12月9日15時からのワーグナー「リエンチ」マチネーコンサートを聴きました。
演出も衣装もシンプル。ほとんど遮幕だけの演出で、もう少しアクセントがほしいというのが印象です。ただこの劇場のご自慢の大道具のシャンデリアが2幕のカプトールの間の設定で登場したのと、最終幕で模型の教会に火が入り、直火が登場したのが多少インパクトがあったでしょうか。
リエンチの序曲は12分近くの長さで、しかも昨日はテンポがかなり遅めであったため、真っ暗な中オケピットからの音を聴いていると、つい安らかに半睡状況に入っていくのです。長丁場のリエンチで最初からフルボイスは期待できませんが、一幕目は少し声を抑え加減で物足らなさを感じました。主役のリエンチStefan Vinkeの中音の響きが多少貧弱でしたが、最終幕では聞かせてくれました。なんといっても、アドリアーナ役のメゾElena Zhidkovaが素晴らしかった。男役ということで、音色にも工夫が見られました。
ライプチッヒのオペラファン待望のリエンチ登場で、完全に満席、最後は地味な
ライプチガーに、珍しくブラボーが響き、スタンデイングと最後が華やかでした。
いつもドイツの劇場で感じますが、ワグナーものに集まる客の質が、他の演目と明らかに異なるのです。すこしスノッブで背広を着慣れた人種が集まってくる感じがします。