おせち、雑煮、数の子、鯛の塩焼き、そして日本酒。
正月はこれだけあれば幸せ。
晴れ着と紋付袴の芸能人が出てるTVを見ながらゴロゴロしながら酒を飲む。
おせちをつまみながら熱燗で。
数の子をつまみながらぬる燗で。
お雑煮を食いながら冷やで。
鯛の塩焼きは人肌で。
これの繰り返しで三が日は平穏無事に過ぎていく。
そしてこの正月にふさわしい日本酒は石川県、車多酒造の天狗舞。純米酒。山廃仕込。
漫画、美味しんぼで紹介されてて飲み始めたんだが、ホントこいつは美味いのよ。
大阪では手に入りにくいから、石川県の酒屋から直送してもらうか、地元の酒屋に入れてもらう。
山廃や生酛作りとか日本酒の細かいことはまた次回書くが、天狗舞は熱燗でも人肌でも冷やでも美味い。
純米酒をお燗?ふざけんじゃねぇって酒の通と言われる人に怒られることがあるが、本当に美味い酒は温めても美味いのさ。
以前にも書いたが、日本酒は世界に誇れるお酒だ。
ワイン、シャンパン、ウィスキーと並び称されて当然だと思うし遜色がない。
ただし、ここで言うの日本酒とは純米酒のことだ。純米酒とは米だけで作ったお酒ってこと。
日本酒は米だけで作るもんだろ?って言われそうだが、今出回ってるほとんどの日本酒は醸造アルコールを混ぜてある。
戦後のコメ不足の時に開発された技(三倍醸造と言われるくらい混ぜてた)で、今でもこの醸造アルコールを混ぜた日本酒は多い。
生産コストが下げれる。販売価格が安くできる。安定したお酒が作れる。飲みやすくなる。
いろいろなメリットがあるらしいし、法律でもアルコールを添加するのは認められてる。今もほとんどお酒はこのアルコール添加のお酒だ。
この醸造アルコールを添加しないで、米だけで作ったお酒が純米酒。
ワインで純ブドウ100%とか表示してるのは無い。そんなものはワインと呼ばれない。果実酒ってひとくくりにされてるだろう。
日本酒も同じ。本来米100%で作られるものだからあえて「純米酒」って記載する方がおかしいんだが、現実はそうじゃ無い。
ビールもドイツやベルギーでは小麦100%のものしかビールと名乗れないが、日本ではコーンスターチとか糖類を混ぜられたものもビールと呼ばれてる。ドライビールとか発泡酒とか第三のビールと呼ばれるものも混ぜ物が入っている。プレミアムモルツやエビスくらいじゃないか。純粋にビールと呼べるのは。
ウィスキーもそう。本来は麦100%が当たり前なんだが、ピュアモルトとかオールモルトって書いてないウィスキーは混ぜ物されてる。グレーン(トウモロコシ)ウィスキーを混ぜているのはまだマシだが、他にもなんか入ってる。そうじゃないとあの値段では売れない。
一つの蒸留所で作られたオールモルトウィスキーはシングルモルトと呼ばれる。複数の蒸留所の樽を混ぜたりグレーンを混ぜたりしたものはブレンデットウィスキーと呼ばれる。
ジャパニーズウィスキーの雄、サントリーの山崎や白州などはシングルモルトだが、トリスとか角瓶のハイボール、なんかは色々混ぜられてる。
マッサンの影響で人気のニッカのウィスキーも売れてるが、ピュアモルトとかオールモルトって書いていないのはほとんど色々混ぜられてる。
スコッチウィスキーも同じだ。だけどスコッチの場合は、ラフロイグ、ボウモア、グレンフェディック、グレンモーレンジ、などのシングルモルトは癖があるので、ブレンデッドスコッチの方が美味しいという人も多い。バランタイン、ジョニーウォーカー、ホワイト&マッカイ、シーバスリーガルなんかがブレンデットの銘酒だ。
でも日本酒はやはり純米酒の方が美味しい。
シングルモルトのスコッチと同じく純米酒はそれぞれに癖がある。
桶買いと呼ばれる複数の酒造の日本酒を混ぜて作られる日本酒も、考えようによってはスコッチのブレンデッドとよく似てるのかもしれない。
でもさ、清酒とか本醸造って出回ってるお酒、桶買いだろうがアルコール添加だろうが、その方が飲みやすいからとかどうかは知らないが、これをクールジャパンとか言ってラベルを海外向けにして輸出に躍起になってる日本酒業界には不安を感じる。
そりゃもちろん俺だって純米酒以外の日本酒を飲む時は多い。
おでん屋や居酒屋、蕎麦屋や寿司屋でメニューに「生ビール、瓶ビール、日本酒、焼酎、チューハイ」って書かれてる場合の日本酒は、間違いなくほぼこの清酒だ。
そんなところで通ぶって、「銘柄は何?「純米酒か本醸造か吟醸か?」「産地は?」なんて聞いたりするのは野暮だろ?
寒けりゃ熱燗、それ以外なら冷やで気にせず飲む。店が選んだ酒だ。料理に合わないわけがない。
だけど、お酒に料理を合わせる店だと、純米酒以外は頼まない。
八海山、酔鯨、出羽桜、秋鹿、菊姫、玉乃光。同じ酒造でも本醸造、純米、吟醸では味も香りも微妙に違う。
海外の人たちがうまい純米酒を先に飲んで「オー!グレイト。サケ、グッド!ネ」ってなってくれたらいいが、最初にアル添酒を飲んで「ニホンシュ?コレアマイデス。クチノナカベタベタシマス」って思わないように願う。
食べるお米ではコシヒカリやササニシキ、あきたこまちとかあるけれど、純米酒の原料米では山田錦が圧倒的に今は主流。
この天狗舞も吟醸酒の文政六年は兵庫県の特A地区で作られた山田錦を使用してるが、俺が好きなのは加賀平野の米と白山の湧き水で作ったスタンダードな方。
やっぱり地元の米と地元の水、そして蔵についてる麹。それが日本酒の地酒の醍醐味だろう。
いくら美味しいからって山田錦ばかりじゃどれも同じようなお酒が出来上がってしまうんじゃないかね。
ロンドンで開催された2011.IWC純米酒部門でGoldメダル受賞酒中の最高位を獲得したり、その後もいろいろなコンペションや品評会で受賞して海外でも認められてる。
俺の一番好きな純米酒・山廃造りの天狗舞が世界で認められるのは嬉しいが、ますます手に入れにくくなるのは勘弁を。
山廃仕込み特有の濃厚な香り。活性炭で濾過(これで普通のお酒は透明にする)していないから、濃い山吹色をしている。ちなみに精米歩合は60%。
俺は2016年の正月は、天狗舞を飲みながらダラダラグダグダと過ごす。それを考えただけで楽しみだ。
正月はこれだけあれば幸せ。
晴れ着と紋付袴の芸能人が出てるTVを見ながらゴロゴロしながら酒を飲む。
おせちをつまみながら熱燗で。
数の子をつまみながらぬる燗で。
お雑煮を食いながら冷やで。
鯛の塩焼きは人肌で。
これの繰り返しで三が日は平穏無事に過ぎていく。
そしてこの正月にふさわしい日本酒は石川県、車多酒造の天狗舞。純米酒。山廃仕込。
漫画、美味しんぼで紹介されてて飲み始めたんだが、ホントこいつは美味いのよ。
大阪では手に入りにくいから、石川県の酒屋から直送してもらうか、地元の酒屋に入れてもらう。
山廃や生酛作りとか日本酒の細かいことはまた次回書くが、天狗舞は熱燗でも人肌でも冷やでも美味い。
純米酒をお燗?ふざけんじゃねぇって酒の通と言われる人に怒られることがあるが、本当に美味い酒は温めても美味いのさ。
以前にも書いたが、日本酒は世界に誇れるお酒だ。
ワイン、シャンパン、ウィスキーと並び称されて当然だと思うし遜色がない。
ただし、ここで言うの日本酒とは純米酒のことだ。純米酒とは米だけで作ったお酒ってこと。
日本酒は米だけで作るもんだろ?って言われそうだが、今出回ってるほとんどの日本酒は醸造アルコールを混ぜてある。
戦後のコメ不足の時に開発された技(三倍醸造と言われるくらい混ぜてた)で、今でもこの醸造アルコールを混ぜた日本酒は多い。
生産コストが下げれる。販売価格が安くできる。安定したお酒が作れる。飲みやすくなる。
いろいろなメリットがあるらしいし、法律でもアルコールを添加するのは認められてる。今もほとんどお酒はこのアルコール添加のお酒だ。
この醸造アルコールを添加しないで、米だけで作ったお酒が純米酒。
ワインで純ブドウ100%とか表示してるのは無い。そんなものはワインと呼ばれない。果実酒ってひとくくりにされてるだろう。
日本酒も同じ。本来米100%で作られるものだからあえて「純米酒」って記載する方がおかしいんだが、現実はそうじゃ無い。
ビールもドイツやベルギーでは小麦100%のものしかビールと名乗れないが、日本ではコーンスターチとか糖類を混ぜられたものもビールと呼ばれてる。ドライビールとか発泡酒とか第三のビールと呼ばれるものも混ぜ物が入っている。プレミアムモルツやエビスくらいじゃないか。純粋にビールと呼べるのは。
ウィスキーもそう。本来は麦100%が当たり前なんだが、ピュアモルトとかオールモルトって書いてないウィスキーは混ぜ物されてる。グレーン(トウモロコシ)ウィスキーを混ぜているのはまだマシだが、他にもなんか入ってる。そうじゃないとあの値段では売れない。
一つの蒸留所で作られたオールモルトウィスキーはシングルモルトと呼ばれる。複数の蒸留所の樽を混ぜたりグレーンを混ぜたりしたものはブレンデットウィスキーと呼ばれる。
ジャパニーズウィスキーの雄、サントリーの山崎や白州などはシングルモルトだが、トリスとか角瓶のハイボール、なんかは色々混ぜられてる。
マッサンの影響で人気のニッカのウィスキーも売れてるが、ピュアモルトとかオールモルトって書いていないのはほとんど色々混ぜられてる。
スコッチウィスキーも同じだ。だけどスコッチの場合は、ラフロイグ、ボウモア、グレンフェディック、グレンモーレンジ、などのシングルモルトは癖があるので、ブレンデッドスコッチの方が美味しいという人も多い。バランタイン、ジョニーウォーカー、ホワイト&マッカイ、シーバスリーガルなんかがブレンデットの銘酒だ。
でも日本酒はやはり純米酒の方が美味しい。
シングルモルトのスコッチと同じく純米酒はそれぞれに癖がある。
桶買いと呼ばれる複数の酒造の日本酒を混ぜて作られる日本酒も、考えようによってはスコッチのブレンデッドとよく似てるのかもしれない。
でもさ、清酒とか本醸造って出回ってるお酒、桶買いだろうがアルコール添加だろうが、その方が飲みやすいからとかどうかは知らないが、これをクールジャパンとか言ってラベルを海外向けにして輸出に躍起になってる日本酒業界には不安を感じる。
そりゃもちろん俺だって純米酒以外の日本酒を飲む時は多い。
おでん屋や居酒屋、蕎麦屋や寿司屋でメニューに「生ビール、瓶ビール、日本酒、焼酎、チューハイ」って書かれてる場合の日本酒は、間違いなくほぼこの清酒だ。
そんなところで通ぶって、「銘柄は何?「純米酒か本醸造か吟醸か?」「産地は?」なんて聞いたりするのは野暮だろ?
寒けりゃ熱燗、それ以外なら冷やで気にせず飲む。店が選んだ酒だ。料理に合わないわけがない。
だけど、お酒に料理を合わせる店だと、純米酒以外は頼まない。
八海山、酔鯨、出羽桜、秋鹿、菊姫、玉乃光。同じ酒造でも本醸造、純米、吟醸では味も香りも微妙に違う。
海外の人たちがうまい純米酒を先に飲んで「オー!グレイト。サケ、グッド!ネ」ってなってくれたらいいが、最初にアル添酒を飲んで「ニホンシュ?コレアマイデス。クチノナカベタベタシマス」って思わないように願う。
食べるお米ではコシヒカリやササニシキ、あきたこまちとかあるけれど、純米酒の原料米では山田錦が圧倒的に今は主流。
この天狗舞も吟醸酒の文政六年は兵庫県の特A地区で作られた山田錦を使用してるが、俺が好きなのは加賀平野の米と白山の湧き水で作ったスタンダードな方。
やっぱり地元の米と地元の水、そして蔵についてる麹。それが日本酒の地酒の醍醐味だろう。
いくら美味しいからって山田錦ばかりじゃどれも同じようなお酒が出来上がってしまうんじゃないかね。
ロンドンで開催された2011.IWC純米酒部門でGoldメダル受賞酒中の最高位を獲得したり、その後もいろいろなコンペションや品評会で受賞して海外でも認められてる。
俺の一番好きな純米酒・山廃造りの天狗舞が世界で認められるのは嬉しいが、ますます手に入れにくくなるのは勘弁を。
山廃仕込み特有の濃厚な香り。活性炭で濾過(これで普通のお酒は透明にする)していないから、濃い山吹色をしている。ちなみに精米歩合は60%。
俺は2016年の正月は、天狗舞を飲みながらダラダラグダグダと過ごす。それを考えただけで楽しみだ。