海へ

　海へ２５キロ。

　自宅からの距離です。

　行って帰って５０キロ。

　自転車に乗り始めたころ、どうしても海に自分の力で行ってみたくて、半日以上かけて行って、かえってきました。

　海のそばのラーメン屋さんでラーメンを食べて、ジャージにトレーナーを着て、サーモスの水筒をリュックに入れて、それでも冒険気分でがんばってきました。

　かかった時間は、休憩をいれて５時間以上。

　帰りの途中で動けなくなって、公園のベンチにへたり込んでチョコレートを食べたら、逆に気持ち悪くなったことを覚えています。

　先ほど、同じコースを行ってきました。

　完全に海まで行かない場所でターンしてきたので４５キロくらいです。

　かかった時間は１時間と４５分くらい。

　平均時速は初めて２５キロを超えました。

　レーサーに乗っている方や、若い方にとってはなんてことない数字なのは分かっています。

　でもでも、橋本病でなんとなく投げやりでどうだっていいやとしか思っていなかった、メタボの中年おじさんが、今やピチピチのレーパンとメット、そして５００ｃｃの水を持って突っ走ってくるようになったわけです。

　自分を取り戻す。

　自転車に乗っていた自分は高校時代しかないけれど、でも、この自分を取り戻すってのは、つまりは、うまくいえないけれど、なんか活動的な自分を取り戻しつつあるような気がしています。

　前も書きましたが、キザな言い方で本当に恥ずかしいのですが、自分の人生を自分でコントロールしている感触。

　僕のレーサーは、僕に新しい人生を送ってくれています。

　でも、もっと、もっと早くなります。

　そのつもりです。

　もっと早く、もっと遠くへ。

　今年の目標は、１日で２００キロを一定の速度以上で走りきって、ケロッとした顔で晩御飯を食べることです。

　がんばるぞ！！

　って、このがんばるって言葉自体が、僕にはなかった。

　だって、がんばれなかったんだもの・・・。



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