「ああ、なかなか絵が描かれへんな」ため息をつくばあちゃん。
「ばあちゃん、絵を教えてあげるからこのキャンバスにブルーを塗っておいて・・」とあかり。
今日は週に一度プールに連れて行く日だから学校からまっすぐにばあちゃんの家に帰ってくる日。
白い30号のキャンバスに青色の絵具を塗ってベランダで乾かして4時に帰ってくるあかりを待つ。
それなのにこの日に限って明日の学校行事のために帰りは30分遅れて4時半。
5時20分にはプールに出かけなければならない。
「今日は無理だね。時間が無いでしょう。また今度教えてね」
「いや、今日しかヒマがない。これから描くよ」汗びっしょりで帰ってきたあかりはやる気満々で白絵具と
太い丸筆を要求するので出してあげたら一気に描き上げた。これはなんじゃ???
あっけにとられて見ているばあちゃん。「クラゲだよ。次は細筆と黄色を出して」「はい、はい」「次は黒色と緑」
いったいどこからこうゆう発想が出てくるのか。
正味30分もかからないで描き上げた絵ですがまだ何か心残りというかやり残したところがあるらしいですが。
水着に着替えて何とかプールの時間までに間に合いました。