行徳平兵衛の徒然

とりあえずは奥の細道の自転車放浪記

平兵衛の「奥の細道」-13 松島~登米

2008年02月06日 | 奥の細道
2007年4月22日(日)雨
宿の駐車場には水溜りが幾つも出来ている。昨夜は雨が激しかった様だが今は上っている。雲行きは怪しげだが今の内に距離を稼ごうと早朝の出発だ。
石巻へ向うべく高城川に沿ってR346(佐沼街道)を北上し、三陸自動車道手前の根廻交差点を右折しR45(石巻街道)を東進する。これより鳴瀬川まで「雉兔蒭蕘の行きかふ道」となる。橋を渡り東の根古辺りの山並みを見ながら鳴瀬川左岸の旧道を南下する。小野の里を過ぎ再びR45に合流し、暫らく進むと「芭蕉が根古村の親切な今野源汰左衛門に会い“茶”を乞うことが出来た」と云う矢本の町に入る。いよいよ雨が降り始め雨具をつけて進む。定川橋を渡り次に大街道新橋を過ぎ、R398を東進し日和山公園に向う。公園の満開の桜や芭蕉・曽良の像は雨に濡れ、石巻湾の先に牡鹿半島がかすみ、期待していた金華山は影も無い。尾ブチの牧(牧山)や中瀬の島は近くにあり、真野の菅原は東の山陰に隠れているらしい。
日和山を下り住吉公園前の北上川にある“袖の渡”へ向かう。朱塗りの橋を渡り、水面を覆う松と満開の桜が彩を添える小島の東屋で、暫し雨に煙る北上川を眺め、往時の渡し場を想像する。
石巻駅前の繁華街を抜け丸井戸交差点からR45(一関街道)を北上し登米に向う。山間の道が長々と続くので腹ごしらえし、いよいよ雨中の大行進だ。
北上川を天王橋で渡ると北東の風にあおられた車のしぶきが浴びるようにかかり、次の飯野川橋も同様だった。周囲の堂々たる山河の風景は圧巻だがゆっくり眺めている余裕はない。延々と続く北上川に沿った山際の歩道のない道を車と雨に悩まされながら進む。ここで一句
    春雷に 山河も煙る 登米の道
暫らく走ると柳津虚空蔵尊入り口辺りから歩道が現れホッとするが、この頃になると靴の中にも水が滲み込んで来た。宮下橋を渡りR342(一関街道)を北に進み、日根牛辺りから東の旧道を進む。左手のR342の土手に桜並木が現れると登米大橋(写真)は間近だ。橋を渡り右岸に“芭蕉翁一泊”の碑がある。
宿に着いた時には自転車や雨具・靴は泥まみれだ。宿の主人曰く「その様な苦労も旅だからこそ出来る。それが旅の醍醐味だ」と。-----やれやれ!
今日の走行距離 60km