遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

遺跡好き弁護士射場守夫は現在奈良県大和高田市一法律事務所にて業務中!遺跡紹介とたまに法律や仕事のお話をいたします。

西殿塚古墳(天理市)

2014-11-21 22:09:54 | 日記
長いことさぼりましたが、久々に古墳好きとしての意識が目覚めましたので更新します。

遺跡が好きで奈良弁護士会に移籍してきたというのに、なぜか遺跡に無関心な地元の方々・・・(T_T)
なんですが、今回遠方より大変有名な先生が来られ、遺跡見学を同行することになりました。
大変うれしい。

ところで、久しぶりなのでちょっと有名な古墳西殿塚古墳をご紹介します。
10月に山辺の道を少し歩きまして、そのときに見学したものです。

この古墳は、奈良盆地の東側に連なる山々のひとつである竜王山から伸びる尾根上に築造されています。全長約230メートル、後円部径約145メートル、前方部幅約130メートル、墳丘は東側で三段築成、西側で四段築成となっています。東から西へ下る傾斜となっているためですね。
後円部と前方部頂にはそれぞれ方形壇が存在します。

この古墳は継体天皇の皇后手白香皇女(たしらかのひめみこ)の衾田陵とされていますが、時代的に矛盾があるようです。
というのも、この方は大体6世紀の人ですが、この古墳からは特殊器台や特殊器台形埴輪、特殊壺形埴輪が出土しており、古墳時代初期、多分箸墓とそう変わらない時期(3世紀末あたり)と考えられるのです。
これは、古墳近くの解説にあった写真です。


この古墳は陵墓指定されているのですが、1989年に宮内庁書陵部により墳丘調査が行われ、1993年から1995年には天理市教育委員会が墳丘周辺の範囲確認調査を行なっています。
天理市教育委員会による発掘の際には墳丘裾の基底石が発掘されています。上の写真にありますね。
土留め目的でしょうか。

基底石の下の写真は特殊器台形埴輪の口縁部の破片でしょうか。

この直ぐ東隣には、東殿塚古墳が主軸をほとんど平行にして並んでおり、同じ解説板に写真が載っています。ここからも特殊器台形埴輪が出土し、これも初期の古墳だとのこと。ただし、ここからは朝顔形埴輪やヒレ付円筒埴輪も出土しており、西殿塚より若干遅いようです。

おそらく、この古墳は竜王山から伸びる尾根を切り取って盛り土して整形して作ったのでしょうが、それにしてもずいぶん高いところに築造しています。いろいろ石とか運ばないといけなかったでしょうに、大変だったことでしょう。

ちなみに、古墳近くから奈良盆地を見下ろすとこんな感じ。

良い眺めですな~。王様の気分というのはこんなものかね。

前方部の先には例によって鳥居があります。


この日は秋晴れで古墳日和でした。
よかったよかった。