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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

渡島半島西岸の国道の大規模な土砂崩れ→当分は迂回路を通行へ

2022-02-20 19:04:02 | 幹線道路(北海道)

北海道の積丹半島や渡島半島の海岸沿いを結ぶ国道229号は、多くの区間で険しい崖の下を経由しており、各所で災害との戦いを余儀なくされています。1996年に積丹半島東側で発生した豊浜トンネル(崖を回避するために掘られたトンネル)の崩落では、路線バスが下敷きになるなどして20人の尊い命が奪われました。

直近では2021年6月に、渡島半島の西岸にある乙部町内で海岸沿いの崖の大規模な土砂崩れが発生しており、

https://www.uhb.jp/news/single.html?id=20879

他の部分も同様の崩落が予想されるため、2022年2月時点でも復旧のめどは全く立っていません。

迂回路は内陸部に大きく入り込む形で確保されているものの、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b-att/v151sd0000002fiv.pdf

道路状況は相対的に悪く、路外逸脱などの事故が多発しています。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/645557

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北海道開発局函館開発建設部のサイトに、この災害の専用ページが設けられています。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b.html

直ぐの復旧は困難ということで、まず2021年8月20日に現場付近を内陸に大きく迂回するルートも新たに国道229号に指定し、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/saigai/v151sd0000002f9b-att/v151sd0000002k31.pdf(40~42ページ目参照・・・GoogleMapやYahoo!地図には半年後時点も未反映)

北海道開発局が直接整備する体制を整え、冬期間も安全に走行できるようにしています。

https://www.town.otobe.lg.jp/section/kikaku/lfsrqq0000006e3n-att/a849440000000j0g.pdf

そして、今後の予定(応急対策および恒久対策)については、昨年12月13日に開催された第3回「国道229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会」の資料の21ページ以降に様々な案について検討された結果が掲載されていますが、

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/douro/v151sd0000000sar-att/v151sd0000003g92.pdf

十分な安全性を担保するには、応急対策だけでも9年~16年かかると見込まれ、恒久対策を施すにはさらに10年以上かかるようです。

確かに、上記資料の写真を見ると、「よくこんな壮絶な崖の下に道路を通したものだ」と誰しも思うことでしょう・・・


函館と札幌の間のミッシングリンク解消はまだまだ先

2022-02-19 23:01:37 | 幹線道路(北海道)

関連ブログ・・・2021/5/6付「北海道のミッシングリンク解消に向けての動き

北海道開発局函館開発建設部2月18日、函館・江差自動車道の茂辺地木古内道路(北斗茂辺地IC~木古内IC)が3月26日に開通すると発表しました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/release/v151sd0000000v9z-att/v151sd00000047rp.pdf

今回の開通により、北海道新幹線が北海道に入っての最初の停車駅のある木古内町まで高規格幹線道路が到達することになります。今回開通する区間は現在国道228号が通じていますが、海沿いでカーブが多く津波浸水想定地域ともなっており、防災面では大きく向上します。また、2021年に開通済みの函館新外環状道路(空港道路)と一体となり、函館空港から木古内ひいては松前・江差方面へのアクセス向上が図られます。

これで道南地域のミッシングリンクの解消に向け前進したわけですが、実は函館と札幌の間に未だミッシングリンクが存在し、当面解消の予定がありません・・・

それは、「北海道縦貫自動車道(道央道)の七飯~大沼間」です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/hk/douro/mt6nfj000000egeh.html

道央道は札幌から観光地で知られる大沼の北側の大沼公園ICまでしか開通していません。函館側では、道央道の代わりとなる自動車専用道路の函館新道が七飯藤城ICまで開通していますが、以北の勾配区間や大沼・小沼・ジュンサイ沼のあたりは国道5号が唯一の幹線道路で、片側1車線の区間も少なからずあります。

https://www.google.co.jp/maps/@41.963663,140.6416591,13z?hl=ja

従って、七飯藤城IC~大沼公園IC間は、「函館と札幌の途中にある」という重要性を考えると完全なミッシングリンク状態ですね。おそらく、北海道内では相対的に災害のリスクが少ない区間ということで、後回しになったのかもしれませんけど。

この区間は有料の道央道の延長ではなく、新直轄方式の無料の自動車専用道路として工事が進められています。半分以上が、現道の西側に新たに掘られる「オオヌマトンネル」となります。

進捗状況のほうは、2021/5/6付のブログで紹介した「防災・減災、国土強靭化に向けた道路の5か年対策プログラム」の北海道ブロック版をよく見ると、

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/release/slo5pa00000050th-att/slo5pa0000005m6s.pdf

「測量設計、物件補償、改良工、橋梁工、トンネル工推進。今後5か年以内にオオヌマトンネル工(本坑)着手」

と書かれています。オオヌマトンネルの全長は5km程度と思われ、今後10年以内の供用開始はかなり厳しそうですね。


JR東の地域連携ICカードで独自割引の対象外の路線は・・・

2022-02-19 21:14:54 | 交通系ICカード

このブログでもよく取り上げているJR東日本の地域連携ICカードですが、同社から2月16日に「今春のサービス開始の全貌」がリリースされました。

https://www.jreast.co.jp/press/2021/20220216_ho01.pdf

リリース文にあるように「地域のバス事業者が運行するバスの定期券や各種割引などの地域独自サービスの機能」が売りなのですが、実際には割引対象にならない例も少なからずあることまでは踏み込んでいません。

群馬県の「ノルベ」に関しては自治体独自の住民向け高齢者割引以外に予定がないのは2/15付ブログで既報です。

そして、JRバス東北も、路線により割引対象かそうでないかを振り分けることを発表しました。

1.青森県内でICカードを使える路線の場合

 「青森~青森公立大学/モヤヒルズ(横内線)」「青森~青森空港線」については、3月12日から青森市営バスの「AOPASS」の交通ポイントサービスを採用し、乗車ごとにポイントが貯まり割引対象となります(AOPASSで貯めたポイントもJRバスで使用可能)。

 一方、「青森~酸ヶ湯温泉・奥入瀬渓流・十和田湖線(みずうみ号)」「八戸~奥入瀬渓流・十和田湖線(おいらせ号)」については、引き続きSuica・PASMOなどの全国相互利用対象交通系ICカードのみ利用可能です。

https://www.jrbustohoku.co.jp/information/detail.php?id=1138

後者は観光目的に特化した路線ですが、前者のうち青森空港線は空港利用者に特化した路線です。

2.岩手県内でICカードが使えるようになる路線の場合

 2/13付のブログで書いた通り、3月12日から

 (1) 二戸~久慈「スワロー号」

 (2) 盛岡~葛巻・久慈「白樺号」

 (3) 盛岡~岩泉・龍泉洞「早坂高原線」

で岩手県北バスの「iGUCA」および全国相互利用対象交通系ICカードが使えるようになりますが、このうち「iGUCA」の交通ポイントサービスを利用できるのは(2)と(3)だけで、(1)は対象外です。

https://www.jrbustohoku.co.jp/information/detail.php?id=1137

いずれの路線も、一般道区間ではこまめに停車し地域住民の日常的な移動にも対応しているはずですが、この違いはどういった事情なのでしょうね?


岡山県内のバスICカードの割引率が3月から縮小されます

2022-02-17 22:13:05 | 交通系ICカード

関連ブログ・・・2021/9/21付岡山市内のバスICカード事情が高齢者割引でどう変わるか?

岡山市を中心とする岡山県内の多くのバス路線で使えるICカード「Hareca(ハレカ)」ですが、3月1日から割引率が大きく縮小されます。

各バス会社の公式サイトでは1月末~2月初めにかけて案内されていますが、

https://www.ryobi-holdings.jp/bus/news-rosen/%e3%80%903-1%e5%ae%9f%e6%96%bd%e3%80%91hareca%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%89-%e3%83%97%e3%83%ac%e3%83%9f%e3%82%a2%e4%bb%98%e4%b8%8e%e7%8e%87%e3%81%ae%e5%a4%89%e6%9b%b4%e5%8f%8a%e3%81%b3%e5%90%84%e7%a8%ae/

https://okayama-kido.co.jp/bus/news.html#an237

http://shimoden.net/rosen/rosen_news/entry-133.html

http://www.chutetsu-bus.co.jp/topics/index.htm#waribikiritu

https://www.unobus.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/ed5ddbb0e44de3d6bab2d261d203a57a.pdf

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・新規購入時およびチャージ時のプレミア率を8%から2%に引き下げ (例・・・3000円のチャージでこれまで3240円分乗車できたのが、3060円分しか乗車できなくなる)

・ひと月あたりの利用額が1000円を超えた分について2%(7000円以下)~10%(11000円超)のプレミアを還元していたのを廃止

・記名式のハレカの所持者は「誕生日割引」として誕生日から3日間に限り1乗車につき大人50円・子ども20円の割引があったのを廃止

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ということで、常連さんにとっては結構な負担増となります(定期券も同時に通勤・通学とも割引率を引き下げ)。

確かに、昨今の状況を考えると無理もない話ですけど。

まあ、首都圏の大半のバス会社ではこの手のプレミアやポイントの新規付与を全廃してしまっており、まだプレミアがつくだけマシなのかもしれません。


有馬温泉の手前の隘路を回避する「有馬口トンネル」ようやく開通

2022-02-17 17:50:28 | 幹線道路(関西)

神戸市は2月16日、都市計画道路(兵庫県道15号でもある)神戸三田線の有馬口トンネルが3月30日に開通すると発表しました。

https://www.city.kobe.lg.jp/a59714/195297194435.html

この道路は神戸市街地と六甲山の北側に広がる住宅地や有馬温泉を結ぶ幹線道路の中では唯一無料で通行でき、非常に交通量が多いのですが、21世紀の初頭になっても狭い片側1車線の未整備区間が少なからずあり、拡幅工事が進められてきました。しかし、六甲北有料道路との交差部分の東側は山が迫り、2013年に「当初計画の道路拡幅から、トンネル方式に変更」となりました。

https://www.city.kobe.lg.jp/documents/13125/mini-news3.pdf

有馬口トンネルを含む区間は、以前に神戸市が「令和3年度中に完了させる」と宣言しており、ギリギリで間に合いましたね・・・ 

https://www.city.kobe.lg.jp/a59714/shise/kekaku/kensetsukyoku/avenue/finish.html

ただ、現道との取付部の工事は2022年度も引き続き実施するとのことです。

以下は、2022/2/12時点の現地の様子です。

西側(六甲北有料道路との交差点)は、既に有馬口トンネルに通じる道路がメインの構造になっています。

トンネルの西口を現道から眺めるとこんな感じです。トンネル開通後は、下の道を走るのは唐櫃台の住宅地に用のある車や路線バス(唐櫃団地前のバス停あり)くらいでしょう。

有馬口トンネルの東口の取り付け部分の道路は、工事さ中で走りにくくなっています。ちなみに、唐櫃台駅前からここまでの区間の現道は歩道どころか路側帯もほぼなく、トンネル開通までは自転車や歩行者は怖い思いをして通らねばなりません。

この道路形状に変わったのは、昨年12月4日からとのことです。

東口側は、取付道路の完成までまだまだ時間がかかりそうです。

工事用のヤードだったと思われるだだっ広い空間があります。トンネル手前まで車の長い列が続きます。