goo blog サービス終了のお知らせ 

全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

近鉄バスは茨木地区路線だけ2024/10/1に追加値上げへ

2024-07-31 20:34:48 | 路線バス<運賃関係>

関連ブログ記事・・・2023/7/12付「近鉄バスの茨木地区路線は2023/9/1に値上げ、他は2023/11に値上げ <10/18一部訂正>

近鉄バスの茨木市内を中心とするエリアは、他地区の一般路線とは別の運賃体系(競合する阪急バスに同調した実質均一運賃)となっています。

https://www.kintetsu-bus.co.jp/price/

前回2023/9/1の値上げは「220円均一→230円均一」でしたが、阪急バスが2024/10/1付で「1区230円→250円」の値上げを実施するのに伴い、同日付で250円均一に値上げすべく2024/7/26付で近畿運輸局に申請を行いました。

https://www.kintetsu-bus.co.jp/topics/detail.php?pkId=900

「実質均一運賃」と書いたのは、運輸局への申請上では特殊区間制(1区・2区・3区と運賃が徐々に上がっていく)なものの、実際には全ての路線が1区に収まるようになっているからです。そして、このエリアの近鉄バスは整理券方式となっており、現金乗車の場合は<全区間同一運賃にもかかわらず>乗車時に整理券を取る必要があります。路線バス事業を巡る環境が厳しい中、以下の選択肢もあり得ますが、

 1.茨木地区を担当する鳥飼営業所所属の車両については、メンテナンスコスト削減のために整理券発行機を撤去する

 2.1の施策は「他の地区とバス車両の仕様を統一するのが重要」なため不可能だが、整理券用紙のコスト削減のために鳥飼営業所管内では整理券発行機を使用停止にする

そこまでは追い込まれていないのでしょうか?


エキスポシティ線終了で、JR茨木駅のバスのりばが全面バリアフリー化

2024-07-30 12:47:35 | 路線バス

近鉄バスが運行していたJR茨木駅と大阪モノレール万博記念公園駅を結ぶ路線バスは、運転士不足により2024/7/28限り休止となりました。

https://www.kintetsu-bus.co.jp/topics/detail.php?pkId=888

この路線は、万博記念公園駅近く(エキスポランド跡地)に大型商業施設・エキスポシティがオープンするのに合わせ2015/10/16に運行を開始したもので、当初は阪急バスとの共同運行で15分間隔と頻発していました。

https://www.hankyubus.co.jp/news/images/151005.pdf

大阪モノレールはJR京都線と接続しないためそれなりの利用があると考えたのかもしれませんが、実際には利用は伸びず減便の一途を辿りました。

・2017/11/6に近鉄バスが平日の運行を大幅縮小(夜間の万博記念公園駅発1便のみ存続)

・2018/3/19に阪急バスが平日の運行を廃止 https://www.hankyubus.co.jp/news/images/180305e.pdf

・2018/8/4に近鉄バスも平日の運行を廃止

・2022/11/5に近鉄バスが土休日夜間便の運行を廃止

・2023/3/26に阪急バスが撤退 https://www.suitaweb.net/articles/enjoyexpo-hankyubus-expocity-suspension/

以降は、近鉄バスが土休日限定で1日7往復運行するのみとなっていました。

=================

この路線が主に経由する「エキスポロード」は1970年の大阪万博に合わせて4車線に整備されたもので、万博期間中は茨木駅が国鉄線における最寄り駅となったため、全国からやってくるエキスポ来場客のためにシャトルバスが頻発していました。

https://www.est-gr.co.jp/town-news_ibaraki/tourism/exporoad/

そして、茨木駅西口には立派なバスターミナルが整備されました。ただ、交通戦争という時代背景から階段でしかアクセスできない島式のバス停となっており、バリアフリーが重視される昨今の情勢には全く合わないものとなっていました。

そのため、駅前広場を囲むように新たにバス停を整備することとなり、2015年秋にほぼ完成しました。これに伴い、従来の島式のバス停はその大半が使用休止となり、その後は現在に至るまでバスの待機場として使われています。ただ、JR茨木駅~万博記念公園駅間の路線については、ターゲットが沿線住民ではなくエキスポシティや万博記念公園の来場客ということもあり、旧来の島式バス停での発着となっていました。今回の路線休止で、晴れて全面バリアフリー化されたことになります。

現地掲示の案内図。かつては4個の島式バス停がありましたが、エキスポシティ方面の路線が使用する4番のりば以外はバス待機場になっています。

島式バス停跡地であるバス待機場と、そこに歩道橋から通じていた階段が並びます。バス待機場化にあたり屋根は撤去され、島の部分も一部削られています。

一方、不要になった階段を撤去する予定はなさそうで、歩道橋側の入口が封鎖されているだけの状態が8年半以上続いています。

歩道橋から4番のりばへの入口。階段を利用出来ない方は他の路線を利用してくださいとの案内看板もありましたが、2024/7/28限りでご用済みとなりました。

左側が4番のりばで発車を待つ近鉄バス、右側が発車したばかりの阪急バスの電気バスです。

歩道橋上から4番のりばを見下ろした様子。

床面には「エキスポ」のシールが貼られています。以前に他の行先のバスが同じ場所から出発していた名残と思われます。

近鉄バスののりばの隣には、国際興業バスの深夜急行バス「オオサカナイトライナー」の降車専用バス停の標柱が設置されていますが、この路線は実は2006/6/30に休止されており、その後18年以上そのまま放置されていることになります。

バスはエキスポシティに向かうカップルなど1桁台の乗客を乗せ、万博記念公園前のバス停に到着しました。折り返しのJR茨木駅行のバスの乗客も1桁台だったようです。


鳥取県岩美町の絶景町道の通行止めから2年、今後の見込みは?

2024-07-29 20:29:32 | 道路交通全般

2023/7/30付ブログ記事「続:鳥取県岩美町の絶景町道が当分通行止め、バスも迂回」からさらに1年後の様子です。

絶景町道が通行止めになって間もなく2年が経過しますが、

http://www.iwami.gr.jp/item/12297.htm

通行止め区間の両側を見る限り、何の工事にも着手されていません。

西側の入口を、JR山陰線を走る普通列車の車内から遠望した様子。このあたりは羽尾海水浴場と呼ばれており(陸上パーキング前の海岸と同様、監視員がいないので正式には海水浴場ではない模様)、来訪車に限り通行止め区間の先の駐車場まで入れます・・・2023/9現在のストリートビューはこちら

一方、袋小路状態となった陸上パーキングの前の海岸<海水浴場ではない>は、今夏も大盛況です。こちらはJR山陰線の列車の車内から。

こちらは東側の路上から。

通行止めは相変わらずです。今回は、ここまで来てUターンする車を複数見かけました。

担当部署に聞いてみたところ、「復旧工事は鳥取県が主体となって行う手はずになっており、2024年度に工事の設計を行い、2025年度から工事にかかる予定」とのこと。もしかすると、1年後には暫定的に片側交互通行可能になっているかも・・・

ちなみに、東浜海水浴場は場所により浸食が激しくなっています。この問題は2010年代初頭から深刻化したようで、海岸を管理する鳥取県はさまざまな対策を行っています。

https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1157930/03toubu%20(2).pdf

(東浜駅にJR西日本の豪華列車「トワイライトエクスプレス瑞風」が停車するようになった2017年当時の資料)

しかし抜本策にはなっておらず、特に「瑞風」の乗客が立ち寄るJR東浜駅北西側のレストラン「アル マーレ」と陸上パーキングの間は浸食や浜崖(砂浜の一部のみが浸食されて出現した砂の崖)により波打ち際を歩いて通ることは不可能になっています。そして、浜崖の進行を防ぐための内部構造(サンドパック)が露出してしまっています。

ただ、高い場所にある「アル マーレ」からの海辺の眺望には幸いなことに影響はありません。また、東側の監視員が配置されている本当の「東浜海水浴場」、JR東浜駅のすぐ北側、そして陸上パーキング付近の砂浜の浸食は進んでいません。


国道183号江府三次道路=鍵掛峠道路区間&江府道路区間のその後 <10/9追記あり>

2024-07-29 00:45:49 | 幹線道路(中四国)

2023/10/27付ブログ記事「国道183号江府三次道路・鍵掛峠道路の進捗について」の続報です。

上記ブログ記事で

>鍵掛峠区間のほうが高尾三坂区間より4年3か月も遅い2005年3月に整備区間に指定されましたが、進捗は現時点では長大トンネルを含む鍵掛峠区間のほうが順調で、今回の工期見直しでほぼ確実に(トンネル工事で大きなトラブルが発生しない限り)先に開通することになりました

と書きましたが、そのトンネル掘削時に発生する湧水による「井戸水位の低下」が確認されました。

https://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/press/R6/240614.pdf

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1231137?display=1

低下幅は30m以上と大きく、これが続くと地元住民の生活にも影響してくるため、十分な対策を施し地元住民に理解してもらうまでは掘削工事が再開できないことでしょう。中国地方整備局側からはその後1か月以上続報はなされていませんが、状況次第ではトンネル区間も開通が後ろ倒しになるかもしれません。

もう1点・・・

鳥取県側の江府道路区間について、進捗の詳細を解説することとします。

鳥取県公式サイト内の江府道路を紹介するページの記述によれば、2024年7月時点の進捗状況は約65%程度となっています。

https://www.pref.tottori.lg.jp/254861.htm

上記ブログ記事で書いたように2023年4月時点での進捗状況は約50%程度だったので、約15ヶ月で15%ほど進んだ計算になります。その大半を占める久連トンネルの工事(現段階では2026年度までトンネル本体工事が予定されている)に関しては、施工する共同企業体が積極的に情報を発信しています。

https://ad-hzm.jp/kure-tunnel/index.htm

一方、特徴的なのは「江府道路区間の両端で日野川を渡る橋梁については、とっくの昔に完成済みである」ことですね。おそらく久連トンネルについてはもともと両側の坑口付近に通じる道路が存在しないため、先に資材搬入路として完成させておく必要があったものと思われますが。北側の久連大橋は2016年1月に、南側の洲河崎大橋は2017年3月に、洲河崎大橋と久連トンネルの間にある宮ノ谷トンネルは2019年4月に完成しています。

そして、洲河崎大橋と宮ノ谷トンネル南側坑口は現在の国道183号からはもちろん、並行するJR伯備線を走る列車の車内からもよく見えます。

現地付近のストリートビューはこちら

当然久連トンネルが完成しないとこの区間を供用開始させることはできないわけで、あと少なくとも3年程度は、特急やくもの車窓から未完成の道路を見せつけられることになりそうです。

 

<10/9追記>

井戸水位の低下の確認により掘削工事が中断していた鍵掛峠のトンネルですが、井戸改修の完了に続きトンネル掘削面の被圧を低下させるための水抜きボーリングを実施し、2024/10/1から掘削を再開しています。

https://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/press/R6/241001-2.pdf

半年近く掘削が中断していたことになりますが、果たして工程にはどの程度影響が出ることでしょう?

 

 


中国バス・トモテツバスもPASPY終了後はICOCAに完全移行へ?

2024-07-28 00:01:40 | 交通系ICカード

2024/7/5付ブログ記事「広島市内の非広電グループバスは2025/3/30からICOCAに移行」の続報です。

2024/7/23付で、中国新聞社が以下の記事をYahoo!ニュースに配信しました。

IC乗車券PASPYは2025年3月まで 広島県内の交通機関の利用方法どうなる 新システム「モビリーデイズ」?ICOCA? 各社の対応は

この中から、当ブログでこれまで言及していなかった内容をピックアップして紹介します。

1.中国バス・鞆鉄道(トモテツバス)はMOBIRY DAYSに対応しない

両社はこのブログ記事を書いている時点で正式にPASPY終了後のICカード類の扱いについて発表していませんが、方針としては既に「ICOCAに完全移行」を決定しており、細部の調整が済んでから公式サイトなどで情報を公開するものと思われます(注)。

2.呉市生活バスは一部路線のみMOBIRY DAYSのほかICOCAにも対応する

2024/2/9付ブログ記事「 呉市生活バスはPASPYからMOBIRY DAYSに移行、ICOCAは?」で書いたとおり、呉市の基本方針は「PASPYからMOBIRY DAYSへの移行」であり、利用の大半を占める高齢者に対し「会員登録等に係る手続の支援及び利用方法の説明」を徹底すべく事業を進めています。ただ、記事には”観光利用が見込まれる一部の生活バスには全国交通系の簡易型読み取り機を設ける方針だ”とあります。どの路線が該当するのかは皆目不明ですが・・・

3.廿日市市のコミュニティバスもMOBIRY DAYSに対応する

廿日市市公式サイトの自主運行バスのページにあるように、市内の各地域で運行するコミュニティバス(かつての広島電鉄のバス路線を前身とするものと、そうでないものがあります)のうちデマンド方式でない路線について、2025/2からMOBIRY DAYSを導入します。

https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/76034.pdf

2024年時点では「元からの廿日市市域を運行する廿日市さくらバスはPASPY対応だが、平成の大合併で廿日市市の一部になったエリアを運行するおおのハートバス佐伯さくらバス吉和さくらバスはICカード非対応」となっていますが、晴れて全面キャッシュレス対応となります。

 

(注)福山市内では他に井笠バスカンパニーも路線バスを運行していますが、同社は経営破綻した旧井笠鉄道(バス専業事業者)の主要路線を両備グループが設立した新会社を受け皿として移管したという経緯があり、少なくとも現在PASPYが利用できる路線については中国バスと軌を一にするものと推測されます。ちなみに、同社は主に岡山県笠岡市内や井原市内で路線バスを運行しており、こちらを拠点とするバスが福山~井原線などで福山市内に乗り入れる場合はICカードは使えません。