このはな日記

マスキングテープ専門店このはな店長日記。
使い方や情報などあれこれお知らせいたします。

未完成の優

2009年06月29日 11時04分45秒 | Weblog
ここ数日、手ぬぐいの事ばかりで頭をいっぱいにしています。

手ぬぐいは、両端が切りっぱなしになっています。
当然、ほつれてきます。
現在の社会でこのような荒業が通用する商品は極めて稀ですよね。

丈夫で長持ちさせるには、縫ってほつれないように
するほうがいい。
なのに、どうして昔の人たちは、手ぬぐいだけ
このような未完成のまま使っていたのでしょう?


そこには、
私達の価値観では計り知れない『知恵』があったんですね☆


手ぬぐい一枚持っていれば
汗をぬぐえる。
手や顔を洗い、ふける。
雨が降ればほうかむり。
お日さまが照ればほうかむり。
砂埃も防げる。
下駄の鼻緒が切れたら、端から裂いて修繕。
怪我をしたら包帯、止血。
端が縫われていないから、洗濯しても乾きが速い。

本当に、「ひとつ」のものが「たくさん」に使える。
今は「ひとつ」のものは「ひとつ」にしか使わないよな・・・

ハンカチだったり、ぼうしだったり、傘だったり・・・

気がつけば、周りに便利な『もの』がいっぱいに溢れ
一年に一度使うかどうかというものもあったりする。
整理整頓も一苦労。


昔の人は「未完成」で留められる「力」があったんだな。
それは一つのものでも多様性を持たせられる事


世界全体が経済的に危機のこの時代、
もう一度日本古来の知恵を顧みていく時期かもしれない。