公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

発達遅滞のある子12

2023-05-14 | 発達遅滞の子の学習サポート

例えば3歳児に「3+5は8」ということを教えたとして、一度で覚えるでしょうか。

おはじき数えや足し算の歌とかカードとか、色々工夫して教えていくうちに

間違えずに言えるようになっていくものでしょう。

定型発達の子であれば10歳ぐらいで四則計算ができるようになっていれば

分数の通分のやり方を一度教えればほぼ、次の問題から自分でやれます。

しかし、発達遅滞のある子、学習困難な部分を抱えている子では、

手を替え品を替え説明しても、次の問題を自力で解くということができるようになるには

幼児並みの練習が必要なのです。

また、やっと要領を飲み込んだらしくその場ではできたとしても

同じプリントを宿題にして「やっておいで」と渡すと「できなかった、わからなかった」と

ほぼ白紙状態で持ってくることもしばしばです。

投げてしまわずにできる所だけでも自力でやってくるようになれば

通分に関してはもう一息、というところです。

 

ぜんぜんやる気のない幼児にひらがなとか数字とか教えようとした経験がおありでしょうか。

3~4歳児というのはたいてい、自分の気持ちにそって行動しますから

つまり、嫌な事でもがまんしてやる、などということはほとんどないのです。

ひらがなの練習文字をていねいにたどってなぞり書きをしなさい、と言っても

気が乗らなければ雑に書いたり、なぞることを無視して我流で書いたり、時にはやらなかったり。

そういう中から、少しでも上手に書けたところを見つけてほめることを繰り返していきます。

ひらがなも一字一字の読みと一緒に2音の言葉の読み方練習をして、読めたら褒める。

するとある日。

今まで見向きもしなかった音読カードを「やる」と言い出したりするのです。

5分以内で読めるところまでさせて「すごいね、いつの間に読めるようになったの」

できる事はやりたがるものですから、練習ははかどります。

字など覚える気がないようだから、とあきらめてしまうのではなく

無理強いにならない程度に「やらなければならないことはやる」ということを教えつつ

根気よく対応していけばなんとかなるものです。

そうそう、それから、幼児の保護者によくお伝えするのですが

「脳に覚えるということを覚えさせる練習が大事です」

車の車種が何十もわかったり、花の名前をたくさん知っていたり、

いまどきならポケモンの名前や特性を覚えていて、尋ねると即答出来たりする幼児は結構います。

勉強に関係ないと思われがちですけれども、本人の興味のあることはよく覚えているものですから

そこを利用して覚える能力を磨くのです。覚えるということは思い出す事とセットです。

知っている事、覚えていることを思い出して答える練習に、本人の得意なものでするということです。

幼児期に覚える能力を磨いておくと、先々お得なのはいうまでもありません。

うちの教室では幼児に読み書き計算をさせていますけれども

これは文字や数字を材料として使って「覚える能力」を磨いているとも言えます。

 

 

 

 

 

 

 

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