GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

山本寛斎とDCブランド

2020-07-29 21:41:24 | Talk is Cheap

山本寛斎さんが亡くなられた。

 

80年代、バブル景気。トレンディドラマの影響でみんながハイソサエティな暮らし、ライフスタイルに憧れてたな。

仕事終わり(定時上がり)にベイエリア(港付近をこう言うとかっこいい)のプールバー(ビリヤード場の洒落たやつ)やカフェバー(喫茶店+バーをかっこよく言うとこうなる)でカクテル(ようわかってないが名前で選択する)を飲んだり、ティラミス(粉っぽい)やらナタデココ(うまいか?)なる未知のデザート食べてたり。

 

アッシー・メッシー・ミツグくんより取り見取り。ワンレン・ボディコン・プワゾンの香水で武装しマハラジャ(ディスコ)で朝まで踊る。そりゃ「しば漬け食べたいっ!」ってベッドに倒れ込むわ。まぁ、当時は「24時間戦えますか」という、今なりゃブラック企業一発認定のキャッチフレーズがCMで流れてた時代だ。朝までオールはカラオケからじゃないのよ。

冬はスキーだ(映画私をスキーに連れてっての影響)、夏はサーフィンだ(丘サーファー多し)、大阪人にはあまり関係ねぇ。

クリスマスはシティホテル(外資系がベスト)のフレンチレストラン(年に一度)だ。お高いワイン(ボルドーもボジョレーも違いがわかってない)を飲みながらプレゼント(ラッピングでCartierかTiffany&CoかGUCCIかわかる)。夜景の見えるラウンジに移動して「部屋取ってあるんだ」攻撃。翌朝のロビーは大変な混雑。こいつらみんな昨晩お楽しみだったんだよなぁ・・・。

 

そうあの頃、日本は狂乱の時代だった。

そしてブランドの時代だった。

LOUIS VUITTONやHELMES当たり前、CHANEL、Dior 、YSLの化粧品や香水(男はAramisかCK)を使い、DCブランドの服や小物をみんな持ってた。

日本の先駆者は菊池武夫(元BIGI)。

【傷だらけの天使】でショーケンが着てて一気に若者のおしゃれ心に火がついた。(劇中で弟分の水谷豊とTAKEOKIKUCHIの服は自分しか似合わんと言い合うシーンがある。「ジュリーは?」と聞かれ「似合う・・・」でオチ)

川久保玲(Comme des GALCOM)、山本耀司(Y's/YOJI YAMAMOTO)、三宅一生(ISSEI MIYAKE)、高田賢三(Kenzo)など、今も第一線でバリバリされてるオーナーブランドの方々がデパートの一角を占めていた。

PERSONS、COMME CA DU MODE、PINK HOUSE、NICOLE(ZELDA)、45R.P.M.、MELROSE、FRANDLE、BA-TSU、PASHU・・・。

多分80年代をD.C.ブランド着こなして過ごした世代は、上記のどれかのブランドを好んで着てたはずだ。

ブランドだったらどれでも良いってわけではない。その人のこだわりってあるからね(あったからね)

カラフルなパーソンズやフランドルに、Y'sやコムサのようなモノトーンは間違っても合わんし(コーディネートできる人がいたら連れてきてほしい)ね。同じく彼女がピンクハウス着てるのに彼氏がBIGIってのもなぁ。

 

まぁ、そんな夜霧のハウスマヌカンという歌までできてしまったD.C.ブランドの中、ひとり異彩を放っていたのが山本寛斎さん。

正直言ってこの人の服は一着も持っていません。っていうか派手です。当時モノトーンの俺には無縁です。

どこで着たらいいかわかりません。 (まぁそれはどのブランドのコレクションでも言えることだけど)

そうだ!持ってるアウトドアカトラリーセット(バッグ付)がなぜか山本寛斎(KANSAI)だ。あれはどこで手に入れたんだっけ?ゴルフのコンペとか結婚式二次会の景品か?まぁ、ライセンス品だろうけど。

 

それくらい服は無縁でしたが、お名前はちょくちょくお聞きしていました。

えぇ、あのデヴィッドボウイの衣装をデザインされた人ですもの。知ってますよ。

ってここでもう一つ記憶が蘇った。いや、違う。 ISSEIのマンボパンツみたいなの持っていたなぁ。俺の細い足が6本くらい入りそうなだぶだぶのやつ。(腰と裾は閉まってたからデヴィッドボウイが着てるやつとそんな変わらんな)

あれ、どこにやったっけ?誰かにあげたんだっけ。

 

山本寛斎さんといえば山口小夜子さん。

日本初のスーパーモデル、山口小夜子さん好きだったなぁ。

あのスカッと切られたボブに魅了され、この世界に入ったようなもんだ。

山口小夜子さんと山本寛斎さんはコレボレーションしてたね。

 

また一つ時代の幕が閉じる。

今のファストファッションブームで満足してる人たちは山本寛斎さんなんて知らないだろうな。

東京ガールズコレクション走ってても、パリコレには興味ないのかな。

ユニクロやG.U.、ZARAにH&M、気軽なのもいいけど、D.C.ブランドも悪くはないぜ。

値段が高いのは、それなりに意味があるのだよ。

 

ちなみにBOOWYの名付け親の一人が山本寛斎だ。

DAVID BOWIEの衣装に書かれた「出火吐暴威」。

暴威は初期BOOWYの頃に使われてた。

 

しかし「出火吐暴威」ってすごいなぁ。

普通なら「出火怒暴威」だろ?

「怒」でなく「吐」にしたのは「怒」だと暴走族っぽいからか?

謎だ。



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