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植物の光合成過程で水分解の仕組みを突き止めた

2017-03-05 | 科学・技術
 岡山大学(光合成研究センター)の沈建仁教授の研究グループが、「植物の光合成において太陽光を利用した水分解・酸素発生反応におけるカルシウムイオンの役割を、タンパク質の立体構造解析により突き止めた」。京都大学と理化学研究所などとの成果。
 ◆光合成
 光合成は、全過程をまとめると、太陽のエネルギーを使い二酸化炭素と水から、有機物の一種である糖質と酸素を産生する反応である。
 光合成は1つの反応ではなく、多くの反応から構成されている。
 反応を2大別すると、
 明反応:太陽の光エネルギーを吸収して化学変化がおこる
 暗反応:その産生物をもらって二酸化炭素から糖質を合成する
 ◆
 明反応の最初のステップでは、光エネルギーを使って、水を分解し、酸素と水素イオンと電子を生成する。酸素が生成するのは、この最初のステップだけである。つまり、このステップで生成する酸素が、大気中に存在する酸素の源になっているわけである。さらに、このとき放出する電子は、順々に次のタンパク質へと受け渡され(電子伝達)、NADPHという物質にたくわえられる。また、葉緑体の中の膜を隔てて水素イオンの濃度差が生じ、これによってATPという物質を合成するための原動力が生まれる。
 最初の水分解の触媒中心には、マンガンとカルシウムイオンが含まれていることがこれまでの同研究グループらの解析で分かっていたが、カルシウムイオンの役割は分かっていなかった。
 研究グループは、カルシウムイオンの代わりにストロンチュウムイオン(Sr)の存在下で生育させた酸素発生型光合成生物ラン藻から、光化学系IIと呼ばれる膜タンパク質複合体を単離・結晶化し、SPring-8の放射光を利用して構造解析した。その結果、水分解触媒中心に存在していたカルシウムイオンがストロンチュウムイオンに置き換わり、触媒の構造がわずかに変化した。この構造変化の主な原因は、触媒に結合していた水分子の一つが移動したことであり、このことから、この水分子が酸素発生反応に関わっていることを明らかにした。
 沈先生は、「もし、最初のステップを人工的に再現して、水から電子を取り出すことができれば、これを電気エネルギーとして使うことができます。光合成生物は、地球に到達する太陽光の0.1%しか使っていません。あり余っている太陽エネルギーを人間が使えるエネルギーに変えることが、私たちが目指している人工光合成です」と話す。
 因みに、地球上の酸素は、すべて植物などの光合成生物によって作られた。その量は年間約2600億トンで、地球上の大気中の酸素量は、約1200兆トン。つまり、約4600年で大気中の酸素がすべて循環される計算になる。

 朝の天気は晴れ。気温がやや高く、暖かい感じ。
 散歩では、コーヒー店に時々立ち寄る。店のある鉢植えの”クンシラン(君子蘭)”に花が咲き出した。畑の”アガパンサス(紫君子蘭;むらさきくんしらん)”は、まだ蕾もない。”アガパンサス(Agapanthus)”は、ユリ科アガパンサス属。
 ”クンシラン”はヒガンバナ科クンシラン属(Clivia)の植物の総称である。園芸流通名の”クンシラン”は一般に、ウケザキクンシラン(受咲き君子蘭、クリビア・ミニアタ:Clivia miniata)である。名に「ラン(蘭)」と付いているが「ラン科(蘭科)」ではない。
 日本では花だけでなく葉も鑑賞対象となっている。良く見かける品種は、濃緑色の長い葉が孔雀の様に羽根を広げたような姿の「達磨(だるま)君子蘭」。茎の先に橙色の百合の様な花を付け、晩秋頃には赤い実を付ける。因みに、開花するには温度が10℃以下の日が2月程必要と言う。・・お店の中は暖かいから。
 クンシラン(君子蘭)
 別名:受け咲き君子蘭(うけざきくんしらん)、クリビア(Clivia)
 英名:Kaffir lily
 ヒガンバナ科クンシラン属
 半耐寒性多年草
 原産地:南アフリカ・ナタール、日本には明治時代に
 開花時期は4月~5月
 花は茎頂部に5~8個纏まって咲く
 花色は一般的な朱赤の他に、薄黄・白・桃がある
 葉は、細・中・広葉、斑入りなどがある
 花後の果実は、径1~2cmで秋に赤く熟す


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