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通訳案内士のブログ

⭕️⭕️⭕️英語を使い訪日観光客を案内する職業「全国通訳案内士」の日常と英語学習などを綴ります⭕️⭕️⭕️

日本が誇れるもの

2024-05-12 | 通訳ガイド/everyday life


先日、初めて信任状捧呈式の馬車行列というものをみることができました。



日本に着任したばかりの外国の大使が国からの信任状を天皇陛下に持っていく儀式です。



私は自転車で行ったので空の馬車が東京駅に到着し、大使を乗せた後、二重橋に先回りして行きも帰りも全て見ることができました。



どここ国の大使(または公使)かは発表されてないため正確には分かりませんでしたがアラブ系の国の方でした。



今時馬車で特命全権大使を迎える国って日本以外ではイギリスとスペインだけだそうです。



馬車自体もとても古いものでとても価値のあるものだとか。



先導する皇宮警察官が騎乗する馬達も独特の優雅な歩調で進み、乗馬に心得がない私ですらその高い乗馬技術と美しさを感じとることができたほどです。



アラブ系の大使の様子は皇居に行く往路は緊張した面持ちでした。でも皇居から出てきた時は笑顔で手を振ってくれました。



日本ならではのおもてなしを感じていただいたのではないでしょうか。



外国人のお客さんからも毎日のように日本人の礼儀正しさ(politeness)、親切さ(kindness)、謙虚さ(the quality of being humble and modest)、そして街のきれいさに(cleanliness of towns ans cities)ついて褒められます。



コロナ後は特に言われることが多くなってきたと思います。



毎日外国人と接していると日本にいながらも、ここ何年でそれだけ世界は変わってしまった、そして変わりつつある様子が分かります。



アメリカは特にひどい印象を受けます。



政治による国民の分断、移民問題、貧困問題、物価の急上昇などによってアメリカ人の精神的な価値観みたいなものも変化してきているように思います。



だからこそ、皆さん日本にきてそのギャップにとても驚くのだと思います。



東京に初めてきて、これだけの人と巨大な都市に圧倒されながら、秩序はきちんととれていて、安全で、外国人には優しく、ゴミ箱がどこにもないのに街がきれいなことに本当に感心しています。



私も最近になってもしかしたらこれは日本が誇れるすごい「資産」なのではと思えるようになってきました。



世界がかわっていくなか、日本もその一員として変わっていくことになるのでしょうが、日本人の美徳はできれば残していきたいものです。


かばん

2024-04-29 | 通訳ガイド/everyday life


2017年の3月に通訳ガイドとして旅行会社に採用された時にカバンを買いました。



有楽町の東急ハンズで見つけたManhattan Passageという日本の会社の製品ナイロン製のカバンです。



コロナの三年間の休息はありましたが7年経った今でも現役です。



ナイロン表皮の毛羽立ちもなければ縫い目のほつれもなく、ジッパーはスムーズに開閉し、別段草臥れた感じもしないので、良い買い物をしたなあと今でも思っています。



富士山、箱根方面の日帰りバスツアーでは必ずこのカバンを持っていきます。



「マチ」が相当あるので何でも入ってとても便利です。またリュックみたいに背負えるので多少重くなっても全然平気です。



吉田カバンやBriefingよりオシャレ度は落ちますが値段も2万〜3万程度と安く、機能性、頑丈さはむしろ優れていると思います。





先日VIPのバスツアーをやった時に使用した32人乗りのプレミアムクルーザーというバスがすごかったです。



プレミアリーグのマンチェスターシティーが来日した時に使われたバスだそうです。



いつも使っている45人(または49人)乗りのバスとは全然違いました。



後方にはトイレと化粧室までついていました。



いつもの富士箱根ツアーもこんなバスでできたらお客さんも喜ぶだろうなあと思いました。



この4月は通訳案内士になってから一番「稼いだ」月になりました。



でも三月中旬から一日も休んでなかったので身体はきつかったです。



GWはゆっくり過ごそうと思っています。



再会

2024-03-26 | 通訳ガイド/everyday life
相変わらずご無沙汰しています。



通訳ガイドにとって今が一年で一番忙しい時期です。



spring breakの時期でもあるし、桜を目当てにこの時期沢山のクルーズ船が日本に入港します。



残念ながらソメイヨシノが満開になるにはもう少し時間がかかりそうですが東京も富士箱根方面もどこもインバウンド旅行者で大賑わいです。



先日、コロナ前に私がガイドするバスツアーに乗ってくれたハワイのご夫婦が友達8名連れてクルーズ船で来日し、再び私がガイドする富士箱根と都内バスツアーに参加して下さったんです。



数ヶ月前からメールでやりとりし、私がガイドするバスに乗りたいと言うので会社に頼んでそのお客さんの希望日にガイドとしてアサインしてもらえるよう頼みました。



当日朝、抱き合って再会を喜び合いましたが正直私はそのお客さんのことを全然覚えていませんでした。



コロナ前は週に5日は富士山や都内のバスツアーに毎日30人から40人もの違うお客さんを案内していたので延べ2〜3万人の人々と会っていた計算になります。



ただでさえ記憶力が弱いのに一人一人の顔や特徴なんて全く覚えていません。



でも嬉しかったです。私を覚えていてくれ指名してくれたんですからね。



富士箱根のツアーで小田原駅に着く前に最後の挨拶をします。



以前乗ってくれたお客さんとまた出会えて感動したこと



コロナの3年間は永遠に続くかのように思え、まさかこんな日々が日常になるなんて、いまだに夢のようだ



などと喋り始めたら何だか感情が昂って涙が出てきてしまいました。



自分でもびっくりしてとても恥ずかしかったですがお客さん達は気持ちを汲んでくれたのか温かい拍手を下さりました。



相変わらず(変な表現ですね)通訳案内士っていい職業だなあとしみじみ思いました。



また別の日の出来事ですが、浜離宮の駐車場でバスに乗ろうとしたら背後から声をかけられました。



コロナ以前に使っていたバス会社にいた運転手さんでした。



今は別の会社に所属していて丁度浜離宮に来ていたところでした。



懐かしいね!と挨拶をかわしセルフィーで写真を撮って別れました。



そしてまた別の日の話。母の弟である伯父が亡くなり葬式に参列しました。



この母方の伯父と奥さんである叔母は英語教育にとても熱心でした。



ブリタニカの英語教材が家にたくさんあり、休みに泊まりに行く度に従兄弟達と一緒によく聴いたものです。



紙芝居の「もくもく村のけんちゃん」とか「ロボ」という犬が男の子と女の子を英語の世界に連れて行く物語とか(調べたら「マコとガコの冒険」というタイトルで何と今でも販売されていた)、今でも鮮明に覚えてます。



教材を通じ、幼心に未知の世界であった英語と英語圏の文化に初めて触れてなんて素敵な言葉と世界なんだろうと憧れを抱いたものです。



今思えば従兄弟の家にあったそれら英語教材が私に英語への道を開いてくれたのかもしれません。



叔母によると伯父は亡くなる前に叔母と身の回りを整理した際に、従兄弟達や私が好きだったこの「もくもく村のけんちゃん」の紙芝居とカセットを捨てられず(まだ持っていたことに驚きました)押し入れにしまい直したそうです。



もしかしたら従兄弟達や私がいつも楽しんで聴いていたのを覚えていてくれたのかもしれません。



ここのところ疎遠になっていた叔母と従兄弟達に再会でき、変わらない絆も確認でき、亡くなった伯父を悔やみつつも感謝と喜びを感じることができました。



最近の再会三昧の話でした。




新幹線車窓からの富士山




寛大な築地本願寺

2024-02-20 | 通訳ガイド/everyday life

私が所属している旅行会社がこの度、築地場外を組み込んだツアーを増設することになりました。



築地場外についてほとんど知識がない私は先日、某通訳案内士協会が主催する有料研修に参加してきました。



築地駅の西本願寺がスタート地点でした。



驚いたことが2点ありました。



X-Japanの元メンバーのHideの記帳コーナーが健在だったことと(1998年5月にHideの葬儀がここで行われ5万人ものファンが集結したことで話題になった)本堂にデカいパイプオルガンがあるのですが、どう聴いても讃美歌にしか聴こえない讃美歌のような曲がちょうど演奏されていたことです。



Hideはおいておいて、あの曲は果たして何だったのか確かめておけば良かったと悔やんでいます。(講師の方に訊ねたのですが分からないということだったので)



もし讃美歌だったとしたら、お寺でキリスト教の音楽なんて、なんだか素敵じゃないですか。外国人旅行者の方も絶対に興味を示すと思うんですよね。(もしかしたらパイプオルガンで演奏する大概の曲は讃美歌のように聞こえるのかもしれませんが)



ところで、その講師の先生は築地本願寺さんはとても寛大なお寺さんだと力説していました。



「311の時、大量の帰宅困難者を受け入れたり、毎朝本堂に居眠りするために来ているオジさん達や、寺とは関係ない私たちがこうして(”要予約”の檀家用)応接スペースを使わせてもらっているのに誰も何も文句を言ってこないんです」



(最後はちょっと違うような気がしましたが)



その後、築地場外に移動して3時間かけて全ての路地を周りいろんなお店や施設に行きました。



築地場外は小さな一角ですが本当にたくさんの様々な店があり、日本人の我々ですらどの店に入ったらいいのか見当もつきません。



ましてや外国人旅行者は尚更でしょう。



今回、実際にいろんな店に入って食べたり飲んだりつまんだりして、おすすめの店、比較的空いている店、外国人観光客にフレンドリーな店などなど有益な情報を仕入れることができました。



また築地の歴史、東京の市場の役割、波除神社についての詳しい知識を得ることもできました。



前回日曜日に一人で視察に行った時は訪れている人の半数は日本人でしたが平日は8割以上外国人という印象でした。



一本何千円もする高級和牛串を三人でシェアしていた若い白人の男性が一口食べるやいなやあまりの美味しさに文字通り目を真ん丸にして驚いていたのが微笑ましかったです。



見ているこちらまで幸せな気分になりました。



「場内」は豊洲にいってしまっても築地場外は日本の食文化が凝縮したの素晴らしい場所なんだと改めて(というか初めて)感じた次第です。



この春、実際にお客さんと築地に来るのがとても楽しみになりました。




有名な玉子焼きもおいしかったです。平日の朝ならほとんど並ばずに買えることができました。


職人

2024-01-28 | 通訳ガイド/everyday life

(正面と比べ)写真を撮られる比率でいったら100分の1以下、いやそれ以上だと思われる浅草雷門の大提灯の裏面



何事にも表があれば裏がありますが、普段焦点をあてられない雷門の裏側のことを想い写真を撮ってみました。



昨日仕事で浅草に行ったのですが、ここ浅草観光文化センターの屋上にははじめて訪れました。



雷門から宝蔵門までの仲見世通りをこんな感じで俯瞰できるなんて新鮮でした。



ユニークなデザインの浅草観光文化センターの建物は新国立競技場をつくった隈研吾によるもの。木材を縦に使った意匠がそういえば似ています。



建築といえば私の義弟が宮大工の棟梁なんですが、昨年の日本空間デザイン賞のグランプリに選ばれました。



地元では以前より注目されていた優れた職人でしたが、今回受賞したことで海外からも引き合いが来始め、その通訳などを妹から頼まれることがでてきました。



でも職人として真面目に仕事に打ち込む限り全然儲からないそうです。パートをかけもちして働きまくっている妹が愚痴ってました。



同じようなことを千葉のその筋では有名な刀鍛冶職人さん(の奥さん)が言っていました。



一本何十万、何百万で売れる刀を作れる本数は一年でも、たかが知れてるそうです。



"commercialize"することで儲けている人たちも多いですが、その刀匠もそうですが、義弟もそういうことを良しとしない気質があるのでしょう。



通訳案内士という職業もある意味職人のようなものなのかも。



偏らない正確な情報を魅せる手法で海外のお客様に伝え、正しく日本を理解していただく。



この仕事をやればやるほど、その責任の重大さと自分の未熟さに気づかされます。



とはいえ私の場合はそれが面白く、勉強することが苦ではなくなったので日々楽しくやらせてもらっています。



もしかしたら義弟もその刀匠の場合も、家族が周りが多少の被害を被っているだけで職人本人たちは全然気にしていないものなのかもしれないです。



でも生きがいや自己満足だけでは家族も大変だし、このご時世後継者も育たないので政府とか文化庁とかが何とかしてあげて、我々通訳案内士は会社にFeeをもっと上げてもらいたいものです。