goo blog サービス終了のお知らせ 

横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

MICS手術での左心耳クリップ(Atriclip)による左心時閉鎖術のコツ

2020-04-08 08:05:34 | 心臓病の治療
 右小開胸アプローチでの弁膜症手術において、特に4月から手術手技の償還が認められるようになった左心時閉鎖術を行う際、その順番として、僧帽弁形成術と同時に行う場合、左心耳クリップは僧帽弁形成術を行ってから、もしくは僧帽弁輪にかける弁輪縫縮用の縫合糸をかけてからクリップをかける必要があります。というのも、左心耳クリップをかけたあとに特に僧帽弁後尖の前乳頭筋側=P1の弁輪の糸かけが、クリップをかけた後は非常に難しくなります。弁輪が左心耳クリップによって引き寄せられて可動性が低下して糸かけが困難ですので、クリップの前にこの部分の糸かけを済ませておくことがベターです。
 まだ比較していませんが、糸かけ⇒弁形成⇒クリップ が良いのか、糸かけ⇒クリップ⇒弁形成が良いのかは検討中です。弁輪形成のための人工弁輪を縫着したあとではクリップをかけるのに左心耳の基部の可動性が低下して十分な範囲にクリップをかけられない可能性もあるので、まだどちらが良いかはわかりませんが一定の見解はまだ無いように思います。
 今後、左心耳閉鎖術は今後多くの患者さんに適応されてくるようになった時に、手技の手順などは今後整理されてくるものと思います。

新型コロナウィルスに関する報道は危機感がなさすぎ

2020-04-08 00:15:38 | 心臓病の治療
 連日テレビの報道は新型コロナウィルスの話でもちきりです。特に4月7日は緊急事態宣言を政府がしたということで、それに対する批判をする報道ばかりです。残念ながら日本のジャーナリズムは画一的でどのテレビ番組を見ても内容は全く同じです。政府を批判する論調以外の報道は見当たらりません。
 一生懸命対応している政府に対して応援する論調があってもいいのではないでしょうか。不眠不休で働いている政府や病院・医療関係者に対して感謝の意を表す報道が一つくらいあってもいいのではないでしょうか。カルロス・ゴーンが「日本の報道機関はどこも内容が全く同じ」と皮肉を言われたのは残念ながらズバリ的中してしまっています。日本人特有の微妙な表現の違い、程度ではないでしょうか。しかも、同じタイミングで同じ内容のニュースを報道するというのはいかがなものかと思います。そのチャンネルを見ても内容も順番もタイミングまで一緒です。
 
 医師会としては本気でこのパンデミックを乗り越えるためにはもっと厳しい措置が必要、と早急な緊急事態宣言が必要と呼びかけていました。それなのに、街に出てきてしまっているノーテンキな若者の意見をインタビューしたり、経営が不安な居酒屋店長に取材したり、意味不明です。国が滅びるかもしれない未曽有の大危機の意識が報道になさすぎます。
 残念ながら居酒屋も閉店するなら他の飲食店も閉店すべきですし、美容院、理容室も当然です。まずはこの危機を乗り越えて、生き残ってから初めて次の対策をする必要があり、それを達成するためには海外のように罰則を設けることも必要です。これは戦争なのですから、まず生きのこって初めて次が見えてくるものです。東日本大震災の時もかなりの報道規制がされて、海外では報道されている内容が国内で報道されず国民に知らされない、といことが起こっていましたが今回も同じでしょうか?もっと深刻な事態である、と伝えるべきです。

https://www.youtube.com/watch?v=Mq1i-4KwgPc
GACKTさん、辻仁成さんが坂上忍からのテレビでのインタビューで非常に現実味のある話をしていました。外人が出てくる報道よりも日本人が本気で話をしてくれる方が説得力ある印象です。志村けんさんが亡くなって初めて自分の周辺の人が簡単に命が亡くなってしまうということを実感するようなものです。