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通訳案内士のブログ

⭕️⭕️⭕️英語を使い訪日観光客を案内する職業「全国通訳案内士」の日常と英語学習などを綴ります⭕️⭕️⭕️

ダイヤモンドプリンセス

2020-01-21 | 通訳ガイド/everyday life

ここ数日は天気が良く一日中富士山を見ることができています。ただ、週末降った雪が残っていて富士スバルラインは一合目手前までしか空いていません。この辺の雰囲気は「麓」ですから高い所に来た感じがしないのが残念なところ。





箱根の大涌谷も結構雪が残っていました。今日は火山ガスの噴出量が多くて迫力がありました。



昨日の朝、大型クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」が横浜に入港しました。何千人という乗客が一気に上陸するので都内の主要ホテルはクルーズのお客さんでごった返していたそうです。



この時期(1月2月)は閑散期なのですが、今日に限ってはうちも含め他社さんのツアーバスもたくさんのお客様が乗っていました。数日は忙しくなるのかな?



朝、霞が関を通った時、例の”diet”について喋ってみました。朝イチだったせいか反応は鈍かったですが何人かは肯いてくれていたので嬉しかったです。





大涌谷の黒玉子は必ず紹介して勧めてます。
“If you eat one black egg, you can live seven years longer! Two eggs make it fourteen!  But three eggs cause you a stomachache!”
と言うとドッとウケます。






the Diet(国会)

2020-01-19 | 通訳ガイド/everyday life
You might wonder how come Japan’s parliament is called the National “Diet.” It has nothing to do with Japan’s eating habits.

The term “diet” has its origin in two ancient languages, Greek and Latin. The one from Greek means the usual food and drink consumed by a person or animal. But the latter from Latin had developed into the word meaning of “a day of the assembly.” 

The Holy Roman Empire had held the political assembly called “Reichstag” around the 12th century. According to the Oxford English Dictionary, this German word “Reichstag” had been translated into English as a “diet” since the end of the 16th century.

In Japan, when the Samurai period ended in the 19th century, the new government had tried to establish the constitution and advanced political system modeling after the German Empire. Therefore, the government also adopted the word “diet” as the English translation of the Japanese word for parliament, Kokkai(国会), which literally means national assembly.

(日本ではどうして議会のことを"Diet"と呼ぶのか不思議に思うかもしれません。"the National Diet"は「国民の食生活」とは一切関係はありません。"diet"という単語は古代ギリシャ語とラテン語の2つの言語に起源があります。ギリシャ語から来た"diet"は「人や動物が消費する食べ物や飲み物」を意味します。しかし後者のラテン語の方は「日々の集まり」を意味する言葉に発展しました。12世紀頃の神聖ローマ帝国では"Reichstag"と呼ばれる政治的な集会が開催されていました。辞書によると16世紀後半より、このドイツ語"Reichstag"は英語で"diet"と訳されるようになりました。19世紀の日本で武士の時代が終わった時、新政府はドイツ帝国をモデルに憲法や政治の仕組みを制定しようとしていました。なので、文字通り「国の会合」である「国会」=「議会」の英語表記として(ドイツ由来である)"diet"が採用されました。)



日本の国会は英語で"The National Diet"といいます。国会議事堂は"The National Diet Building"です。「何故"Diet"?」と当の英語圏の人々は不思議がります。アメリカでは"Congress"、イギリスは"Parliament"で世界中で議会を英語で"Diet"と表記している国は日本だけだからです(厳密にはデンマークとスウェーデンなどでも"Diet"という呼称が使用されているとあるが、英米の年鑑などではその議会は"Folketing"、"Riksdag"と原語で表記されるか"Parliament"と示されている。※成蹊大学浅野雅巳氏の「Parliament,Congress,Dietを中心とする呼称についての諸問題」より)。



この質問に対しての答えが意外に難しい、というか面倒なのです。



"diet"という言葉は2つの語源があり、ひとつはギリシャ語からきたもので「食事」を意味するようになったもの、そしてもうひとつは古代ラテン語の"dies"「一日」に語源的関連を持ち、後に「一日の集まり」="a day of assembly"といった意味に発展したもの。



中世、神聖ローマ帝国において「帝国会議」なるものが開催されました。ドイツ語で"Reichstag"といいます。その後16世紀後半に、この"Reichstag"を訳すのに割り当てられた英語が(ラテン語から派生した)"Diet"でした。



日本では明治政府が制定した明治憲法はプロシア憲法、ドイツ帝国憲法に学んだ所産であったため、その後設立された帝国議会を英語に訳す時、同じくドイツ語"Reichstag"の英訳である"Diet"が採用されたということです。ややこしい!



上の英文は浅野雅巳氏の文献を元に、JFG(協同組合全国通訳案内士連盟)の理事長である松本美江氏の著書「英語でガイドする日本(東日本の名所)」を参考に、自分で喋りやすいように作ってみました。次回の都内ツアーの時に使ってみたいと思います。お客様の良い反応を期待したいです。




今朝、仕事の合間に国会議事堂の写真を撮りに霞が関、永田町周辺を歩きました。この建物は自民党本部。英語では「The Liberal Democratic Party」と表記します。「本部」は"headquarters"。この単語は常に複数形ですが動詞は単数扱いなので注意が必要です。




国会議事堂から永田町駅を過ぎて正面の細い道を突き当り、左に曲がるとメキシコ大使館が見えてきました。進んで道なりに右に曲がり、狭い坂道を挟んだ反対側には都立高校の雄「日比谷高校」がありました。初めて通りましたが、素晴らしい立地ですね。




Kei Car(軽自動車)

2020-01-17 | 通訳ガイド/everyday life
When you see a mini car that also has yellow license plates on its front and end, it is "Kei Car." "Kei Car" literally means "light automobile." They are exclusively designed and sold in the Japanese market and categorized as the smallest highway-legal passenger cars in Japan. All Kei Car must meet the regulations of the Road Transport Vehicle Law that specify a maximum vehicle size, engine capacity of 660cc, and power output of 63hp. Thanks to an affordable price, good gas mileage, and low tax and insurance, Kei Car has a 40% share of Japan's market.
(前後に黄色のライセンスプレートを付けた車がいたら、それは軽自動車です。軽自動車は文字通り「軽い車両」を意味します。日本市場向けに規格、販売される、高速道路を走ることができる最も小さな四輪車です。全ての軽自動車は道路交通車両法で定められた車両サイズ、最大660ccの排気量、63馬力の最大出力に適合しなければなりません。安価な価格、低燃費、そして安い税金と保険のおかげで軽自動車は日本の自動車販売量の40%のシェアを占めています)



自動車は日本の主力産業ですが国内市場で幅を利かせている軽自動車は日本独自の規格のため、海外ではほとんど販売されていません。つまり軽自動車は日本固有(?)の車で海外のお客様にとってはとても珍しいモノに映るようです。



上の英文は軽自動車について簡単に説明したものです。一部Wikipediaを参照にして作りました。



最近日本では2ドアのスポーツカーをあまり見かけません。都内ではフェラーリやポルシェなどの高級スポーツカーは結構走ってますが国産車はほとんど走っていません。「日本ではトヨタのアルファードなど高級ミニバンが人気がある」と言うと、特にアメリカ人のお客様は不思議に感じるみたいです。「ミニバンは所詮ミニバンで家族向けの車」という位置付けだそうです。一方、中国や東南アジアの国々ではアルファード、ベルファイアはスゴイ人気らしいですね。



「東京ではガソリンスタンドを全然見かけないが皆どこで給油しているの?」
と聞かれることが多いです。確かに都内ツアーでバスで走るルートではガソリンスタンドを見かけることはほとんどありません(ガソリンは英語で"gas"です。ガソリンスタンドは"gas station"。ただしこれはアメリカなどでの表現で、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでは"petrol"と言います。また、「燃費が良い」は"good gas mileage"、「燃費が悪い車」を"gas-guzzlerといいます)。



「これだけ大都市なのに東京の道は空いているのは何故?」
ともよく聞かれます。私にしてみれば都内の交通量は十分多いと思うのですが、世界の大都市に比べたらこれでも少なく見えるのでしょう。通勤通学では多くの人が電車通勤だという理由もあるのだと思います。あと私もそうですが車を所有している人も地方に比べたら圧倒的に少ないですよね。




先日六本木で見かけた「スーパーセブン」。私の夢の車でした。

最後に乗っていた車を手放して10年近くになりますが、都内ではさほど不自由さを感じてません。というより車なしの生活が当たり前になってしまいました。年に数回の遠出はレンタカーです。たまにニトリなどに行く時、車があったら便利だろうな、と思う時はあります。





Coming of Age Day(成人の日)

2020-01-12 | 通訳ガイド/everyday life
The second Monday of January in Japan is a national holiday, observed as "Coming of Age Day".  It is a celebration for the nation's young people who have reached the legal age of twenty.  On this day many "New Adults" dressed up in Kimono attend a formal event hosted by the local government.
(日本において一月の第二週の月曜日は成人の日を祝う祝日です。成人の日は法律で成人と定められている20歳に達したことを祝う日です。この日は着物を着飾った多くの新成人が自治体主催の成人式に参加します)

明日は成人の日。いつもながら文法に自信はありませんが「成人の日」について簡単に説明できる英文を作ってみました。



成人は"adult"が一番近い訳だと思います。でも20才も50才も100才も皆"adult"なので新成人を祝う「成人の日」を"Adult Day"とは言えません。"Coming-of-Age Day"が最も使われているようです。



「新成人」に対応する英語も微妙。敢えて"New Adults"としたのはそのためです。聞き手の外国人は言わんとしてることを理解してくれると思います。



「この日はたくさんの着物を着た若者(多くは女性)が見られますよね。彼らは地域の自治体などが主催する成人式に参加するため着飾っているのですよ」
と最後に加えれば何故この日は道行く若者に着物姿が多いのかも理解してもらえるのではないでしょうか。



浅草を歩いていると年中、着物姿の若い女性をたくさん見かけます。ほとんどが東南アジアの国々から来た観光客の女性で、付近の着物レンタル店が貸している(と思われる)着物なので、その大半が浴衣だったり、高価なちゃんとした着物ではありません。



でもお客様達は彼女達を見て立ち止まって写真を撮らしてもらったり、"So beautiful!"などと感嘆の声をあげています。"Are they real Geisya?"とすっとんきょうなことを言う人も結構います。また、今日は何か特別な日なのか?と聞いてくる人も今まで数えきれないほどいました。



興味深いのは、着物を着ている若い女性が日本人だろうが外国人だろうが全く拘っていない点です。彼らの目には日本人も他のアジア人も同じに見えるということもあるのでしょうが何より着物がそれだけ魅力的に映るのでしょう。





今朝品川駅の前を歩いていたら空には美しいうろこ雲が。ずっと見ていたら空に吸い込まれてしまいそうでした。





渋谷

2020-01-10 | 通訳ガイド/everyday life
仕事で時々渋谷に行きます。通訳ガイドの仕事を始める前の10年位は殆ど来たことはなかったのに。若い頃は週に何度も来ていた時代もあったものですが歳を重ねるにつれ自然遠のいていました。



今や渋谷は訪日旅行者にとって東京で一番魅力のある街みたいです。私も体感的にそう感じています。



私が日々通訳ガイドとして乗っている定期観光バスの都内ツアーには渋谷は含まれていません。でも皆「渋谷に行きたい!」「何で渋谷へ行かないんだ?」と口々に言います。



渋谷は若者の街として有名ですが外国人旅行者の間では若い人は勿論のこと年配の方も皆「渋谷」「渋谷」です。そして彼らにとって渋谷での一番のattractionはなんといってもスクランブル交差点です。



「あんな人混みの雑踏の何かいいの?」とお思いになるかもしれませんが(私も同じおもいでした)彼らにとっては何百人、時に千人以上の群衆が信号が青に変わった途端一斉にevery directionよりワ〜〜っと湧き出て皆が速足で歩き出し、お互いぶつかりもせずにスムーズに交差していく様子は相当amazingな光景なんだそうです。「秩序のとれたカオス」とでも言うんでしょうかね。実際渋谷の交差点にはいつ行っても多数の外国人の方がカメラやスマホを片手に撮影しながら(交差点を)渡っている光景を目にします。



私は通訳案内士の資格を取るための二次試験に一度落ちています。当時(2015年度)の二次試験では面接官の前で読み上げられた日本語を英訳する「逐次通訳」と与えられた3つのトピックの中より一つを選んで2分間話す「プレゼンテーション」、そして選んだプレゼンテーションのトピックに沿った質疑応答が英語で行われました。



私が落ちた時の3つのトピックは「のれん」「家元制度」そして「渋谷スクランブル交差点」でした。私はこの渋谷スクランブル交差点を選んであえなく撃沈したのです。



試験中は緊張し過ぎて冷静にトピックを選べる余裕がありませんでした。「渋谷」の文字が目に留まり、自分にとって以前馴染の深かった渋谷を選んだのに過ぎず、その後のスクランブル交差点の重要性など全く考えていませんでした。



前述した通り、試験を受けた当時は渋谷スクランブル交差点が訪日旅行者の人気スポットであるということなど全く知らなかったのでプレゼンの内容は交差点については人混みの凄さ位しか説明することが出来ず後は渋谷の街についてしどろもどろになって喋るのがやっとでした。



その後の質疑応答も今思うと随分とトンチンカンなことを答えていたと思います。そして結果は不合格。期待はしていなかったもののショックと言えばショックでしたね。



そう言うわけで渋谷のスクランブル交差点は私にとっては深く思い入れのある場所でもあるのです。





年明けに生まれ変わった銀座線渋谷駅。私はとても使い易くなったと感じています。まだ完成途中なので今後進化し続けていくのでしょう。



年末に開業したスクランブルスクエアや新生パルコなどなど、渋谷の街は訪れる度にどんどん変わっていきます。昔(そんなに昔でもない)を知る人間にとっては寂しさもありますが今後渋谷がどんな風に変貌していくのか考えるとワクワクさも感じます。そして、歳はとってもこういう感覚はずっと自分の中に残っていてくれて欲しいと今日渋谷の街を歩きながら思いました。