~き甲の形と前肢の運動との関係について~
高くて長いき甲の馬は一般的に胸が深くて頸礎の幅が広く(セクレタリアトの画像を見てもらえればわかるかと思います)肩甲骨が長くてよく傾斜しています。
肩甲骨の運動の支点となる部分は全長の上4分の1くらいのところにあって、ここを中心にして肩甲骨は振り子運動をするように動くから、長くてよく傾斜した肩甲骨は運動のふり幅が大きく、歩様を軽快にして、ストライドを大きくし、いわゆる低運歩(地面を削り取るような歩き方)、の足の運び方をします。
また、このようなき甲は鞍が背中に密着して前後にずれることがないから鞍傷を起こす心配がありません。騎手の重心も安定しているから踏歩が確実で歩様が乱れることがありません。
き甲の低い馬は見かけにも胸が浅い。き甲が短くて高い馬は一般に肩甲骨が短くて峻立し、上膊骨が長い。
肩甲骨の立った馬は肩甲骨の上端の後方への移動が傾斜しているものより大きくなるので、肢全体を高く引き上げて、高運歩の原因になり歩幅が狭くなります。
高運歩の馬は平場の競走向きではないが、ダートコースを走ったり、雨上りの重馬場を駆けたり、障害を飛越したりするのには有利になります。
しかし、極端な高運歩はサラブレットでは好まれません。
芝の良馬場でよく走った肩傾斜のいい馬が重馬場で全く走らなかったり、肩の立った馬がダートコースで見事な走りをすることがあるのは、運歩の性格によるものですが、き甲の形や大きさは走り方の簡単な目安になります。
低いき甲や短いき甲は鞍付きがよくなく、前方にずれやすいため、肩甲骨上部の運動を阻害し、騎手の重量が前肢にかかって疲労させます。
皮膚が薄くて皮下脂肪も少なく、適度な厚さがある長くて高いき甲はサラブレットの理想的な形で、胸が深くて肩がよく傾斜した馬は、鞍を付けたときに前の方が広く合うて見えるものです。
以上がき甲の説明になります。
次は背、腹、腰の見方になります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます