10ヵ月ぶりの名取・閖上捜索 参加100人、民間の力結集
河北新報 2月10日(日)9時27分配信
宮城県名取市閖上地区で9日行われた東日本大震災の行方不明者の一斉捜索。同地区の大規模な捜索は昨年4月に市や県警が実施して以来、10カ月ぶりとなる。再会を願う家族の胸中を思い、参加者は懸命に海辺を歩いた。
一斉捜索は月4、5回のペースで南相馬市で捜索活動を続けている千葉県の民間団体「Nine」の呼び掛けで行われ、南相馬市の「福興浜団」や富谷町の「STEP」、東京の「絆JAPAN」などのボランティア団体が加わった。
総勢約100人の参加者は午前9時、3班に分かれて活動を開始。スコップや熊手を使って閖上海岸一帯で遺留品を探し歩いた。100個以上の骨が見つかったが、動物の可能性もあり、県警に届けて鑑定を依頼する。
Nine代表で会社員緑川雅彦さん(39)=千葉県八千代市=は「捜索を続ける限り、行方不明者を待つご家族の希望をつなげられる」と話し、今後も月1回ほどのペースで閖上の捜索を行う考えを示した。
今回の捜索は、閖上で当時8カ月の長男雅人ちゃんら家族2人が行方不明となった竹沢守雅さん(45)夫妻=仙台市若林区=の短文投稿サイト「ツイッター」への書き込みがきっかけとなった。竹沢さんは「集まった骨を息子のものかもしれないと思うと直視できなかった」と涙を浮かべ、「これだけ多くの民間の方々が参加してくれたことに感謝したい」と語った。
閖上地区の捜索は11日に岩沼署も行う。
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最終更新:2月10日(日)9時27分