何があろうと、綾野剛!

俳優綾野剛さんの活躍をずっと見守っていきたい。

剛は”言葉が必要のない人”(by斉藤工)

2013-12-21 23:56:37 | magazine

斉藤工さんは、ヒーローヴィジョンで自分の連載コーナー「ここからの風景」が始まった当初から
「綾野くんを撮りたい」と言い続けけたのだそうだ。 いい人だ~!(笑)

最終回でやっと念願が叶い、ゲストに剛くん登場。

斉藤工×綾野剛 対談

工:剛は水彩絵の具みたいな人だなって思った。剛の存在はまわりの役者さんに対して、
決して解け合わないわけじゃなくて、水に広がるように溶け込んでる。 もし俺が役者じゃ
なくても、この人の作品だったら劇場まで足を運ぶな、って思ったのは同世代では剛だけ。
特に強烈だったのは、(共演映画)「渋谷」での役の入り方。内側というか、内蔵みたいな
ところから取り組む姿勢。ずっとそういう姿勢でやって来たんでしょ?

剛:うん。だから、逆に言うとすごく不器用で、芝居に対して「上手・下手」という観点で取り
組んでなくて、その役を全力でやろうって。だから、今だに作品によってブレがあったりする。
最近ドラマのオーデションに何度か呼ばれて、「やっぱり映画の役者さんですね」と言われる。
多分俺が日常の範囲内にあるものでしか芝居しないから、わかりやすいドラマが生まれなか
ったり、伝わりやすい芝居をしなかったりするからだと思う。(注:言い換えると綾野さんが
リアルな演技を追求するので、最近のテレビドラマで流行ってるマンガ的な演出とは違う
存在感の人だと思われてる、ということ)。 でも、その(ドラマの演技の)技術はその技術
として、今の俺には必要だし、別物だって理解できたから。

工:うん、別物だね!

剛:それはあらためて、「役者を生業にしよう」と思えた瞬間でもあった。器用にはなれない
けど、不器用なりに理解する勇気を持ちたい。

工:作品の音楽監督とかやったりすると前と後で、何か変化はあった?

剛:劇的にあった。「作品を作るのはひとりじゃない」って思えて、強くなれた。それが
自分を支える基盤になってるし、「作品はこうやって生まれていくんだ」ってわかったと
同時に、「生半可じゃできない」と感じた。

工:剛は俺の中で、村上春樹の小説を読んでる空気感なのね。それぐらい、
”言葉が必要のない人”。

剛:工や俺を応援してくれてるみなさんを、いい意味で裏切っていかなきゃと思う。

 

        

          撮影:斉藤工 ヒーローヴィジョン(2009年8月7日発行)より