華麗なる腑抜けの世界

倦怠感溢れる日々を称揚しつつ

罵倒

2006-07-13 18:57:55 | 社会
 サッカーワールドカップ決勝戦。フランスのジダン選手がイタリアのマテラッツィ選手に頭突きを喰らわせ、その咎により退場処分を受けた。自分の母親と姉をマテラッツィに侮辱され、ジダン選手は頭突きに至ったらしい。初めのうちはジダン選手も無視していたらしいが、侮蔑の言葉が三度目に及び、我慢がならず、ついに暴力に訴えてしまったらしい。仏の顔も三度までというが、仏人のジダン選手は三度目でキレてしまった。

 女性を侮辱する言葉といえば「あばずれ」とか「娼婦」とか、そのあたりであろう。たとえば英語のbitch(ビッチ)、フランス語の putain(ピュータン)、 イタリア語のputtana(ピュターナ)である。またそれらの単語を用いた成句として、それぞれson of bitch、fils de putain(fils de pute)、figlio di puttanaというものがあるが、いずれも「あばずれの息子」という意味のごく一般的な罵倒語である。日本語の「お前の母ちゃんでべそ」みたいなものである。マテラッツィ選手が「このあばずれの息子が」と言ったかどうかはわからないが、これは頭突きするほど強烈な表現ではないはずである。きっと相当酷いことを言ったに違いない。とくに身内の悪口はこたえる。

 しかし、日本語の「お前の母ちゃんでべそ」という表現も実は相当えげつない。そして深い意味がある。この場合の「でべそ」は腹にあるへそではなく、女性器のことらしい。然るに、「お前の母ちゃんでべそ」には、「俺がお前の母親と(「でべそ」を介して)性的関係を持つことで、俺はお前の義父となるから、俺はお前より優位に立つ」という意味があるとかないとか。

 ジダンには同情するが、やはり暴力は良くない。永田寿康元議員に「扇(千景)と何発ヤったんだ」と野次を飛ばされ、グラスの水を引っ掛けた松浪健四郎議員を思い出してしまった。扇とヤって良いのは坂田藤十郎だけである。

最新の画像もっと見る