2日目は、琵琶湖のさざなみ街道を守山、大津方面に向かう。
この日は風が吹き、湖は波がたち、荒れていた。
彦根から少し走ると、北欧雑貨&カフェのVOKKOがみえた。
立ち寄ろうと駐車場にはいったが、まだ開店してなかった。11時からみたい。
あきらめることにして、守山方面に向かう。
目指すは、近江巡礼展でみることができなかった聖衆来迎寺の薬師如来立像と、日本庭園。
この寺は、 比叡辻(ひえいつじ)二丁目の湖畔にある天台宗の寺院。寺伝では最澄(さいちょう)(768-822)の創建で、平安時代初期に源信(げんしん)(942-1017)が念仏道場として聖衆来迎寺と改称。中世を通して延暦寺の念仏道場として栄え、戦国時代、織田信長による焼打ちのときも森蘭丸(らんまる)の父である森可成(よしなり)の墓があったために難を逃れ、優れた寺宝を数多く所蔵している。建築物・石造物・美術工芸品にわたって国宝・重要文化財が数多くあり、そのため比叡山の正倉院の異名をとっているらしい。
〈国宝〉絹本著色六道絵(15幅)
〈重文〉客殿 木造釈迦如来坐像 木造十一面観音像 木造地蔵菩薩立像 木造日光仏立像 木造月光仏立像 鋼造薬師如来立像 絹本著色釈迦三尊十六善神図 絹本著色阿弥陀二十五菩薩来迎図 絹本著色十六羅漠図(2幅) 絹本著色楊柳観音像 法華経(8巻) 霊山院釈迦堂毎日作法 推朱香盆 絹本著色十二天像 犀角如意 鋳銅三具足 銅水瓶
【聖衆来迎寺庭園】 県指定名勝
聖衆来迎寺の客殿(書院)の東側にある庭園。枯山水を基調に珍しい「立花」の構成を応用している。客殿から庭を眺めると中央奥の立石が「心」、その手前が「小心」、石橋を渡ったところが「見越」、その手前の集団石組が「請」、石橋の手前の石組群が「流れ」、ソテツのあるところが「銅」という具合に、立花の様式になっている。立花になぞらえることで、仏への敬虔(けいけん)を表したのか。
また、この庭園には鶴島・亀島があるので蓬莢(ほうらい)山式の庭ともいえる。このような折衷(せっちゅう)が行われているのは全国的に珍しい。また、庭園南の書院の縁先に、石造宝塔(せきぞうほうとう)の笠をさかさにして、太陽と月を組み合わせた手水鉢(ちょうずばち)があり。水を入れると三日月形が浮かぶので「月見の手水鉢」と呼ばれ、庭園のアクセントになっている。県指定の名勝。
と、寺の知識を確認したところで、有料道路の琵琶湖大橋を過ぎて、寺に電話をして拝観の時間をきいたら、なんと、予約なしには、拝観できないとのこと。
うぐ。
滋賀県の観光案内にそんなことは、触れられてなかったんだけど。
重要文化財「薬師如来立像」(銅鋳造 鍍金 奈良時代)に、なかなかお会いできず、残念。
仕方なく、検索かけて、三井寺が近くにあることを思い出す。
三井寺は大津にある天台宗の総本山。
本堂は、国宝。
大きなお寺なので、ゆっくり散策した。
桜の開花はもう少しかな。
本堂には、如来様が、御本尊として祀られているが、秘仏のため、1000年以上開けられてないらしく、その開けるための鍵も見つからないらしい。
こういう話は、歴史のロマンを感じる。
三井寺からは、琵琶湖も展望ができた。
滋賀県の寺は、京都の寺のように、宣伝も地味で、全くもって派手さはないが、どのお寺にも、古くから守られた仏像が数多くあって、近江の国は、仏教の聖地。
大陸からの仏教伝わり方にも、他の地域と異なるらしい。
十一面観音ほか多くの仏像があり、近江の国の魅力は尽きない。
ところで、仏像の種類にはいくつがあるが、あらためて、勉強してみた。
このリンクは、わかりやすかった。
仏像の種類、とりわけ、如来、菩薩、明王、天の違いを知っていると、なおいっそう仏像が楽しめる。
↓
http://www.biwako-visitors.jp/shinbutsuimasu/shinbutsu_know/know.php
さて、ちょうど昼を過ぎ、昼食に選んだのは、坂本にある創業280年の本家鶴㐂蕎麦。
坂本は、延暦寺の台所を預かる門前町として栄え、延暦寺への食事をだしたり、比叡山で断食の行を終えた僧侶たちが、胃をならすためにそばを食したのが、始まりとか。
濡れ縁に折り鶴の彫りが、歴史ある建物に、いっそう華を添える。
そばは一番、電話は二番、店は角より三軒目のキャッチフレーズ。
パンフレットをよくみると、電話番号は、077-578-0002だった。
笑。
お蕎麦も歴史を感じて、なんとも美味しかった。
鶴屋益光で蕎麦饅頭とお猿さんの最中を買う。
ここも屋号が、鶴。
京都の鶴屋吉信の暖簾分けではじまり、120年余。
このお猿さんの最中は、刻んだ栗が混ぜ込まれたこしあんが美味。
門前町に似つかわしい菓子屋。
このあとは、
坂本の観光案内で、庭がみられるところを二つの推薦してくれ、そのひとつの旧竹林院を訪ねた。
ここは、もともと延暦寺の僧侶の隠居所だった里坊のひとつ。八王子山を借景にした庭園は、滝組と築山を配している。
3300m2の国指定名勝庭園だ。
やや、観光地用に飾られた感じが残念だったが、庭は手入れの行き届いた苔が広がり、春の風情に色を添えていた。
もうひとつ旧竹林院の近くには、庭を持つ所があるとのことだったが、一度にいろいろ回りすぎると、ひとつひとつの良さが印象に残らないので、ここで、坂本をあとにすることにした。
次回の楽しみに残しておこう。
次は、京都だ。
山中越えで、白川通を目指す。
ここは、滋賀から京都への近道だ。
京都側へは、北白川に出るので、洛北の観光に、便利。
観光といっても、もう15時になっていたので、近場でどこにしようかと考え、上加茂神社に決める。
二つの盛砂を配し、別神(わけいかずち)(雷を分けるほどの力を持つ神)を祀っているとのこと。
雷(いかづち)の御神威により、厄を祓いあらゆる災難を除き給う厄除(やくよけ)明神・落雷除・電気産業の守護神として広く信仰され、
方除
桓武天皇の御代に都が京都に遷されて以来、皇城鎮護の神、鬼門の守り神、総地主の神として崇められ、今日も方除祈願に訪れ参拝する方が多いらしい。
下加茂神社同様に、いい気が流れていた。
どうか、厄を落として、幸せにくらせますように。
桜も開花しはじめていた。
実は、今回京都へは、錦にある有次さんにペティナイフの刃かけを直してもらってあったので、とりにいくというようじもあった。
ナイフを受け取ったあと、御池駐車場(30分250円)に止め、三条を少しだけ散策し、六曜社地下でお決まりの珈琲とドーナッツをいただいた。
マスターの手際の良い珈琲の淹れ方を少し遠目で見ながら、ほっこりと、ティータイムを楽しむ。
ひっきりなしにお客が訪れ、相変わらずの人気だ。
珈琲も、自宅で飲むのとは一味異なり、さらにドーナッツとともにいただくブレンドは、格別だった。
すっかり夕方となり、宿泊場所は彦根なので、帰る時間となった。
帰りも山中越えで帰ることにした。
彦根について、夜は駅前にあるお好み焼きや鉄板焼きのまさ味で、夕食とした。
安くて美味しく、彦根に来ると、必ず立ち寄っている。
ネギ焼きでビールがすすむ。
あっという間に、二日が過ぎた。