遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

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西山塚古墳(天理市)

2014-11-23 21:15:47 | 日記
前回の西殿塚古墳に引き続き、天理市で西山塚古墳のご紹介です。
この古墳は、西殿塚古墳と同様、竜王残から伸びる尾根上に築造されています。平地からはかなり高いところに築造されています。

全長約114メートル、後円部径約65メートル、後円部高さ約13メートル、前方部幅約70メートル、前方部高さ約8メートルで古墳時代後期前葉のころに築造された古墳です。
大和古墳群では後期の前方後円墳はここだけです。

冒頭の写真は、前方部から見たものです。
この古墳は周濠を持っており、今でも一部は池として残っています。
写真ではこんな感じです。


前方部にわずかに残っている周濠


東側(山側)に残っている周濠

なお、この池にはヒブナがたくさん住んでいます(^_^)


墳丘は、後円部三段、前方部二段と考えられています。
しかし、後円部。

なんだか段築が4つ以上あるように見えますが、多分果樹栽培のために開墾した跡でしょう。

この古墳は発掘はされていません。しかし、墳丘表面から古墳時代後期前葉の埴輪が採取されています。
明治20年(1887年)ころに墳頂部が開墾され、その際に石棺や勾玉、管玉、鈴、土器、人造石が出土したとの記述が「山辺郡誌」に見られます。しかし、現在所在不明となっています。

花咲じいさんみたいな「大判小判がザックザク」シチュエーションは、こういう古墳を開墾したときの様子が元になっているのかもしれません。