5月11日(金)参議院の憲法調査特別委員会で、改憲のための国民投票法案が可決されました。強行採決ではなく、最大野党民主党も採決に合意(議案賛成ではありませんが・・)の上の円満採決です。フランスでは右派で親米派のサルコジ氏が大統領選挙を制し、集団的自衛権を「重んじる」日本政府は、沖縄の米軍普天間基地の代替ヘリポート建設を成就するために、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を辺野古にむけ出航させました。
世界で、日本の中で何が起こっているのでしょうか?国民投票法案の問題点が、衆議院の強硬採決であれほどクリアーになり、マスコミも注目し、さてはせめて「最低投票率の定めすらない」というお粗末ぐらいは解消されるのかと思ったら、参議院の審議はあっという間に終了、採決となってしまいました。
民主党は18項目の付帯決議をつけるということで妥協をしたようです。その付帯決議には最低投票率のことは入っておりませんし、そもそも付帯決議には法的拘束力はありません。参議院選挙の前であり、自民党との対立軸を明確にし、がっぷり組んで闘うには、国民投票法案でどう闘うかは、とても重要な問題であったと思います。その、国民を味方につけるためのステージを、民主党はさっさと放棄してしまったようです。
その理由は、うすうすうかがい知れます。民主党内のかなりの数の議員が、改憲に反対ではないし、改憲のための国民投票法案にも基本的に反対ではない・・からです。議論を深めれば深めるほど、自民党との対立軸が鮮明になるのではなく、自分の党内の対立軸が鮮明になってしまうからです。
小沢党首が「改憲を参議院選挙の争点にすべきではない」というのは、そういう意味です。改憲が優先順位の高い日本の課題ではないという言い方は、一見、改憲に反対している立場のようにも聞こえますが、実は党内対立の先鋭化を先送りするためのオブラートであるわけです。
そのことを見越した上で、安倍総理の「改憲が争点」発言もあると見るべきです。改憲二焦点をあてれば当てるほど、民主党内は分裂するからです。でも、安倍氏が見落としているのは、それによってますます有権者からは見放されているのです。支持率はどんどん下がるでしょう。
問題は、では代わりがいるの?ということ。
自民党内で少しまともな加藤紘一氏は沈没状態ですし、福田さんもなんだか沈黙しちゃいましたし、谷垣さんは頑張っていますが、まず大きな勢力にはならない・・。野党の小沢さん、菅さんに期待は当然かかっているのですが、さっきの事情です。政権交代どころか大分裂の危機といったほうが良いような状態。
そういう誰も抑えが効かない、政治の歯車が勝手に回ることを止められない・・というような状態の中で、いま、沖縄県の辺野古に海上自衛隊の「ぶんご」が向かっているという情報。マスコミ報道もされません。辺野古では、沖縄の海で暮らしてきたおじいおばあが、もう何年も身体を張って、代替ヘリポート建設をストップさせています。海上のやぐらの上に身体を縛りつけ、引き倒されれば命もない・・というような。そこに海上自衛隊が向かう・・。なぜ?
○○反対闘争みたいなものに対する警備は警察がやることになっています。少なくとも日本国憲法下では。海上の場合は海上保安庁です。海上保安庁は、工事を実行する工事会社を警備するという役回りです。海上やぐらを引き倒したりはできません。で、自衛隊・・。いよいよ、国民にむけて出動なのでしょうか?
工事の発注者である「防衛施設庁」の職員として、工事の実施を行うこともあると久間防衛庁長官が言ったとかとの情報もあり、つまりは海上やぐら引き倒しの実行部隊として向かっているということでしょうか?
ひょっとして有事、緊急事態とでも認定するのでしょうか?押さえが利かない政治の中で、すでに国民がその権利を踏みにじられる事態がはじまっています。そういう意味では、情報が極端に少なくなって、大事なことは報道されなっているのかもしれません。
とにかく、目と耳を全開しましょう。
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