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At First

豊橋鉄道にモバイルICOCAの乗車記録を刻む約束を果たしてきた

10年ぶり2回目の「申し訳ございません」

 先日、モバイルICOCAを利用して名古屋周辺の様々な路線に乗車して履歴を刻んだのだが、地理的事情から一社だけ積み残しがあった。愛知県東部の中核都市・豊橋市に本社を置く豊橋鉄道株式会社(豊鉄)だ。

 …というフレーズを10年ぶりに繰り返す。
 振り返れば交通系ICカードの全国相互利用が始まった2013年も3月早々に名古屋地区の事業者でモバイルSuicaの履歴を刻んだのだが、豊橋鉄道はその際も積み残してしまい訪問が半年後になるという粗相をした。
 そうした失礼をモバイルICOCAでは繰り返してはならぬと、万障繰り合わせの上、今回はそれほど日を開けず豊橋の地に降り立ったというわけだ。

豊橋鉄道新豊橋駅渥美線乗り場


 豊橋鉄道は渥美線と路面電車の市内線(東田本線)で交通系ICカードの利用ができる。
 今回は渥美線の新豊橋駅から南栄駅と愛知大学前駅から新豊橋駅まで、また均一運賃の市内線は駅前から競輪場前までの往復区間を乗車した。

新豊橋駅で発車を待つ1800系電車

T1000形電車ほっトラム


市内線はモバイルICOCA利用履歴は「**」

 さっそくモバイルICOCAアプリで利用履歴を確認しよう。
 渥美線は新豊橋駅が「豊鉄新豊」で事業者名を2文字で収め、駅名は2文字で表記するルールだ。南栄が「豊鉄南栄」、愛知大学前は「豊鉄愛大」でいずれも納得できる表記である。
 一方、市内線はなぜか「利用箇所・区間」が空欄で、内容も「**」と記されている。モバイルSuicaで新規にICカードの利用が開始された路線を利用した際に駅名が表記されないことはあるが、豊橋鉄道は2011年からICカード乗車券manacaに対応しているし、運賃は正しく引き落とされている。一体どういう事情なのだろうか。

市内線は**


メンテナンス中に見た「謎の」利用履歴画面

 2023/4/28の未明に、豊橋鉄道市内線の表記が更新されていないかとモバイルICOCAアプリの利用履歴を開いてみたところ、いつもと異なる画面が表示された。
 トップ画面の利用履歴アイコンを押すといつもはすぐに表示される履歴が、照会する年月を選ぶ仕様になっている。

モバイルICOCA利用履歴画面がいつもと違う

 試しに2023年4月の履歴を照会してみると確かに私の利用履歴なのだが、表示フォーマットに随分と差がある。これは一体何だろう?

フォーマットが異なる利用履歴画面(左)を通常の利用履歴画面(右)と比較

 まずタイトルから(前日分まで)という注釈が消えている。次に表頭をみると「利用箇所・区間」が「利用箇所区間」に「チャージ残額」が「カード残高」にそれぞれ変更になっている。
 内容欄にあった「入場」「出場」の文字が消え、代わりに駅名の前に「入)」「出)」が付加された。代わりに内容欄には「鉄道利用」と表記され、バスなどは「乗車 バス等」が「バス等利用」と表記が揃えられている。
 利用箇所区間欄に記された駅名表記も見どころ満載だ。事業者名を2文字で表記するルールはそのままだが、それに続く駅名は少なくとも6文字までは表示できるようだ。
 「名交ドム」と記されていた名古屋市営地下鉄のナゴヤドーム前矢田駅は、「名交ナゴヤドーム」になり、リニモの愛・地球博記念公園駅は「愛高博記」が「愛高博記念公園」になっている。面白いのは、あおなみ線のささしまライブ駅で、「名臨ささ」が「名臨ささしま」になっている。「名臨ささしまライ」までは表記できそうなものがだが「ささしま」で切られているのには理由があるのだろうか。

 そういえば!と、正しく表記されなかった豊橋鉄道市内線の乗車記録を見ると、「豊トラム」で「バス等利用」になっていた。ますます「**」になっている事情が分からない。

豊橋鉄道市内線も「豊トラム」表記


 真実は不明だが、実はこの時間帯(2023/4/28の午前0時から午前5時まで)には、システムメンテナンスのためモバイルICOCAの会員メニューサイトはサービスを停止していた。モバイルICOCAアプリに停止の告知は無かったが、メンテナンスに伴い代替手段で履歴を表示していたのだろうか。それとも近い将来のバージョンアップに備えて次期履歴表示画面のテストを行っていたのかもしれない。


 翌2023/4/28朝、再度モバイルICOCAアプリを起動してみると、履歴表示は元の仕様に戻っていた。Apple Pay対応も年内に行われることが発表されたモバイルICOCAだが、あの日見た履歴表示画面が、いつか正式版としてリリースされるかもしれない。


参考

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