↑の画像はハートオンウェーブの13の5代血統表なんですが、仮に牡馬だった時と牝馬の時の遺伝経路を表してみました。
※あくまでも個人的な見解です。
遺伝子について簡単に説明すると、
牡馬の場合は父親からY染色体を必ず受け継ぎ、母親から父もしくは母からX染色体を1つ受け継ぎます。
牝馬の場合は、父親からは必ずX染色体を受け継ぎ、母親からは母親の父もしくは母から1つ受け継ぎます。
なので、牡馬は(X,Y)牝馬は(X,X)となります。
では、説明に移ります。
まずは牡馬だった時からの見方です。
一番上の青いラインで囲まれたところは、Y染色体の遺伝経路です。父から息子にしか伝わらないほぼ変化しない遺伝子です。男性器官を作る遺伝子ですね。
次はその下にある緑のラインで囲まれた場所なんですが、ここはY染色体にある偽常染色体領域と言う場所の遺伝経路で、この場所は父の母からのX染色体の一部を受け継いでいる場所です。
牡馬の場合は母親との組み合わせを見るのにメインになるんじゃないかと思われます。X染色体が身体を作るのにメインとなる為。
次は、赤いラインで囲まれた場所です。ここは牡馬なら唯一受け継ぐX染色体の遺伝経路です。牡馬は基本母親からしかX染色体を受け継ぎません。
最後は、黒く塗りつぶされている場所なんですが、解釈を間違えていない限りは当馬の中には遺伝子が存在しない場所です。どんなにここの場所でインブリードをかけても意味が無いと思われます。
忘れてましたが、オレンジのラインで囲まれた場所は、インブリードもしくはニックスを掛けるに最適な場所となります。ここは牝牡共通項目です。
通常、牝馬が受け継いだX染色体は父親由来の物と母親由来のものと混ざり合って発現されています。牡馬の場合は基本母親由来のどちらか一つですが。
トランプで例えると、奇数が母の父のX染色体、偶数が母の母からのX染色体だとします。何かゲームをしようとするときカードをシャッフルすると思いますが、その混ざり合った状態で発現されているので、どちらの遺伝なのかがわかりません。
ですが、卵子が作られるとその中ではリセットされて、それぞれのX染色体に分かれて存在します。それで受精したときにどちらが受け継ぐかが決まります。
この時に、インブリードをかけることで特定の遺伝を継承しやすくなるのではないかと思われます。
そして、遺伝経路を考えると効果があるとすれば2代から4代までとなります。
ですが、インブリードに関しては、2代目では強すぎてリスクが高すぎるので向きません。4代目同士となると、数分の1しか残っていないもしくは存在しないので、ここで掛けても薄すぎてほとんど意味をなさないと思われます。
となると、一番効果があるのは3×3、3×4、4×3となります。ただし、3×4の場合は3代目の母の両親のどちらか片方しか受け継いでいないので、受け継いでいない方でインブリードをかけようと思っても、効果が出ないと思われるので難しくなると思われます。
ということで、一番効果があって無難なのは3×3ではないかと思われます。
ニックスに関しては、牡馬のことを考えると2代目同士が一番重要になると思われます。牡馬の偽常染色体領域で受け継ぐX染色体はあくまで一部にすぎないので、3代目の情報も片方だけの一分のものですし、そう考えると3代目から後ろの代の情報は持っていないと思われるからです。
牝馬に関しても父親2代目の母親から考えていいと思います。父親が持つX染色体は父の母のX染色体ですからね。
次は牝馬の見方です。
ピンクのラインで囲まれた場所ですが、父親から受け継ぐX染色体の遺伝経路です。牝馬の場合はY染色体とは無縁なので、父の父から後ろの遺伝は受け継がずに、存在しません。
次に赤ラインで囲まれた場所ですが、母親から受け継ぐX染色体の遺伝経路です。ここは牡馬と同じですね。
黒く塗りつぶされているところは、牡馬同様遺伝子が存在しない場所です。
オレンジのラインも牡馬の時と同じですね。
ざっと説明してきましたが、アイルランドの研究では、遺伝での影響は33%、残りの66%は妊娠中の母体内の影響や生まれてからの環境に大きく影響されるようです。
米国、英国の研究では、産駒の素質は母親から約6割、父親からは4割で受け継ぐようです。
遺伝の影響は33%しかないらしいですが、馬体を作る土台となるものなので重要度は高いと思います。
ちなみに、各国の研究の平均をとると6歳から12歳の母親から生まれた1番目から5番目の産駒で優秀な馬が多いようです。
あとは、血統で大事なのは牝馬の欠点を補うように種牡馬が付けられて、その能力も偏らずにバランスが取れているものが理想だと思います。
2018/2/13 追記
上記は三年近く前の奴なのですが、これはあくまでも交叉等起きなかった場合の単純化した遺伝子を受け継ぐ流れです。
「インブリードは意味があるのか無いのか」って感じのタイトルの記事に、もうちょっと詳しく書いたものがあるので、そちらもご覧ください。
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