにしても、名のパーツをもつ漢字は、

 銘 (金属などに名を刻んで)由来などをはっきりさせる・忘れない。銘記。

 茗 お茶。気分をはっきりさせる働きのある茶の木。

 酩 酒に酔って意識がはっきりしないさま。

 だそうです。

 茗(メイ、ミョウ)がお茶の木をさす漢字だとは、知りませんでした。

 お茶というより、ミョウガのミョウとして使われている漢字ですから。

 茗荷を食べると物忘れがひどくなるという俗説がありますが、「はっきりしない」イメージで使われているのかなぁ。

 そう思ってWikiをひくと、ミョウガの香り成分には集中力を増す効果があるそうです。

 はっきりしない vs はっきりさせる

 どちらのイメージを念頭において茗荷という字をあてたのかわかりませんが、どっちにしても、この漢字をあてた人はすごいですね。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

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