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医学部定員「最高時の8,360人に戻せ」医労連が医師不足に提言

2007年04月27日 | お知らせ

医学部の入学定員を現在の7,625人から最高時の8,360人に戻すことを柱にした「深刻な医師不足を打開するための提言」を、日本医労連が4月26日までに発表した。医師不足の主要な原因は「政府の『医療費抑制』・『医師の養成削減』にある」と指摘しており、「医師の養成数削減を決めた閣議決定を撤回し、医師を抜本的に増やす施策に方針転換すること」を求めている。
                                                    
医師の養成に関しては、1981年に医学部の定員が過去最高の8,360人となった。これに伴い「『人口10万人に対して医師150人』という目標が達成された」として、厚生労働省(当時の厚生省)は「当面、1995年をめどに医師の新規参入を最低限10%程度削減する必要がある」と、93年に定員を7,725人に削減した。さらに「将来、医師が過剰になる推計を得た」という観点から、97年に「医師の養成数削減」が閣議決定され、定員が現在の7,625人になったという経緯がある。

しかし、厚労省が昨年12月に初公開した都道府県ごとの医師の充足状況で、医師の数が医療法の基準を満たしている病院の割合は全国平均で35.5%に過ぎないことが明らかになった。なかでも新潟県は20.3%、岩手県は21.5%、秋田県は21.8%の充足率にとどまり、これらの県では8割近い病院が医師不足に陥っていることも分かった。ほかにも、日本病院会の調査で、全国の公私立病院の6割が「医師不足のため、地域医療機関の役割を十分に果たせない」と答えているほか、日本赤十字社が全国で運営する92病院のうち3分の2に当たる62病院が医師不足を訴え、足りない医師が400人を超えていることも伝えられている。

こうした状況を踏まえ、医労連は「医師不足の原因は、政府・厚労省が進めてきた医療費抑制政策に基づく医師養成数の削減にある。閣議決定を撤回すべき」と主張。「医師養成の削減がなく、81年当時の定員8,360人を保っていれば、現在、少なくとも1万5千人を超える医師が養成されていたはず。当面、81年からの削減数を元に戻し、定員を最高時の8,360人にする」必要性を強調している。

このほか、医師不足の実態を緊急調査すると同時に医師不足の地域やへき地・離島などで医師が確保できるよう国と自治体・大学等が連携をとって対策を強化すること▽産科や小児科などの集約化をやめ、地域で子供を生み育てられる体制をつくること▽医師の勤務条件が労働基準法を守るよう緊急対策をとること-などを求めている。

(2007/04/26 キャリアブレインニュース
https://www.cabrain.net/news/article.do;jsessionid=671F856FE74A24947FF7BADEAF07E6FD?newsId=8318