べるふぃの相馬眼研究所

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馬の知識、学べます

馬の見方2 ~尻と尾の見方・尻のつくり2~

2018-01-11 18:23:59 | 馬の見方

 

尻の長さは腰角から臀端までの長さ、または上線に沿って腰椎の後端、腰接の部位から尾根までの曲線の長さ、あるいはこの曲線を延長して臀端までの長さです。これは後肢、または大腿骨のテコの一部で、長いほど付着している筋肉が長く運動の幅が広くなるから、尻の長さは長いほど良い。

腸骨から起こって大腿骨頭に付着している臀筋の収縮の幅を広くして、股関節の開帳を大きくし、後肢の推進力を増すことが出来るからです。また、座骨に付着して下降するハムストリング筋(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋など)のテコの長さも長くなるから、これも後肢の踏み込みをよくし、推進力の発揮に働きます。実際、尻の短い馬はチョコチョコ歩き、深く踏み込んだノッシノッシという感じの歩様は見ることができません。

尻の長い馬は一般的に大腿骨も長いものです。尻と股の長い馬は後肢の運動の降り幅が大きく、踏み込みが深く歩幅の大きな馬になります。股関節の運動の広いものは推進力に富み、駈歩馬では跳躍の幅を広げるので速力を求めるのにも望ましいです。

尻の幅は大腿骨と骨盤が連接する股関節のところで図るのが正しいのですが、厚い筋肉を被っているので、外観でその場所を見分けることは難しいです。左右の腰角の距離を尻幅という人がいますが、これは間違いです。腰幅、または骨盤幅と言わなければなりません。真の尻幅と腰幅の間には相関関係はなく、腰幅の広いものが必ずしも尻幅が広いとは言えません。尻幅の見方は、臀端から水平に線を引いて、それよりやや低い場所を見ればおよそ当たります。

尻の幅は出来るだけ広い方が後肢の上部に付着する筋肉の発達の良さを表しています。尻の背面が丸く盛り上がって尻幅が十分あるものは後躯を動かす筋肉がよく発達していることを示します。サラブレッドを側面から見たときのスマートさは後方から見たときの外形には認められません。

尻幅が広い方が良いといっても限度があります。腰幅とほぼ同じくらいの中等度の幅があって、尻の筋肉の一つ一つが識別できるような、脂肪が乗ってはおらず、力強さを感じさせるように内股が張って、股を厚く見せるような尻が理想です。筋肉の発達が悪くて、腰の骨が異様に張って見える尻は、競走馬に関わらず、乗馬や輓馬(ばんば)でも失格です。



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