女子プロレスラーの木村花さんがお亡くなりになられた。
この方を存知上げないし、テラスハウスも女子プロレスも見てないので、なぜこの方がネット上で誹謗中傷されてたのか、そしてそれにどれだけ心を痛めていたのかの経緯もよくわからない。
死因は現時点でまだ公表されていない。だが、彼女のSNSでの最後の哀しいメッセージと、彼女をよく知る周りの友人知人による追悼メッセージから、かなり深刻な事態だったことはわかる。
この方の死をきっかけに、一気にSNSをはじめとしたネットでの悪意ある書き込み、誹謗中傷なコメントについてのいろいろな意見が書き込まれている。
そのほとんどが「ネット上での言葉による暴力は許さない」って方向だ。
芸能人や著名人のSNSやツイッターには必ずと言っていいほどアンチからの攻撃が入る。諭すようなものからマウントを取りに来た上から目線の暴言までいろいろ。今までは「有名税だから」とか「(書き込まれるの嫌なら)SNSやめたら」とか、ファンもいればアンチもいるさ程度でスルーされてた。
こんな俺のしがないブログやTwitterなどでもいろいろ書き込まれる。
「わかる〜」って賛同とか、「私も似たような経験あったよ」って同調のものは嬉しい。でも、中にはうんざりするような言葉を入れてくる奴もいる。
「アホ」だの「ボケ」だのはまだいい。こんなものガキの喧嘩くらいのもんだ。
悪意のある言葉を書き込むやつの知能レベルにもよるが、ほとんどはレベル低い内容だ。語彙もなくボキャブラリーも無い。
そもそも文章になっていないとかただの単語並べただけとか、レベルの低さを自ら露呈してる。この程度はまだスルーできる。
「消えろ」「気持ち悪い」とかいう類の、これを書き込んできた奴はなんの権利があって言ってるんだ?てなものから、
「お前ごときが」とか「お前みたいなやつがいるからなんちゃらかんちゃら」って、この書き込みをしてきた奴は俺の何を知ってるんだろうかってのもある。
「その考えは間違ってる」「もっと勉強しろ」と、まるで親か教師かのように説教じみたものから、知識人気取り、なんかの評論家やコメンテーターかのようなマウントコメント入れてくる奴まで多種多様。
まぁほとんどは返信したら負け惜しみとか捨台詞みたいなもの入れて逃げよるんだけどね。
ただね、俺は戦えるけど、戦えない人もいるだろうと思うのよ。
正直、嫌な言葉を見た時はこんな俺でもちょっと凹むもん。俺は攻撃してきたやつに「なんじゃこいつ」って条件反射のように反撃するけどさ。相手は顔も見せない、どこの誰かもわからないようなやつで安全なところ(と勘違いして)から平気で書き込んでくる。
俺でさえ辟易するくらいだ。もっとたくさんのフォロワーに対して発信してる有名人とかだといちいち対処するのも大変だろう。
中には「こいつ面と向かって、それ俺に言えるのか?」「リアルで一度お会いしようか」ってくらい、顔見せないのをいいことにひどい誹謗中傷を入れてくる奴もいる。コメントを通り越してもはや脅迫やんけっていうものまである。
「死ね」とか平気で入れてくる奴もいる。
こうなるともはやそれはただの文字の羅列じゃない。立派な凶器である。自殺誘導とか殺人である。
ネットでは今、彼女の死をきっかけに誹謗中傷メッセージについて喧々諤々してる。
言ってることはみなさん正論なの。そしてそれを見た人も同意で頷くの。
誰だって悪意のあるメッセージなんて見たくないし、されたくもない。してる奴を許したくない。
じゃぁ、これで今後ネット上からそんな言葉が消えるのか。それは疑問なの。多分それでも炎上とかネット暴力って無くならないと思うの。
だって、書き込みやってる当事者は自覚ないんだもの。
イジメと一緒だよ。
「いじめはいけません」と親や教師が言えば子供たちは『はーい』とか『そんなことはわかってるよ』ってかならず答えると思います。「戦争反対」ってのに『そりゃそうだ』って答えるのと同じだ。じゃぁ戦争は世の中から無くなるか?無くなったのか?それと一緒で「ネット暴力はいけません」『うん、その通り!』って賛同されるだろうけど、無くならんよ。
学校での悲惨なイジメ事件を伝えた後で、芸能人の不倫当事者を執拗に責める。有る事無い事並べたて、そしてネトでのいろんなコメント寄せ集めてきて責める。芸能界で干されろと言わんばかりに。学校のいじめでの「だってあいつキモいんだもん」「いなくなってくれたらいいのに」ってのと一緒のレベルで「あんな素敵な奥様がおられるのに不倫するなんて。干されて当然」って。
これ、何が違うんだ?でも自覚ないだろ、責めてる人は。それが当事者に対しては苦痛になるってことを。
多分こう言うだろう「いやいや、不倫した方が悪いんでしょ」って。「正義は我にある」と勘違いしてませんか?
多分、今回の女子プロレスラーのネット暴力からの死を報道した後に、平気で安倍総理・現政権の新型コロナ対策についての批判をやるだろう。PCR検査ガァ〜、休業要請と補償はセットだぁ〜、解除したら街に人がこんなにあふれてる〜、給付金が遅い〜、これら全て現政権の対応が〜〜悪い〜〜って責め立てる。
でも自覚してないだろ?それら全て当事者(安倍総理、厚労省、保健所、役所、医療関係者)に対しては苦痛にもなるってことを。
黒川元検事長の戒告処分はおかしい!懲戒免職にしろ!起訴しろ!退職金6-7000万払うべきではない!安倍政権の責任問題だぁ!ついでの桜を見る会も・・・責める責める。
ね、やってること変わらんけど、それぞれ大義名分があるんでしょ。
そして正義は我にあると思ってるんでしょ。
多分、ネットに書き込んでる顔の見えない攻撃者も一緒だと思うぞ。(決して攻撃者をかばってるわけじゃない)
そして奴らは自身のことは棚に上げてブログやSNSではこう書くのだろう。
「今こそ『3年A組-今から皆さんは人質です-』の菅田将暉演じる柊先生の言葉を思い出すべきだ」
「『3年A組-今から皆さんは人質です-』再放送望む」
とね。
そして束の間、優越感に浸るだろう。いいこと言ったってね。
残念だけど、「誹謗中傷はやめよう」くらいの提案じゃネット上から汚い攻撃の言葉は無くならない。