公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

第二教室の功罪、消費税

2015-04-28 | くもん教室の運営
第二教室のおかげで、多額の消費税支払いが必要で、経済的に大変だというお話を聞きました。そこで、まず消費税の話から。

消費税というのはどなたもご存じのとおり、買い物等にかかる税金の事で、
例えば6000円の買い物をすれば、+480円の消費税を加算した金額を支払うことになります。
受け取った方は「預かり消費税」として決算期などに一括(あるいは分割で)納税します。
でも、預かった方も経費で様々に消費税を支払っているので、その差引額が納税の対象です。

で、年間総売り上げが1000万を超える所に対して消費税納入の義務が生じます。

したがって、くもん教室の場合、税込みで会費を貰っていても年間総収入が1000万に
満たない場合には消費税納入の義務はありません。
あら、じゃあその分丸儲け?
いえいえ、ロイヤルティは消費税加算で支払いますし、人件費以外の経費には消費税を
支払っていますから残念ながら丸儲けにはなりません。

ところが、納入義務の発生で大問題なのが人件費の多さです。
お給料は消費税を含みませんから(売買でない)≪支払生消費税≫の対象にはならないので
消費税計算上、経費とはならず、収入勘定です。
教室を二か所でやっていれば、
家賃(住居用でなければ消費税がかかっているので経費)と
人件費は倍かかるのは当然でしょう。

そうすると、1000万の総収入に対して、40万円ぐらいの消費税を
納入しなければなりません。
もともと預かり金なのだから、当然と言えば当然なのですけれども
 (理想的には消費税分は毎月別建てで貯金でもしておくべきなのですが
  なかなかできることではありません)
1000万の総収入と言ったって、ロイヤルティに400万、
残りの600万で家賃やら人件費やらを賄っているのですから
そうそう手取りは多くないわけです。
もし、年収200万になっていれば、たいしたやり手だと思います。
それで、その200万の中から40万というのはとても大きいですよね。

これが、総収入999万なら、その40万は手元に置けます。
その経理なら、預かり消費税は懐に入れられるわけで、若干はお得かな。

それで、と。
第二教室を持っていて、両方が繁盛しているというのなら問題はありませんが
片方が赤字すれすれという場合
それでも消費税その他税金関係は合算なので
そこそこ順調な方の教室売り上げから吸い上げられることになり
結局、総額1000万の売り上げがあっても
消費税納入に苦慮するということになる、という話です。

ふつう、150教科未満の教室なら消費税納入は必要ありません。
けれど、それが二つとなると合算なので、というわけですね。

昔、私も教室をダブルでやっていた(一か所で、火金と月木で)ことがあり
その時に諸費税ばかりか国民健康保険その他の事で「冗談じゃない」と思ったものです。

ああ、そうそう、ついでに言えばこの、一か所でダブル教室というのは
例えば座席が30しかなくても、人件費以外は増やさずに60席使えるので
生徒が集められれば効率のいい方法です。

第二教室はやめたいのだけれど
研究会がすんなりオーケー出すわけないし、どうしようということで。
「研究会がね、その40万を持ってくれるというのでもない限り
経済的事情により、第二教室は閉鎖しますって通告するしかないんじゃないの?
で、順調なほうの教室で999万で抑えるんだね」 (^.^)






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