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バーボングラス片手のロックな毎日

らーめん才遊記 行列の女神

2020-04-21 20:53:09 | BOOK/COMICS

新型コロナのせいで春ドラマの放送延期が次々と発表されてる。

再放送や総集編で繋いでる中、放送が開始されたドラマもある。まぁコロナ禍が落ち着くまでは撮影ができないから、どれも2話か3話で休止になってしまうんだろうけどさ。

 

テレビ東京系「ドラマBiz」枠で、鈴木京香主演のドラマ『行列の女神〜らーめん才遊記』が始まった。

原作は河合単さんの漫画『らーめん才遊記』。ヒット作『ラーメン発見伝』の続編というかスピンオフというか、とにかく美味しそうなラーメンがうんちく満載で描かれた漫画だ。

『ラーメン発見伝』の主人公はサラリーマン・藤本。らーめん知識が豊富で、将来は自分のラーメン屋を開業することを目標にしてる彼の前に立ちはだかる敵というかライバルというか師匠というか、微妙な存在の芹沢達也。続編になる『らーめん才遊記』はこの芹沢達也と、彼の経営するフードコンサルティング会社に入社してきた、新入社員・汐見ゆとりがメイン。

 

原作では男(しかもつるっ禿げ&メガネ」の芹沢達也を、ドラマでは芹沢達美(女)と名前も性別も変え、彼女を鈴木京香が演じる。

鈴木京香といえば、昨年キムタク主演ドラマ『グランメゾン東京』で、ミシュラン三ツ星を目指すフレンチレストランシェフを演じてた。彼女はコックコートも似合うし、演技も申し分ない。

 

しかし、今回のメインはラーメンだ。カレーと共にもはや国民食とも呼べるラーメン。これを美味そうに映すのは大変だぞ。なんてったってテレビ画面では匂いも味も分からないからな。美味そうに食べる演技もそうだが、効果音や演出ってのも大事だ。

グランメゾン東京のようにフレンチならまだごまかしがきく。なんてったってほとんどの視聴者は、そんな高級フレンチなど食ったことが無い人だから。キムタクが上を向こうが、石丸幹二が「バカうめぇな」と遠州弁で言おうが、味のイメージはできてないからね。(決めつけてごめん)

しかし、ラーメンは違う。二郎系だろうが九州とんこつだろうが東京下町中華そばだろうが、食べたことある人が多い。喜多方も札幌も福山も久留米もね。それをどう映像で描くか。

伊丹十三の『タンポポ』、あの映画ほど美味そうにラーメンを食う映像は他には無い。確かあの映画も、宮本信子が旦那が死んだ後も健気に暖簾を守ってるが寂れていくラーメン屋を、山崎努(タンクローリー運転手)がプロデュースして立て直す話だ。渡辺謙や安岡力也のように豪快に食ってくれるかな。

 

現代社会で働く人を熱く描くドラマ枠「ドラマBiz」。

今までにも、江口洋介主演で企業のヘッドハントを描いた『ヘッドハンター」、会社再生を請け負う仲村トオル主演の『ラストチャンス』、あらゆるハラスメント問題を考える唐沢寿明主演の『ハラスメントゲーム』などあった。

昨年も、玉木宏主演で町工場の再生を描いた『スパイラル』、弱者に寄り添い諦めさせない弁護士を反町隆史が演じた『リーガルハート』など数作揃いで、今年1月期には小泉孝太郎主演で実話を基にした病院の再生を描いた『病院の治し方』など秀作ぞろいだ。

 

この枠では男優が主演の上記ドラマ以外にも、真木よう子主演の『よつば銀行 原島浩美がモノ申す』や、中谷美紀主演の『ハル〜総合商社の女』などもあるが、ちょっと「・・・」って感じ。

働く熱い男たちの戦いを描いたら、今は右に出るものがいないヒットメーカー・池井戸潤。彼の作品でも、『半沢直樹』(堺雅人)、『空飛ぶタイヤ』(仲村トオル/長瀬智也)、『下町ロケット』(三上博史/阿部寛)、『七つの会議』(東山紀之/野村萬斎)、『ルーズヴェルトゲーム』(唐沢寿明)、『陸王』(役所広司)、そして『ノーサイドゲーム』(大泉洋)といったように、男が主演の場合が多い。

女性が主人公なのは『花咲舞が黙ってない』(杏)くらいである。

女性はサポート役や奥さん役として、いい感じで描かれてるけど、これって未だにビジネス界は男社会ってことなのかなぁ。

『半沢直樹』では上戸彩、『陸王』では檀ふみ、『ノーサイドゲーム』では主人公の奥様役を松たか子が演じてた。

『ラストチャンス』では長谷川京子、『ハラスメントゲーム』では石野真子、『病院の治し方』では小西真奈美が奥様役を演じてた。『リーガルハート』では反町隆史の奥さん役を和久井映見が演じてたが、この二人見てると『バージンロード』を思い出してしまう。頭の中は安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」が流れてくるのよ。

 

おっといけない。またもや話が脱線してしまったが、今回のドラマはあえて主人公を原作の男から女性に変えてる。フードコンサルティングを描くのに男性より女性の方がいいなって製作陣が思ったのか、それともキャスティングに鈴木京香を考えてたから変えたのか。

映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(木村拓哉主演)、松本零士の名作漫画『宇宙戦艦ヤマト』の実写版だが、原作では男の佐渡先生が、なぜか高島礼子演じる女性に変わってた。あれと同じくらい違和感がある。

第一回目を見たが、どうも原作漫画のイメージが頭にこびりついてるので、まだ切り替えができない。2-3回と見てたら慣れるかな?

 

汐見ゆとりを演じる黒島結菜。この子のこと、あんまり知らないのだけど『サムライ先生』(錦戸亮主演)でギャル役やってた子かな。『アオイホノオ』(柳楽優弥主演)にも出てたような・・・。あっ『ごめんね青春』(これも錦戸亮主演)に出てた子だ。もう有名なのかな。売れっ子なのかな。最近は若手女優のいい子が増えたね。清原果耶や芳根京子とか今田美桜とか。

 

あっ、話は最後にまたそれるが、今回手がけた泉谷しげるの店の再生、成功して行列ができてるんだけど、今のご時世「蜜です!」と思ってしまった。「ソーシャル・ディスタンス」もそうだけど、外出自粛がうるさく言われてる今、「行列?」って、たとえドラマだとわかっていてもふっと思ってしまうのよね。

これは『警視庁・捜査一課長』で、内藤剛志演じる大岩課長が運転担当刑事の奥野(ナイツ・埴)と共に自宅に戻って、手も洗わないうがいもしないで食卓につくシーンでも思ってしまった。いや、以前から内藤剛志は家に帰っても手も洗わないで猫を触ってる。奥様役の床嶋佳子さんに「すぐ戻るんでしょ、とりあえず何か召し上がってください」って言われ、さぁ食べようってシーン、今までも数十回見てるんだけど、なぜか今回は気になってしまった。

 

コロナ禍で自粛などのダメージをもろ受けてるラーメン業界。客足が遠のいたラーメン屋が多い今、あえてこのドラマ。大丈夫か。

もはやコロナノイローゼなのか、コロナストレスなのか。気にしすぎなのはわかっているのだが...。

次回、第2話に期待だな。

 

ちなみに河合単さんは今、江戸時代に自由にタイムスリップできる居酒屋料理人が主人公の『銀平飯科帳』というグルメ漫画を描いてる。こちらも面白いよ。

 

 



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