シャボン玉の詩

前へ前へと進んできたつもりでしたが、
今では過去の思い出に浸る時間も大切にしなければ、
と思っています。

ついに決断(彰ノ介日記)

2016-09-29 09:23:50 | Weblog

遂に決断である。
たかが痔の手術位の事で、少々大げさではないかと思う。
多分そうであるとは思うが、これには意味深なわけがある。
手術と称するものは今度で3回目になる。
一回目は2006年のカテーテルアブレーション、
二回目は2016年の肺の部分切除である。
そして今度は最も嫌がって来た痔。
一回目は三日で帰宅できるはずであった。
が、急性膵炎&急性腎不全の合併症発症で50日間入院という羽目になった。
二回目は術後のあくる日命の危険さえ感じるほどの奇妙な事件が起こった。

何れも合併症の確率は数パーセントである。
95%の成功を確信して臨んだ手術が二回とも落っこちた。
1000人中2,3人の不運な出来事に遭遇したことになる。
こうなると三回目の手術だって鼻歌で、というわけにはいかない。
またもや、ということはあり得る、エイヤーの決断が必要になったというわけである。
いや、決断をせざるを得ないほどに辛くなってきたという事だ。

そもそも過去二回の合併症発症には伏線があった。
40余年間の不摂生による生活習慣病が隠れていたのである。
煙草1日60本、お酒4合、命を賭しての仕事、これじゃ合併症の確率は跳ね上がる。
むしろよたよたしながらでも生きているのが不思議、奇蹟かもしれない。
ひょっとしたら逆に本質的には丈夫な体、強運の持ち主であると思ったりする。

それはさておき、合併症発症のお陰で生活態度は一変した。
酒を止め、煙草を止め、判で押したような生活のリズムに変えた。
今度こそ何事もなくすんなりと手術は成功するだろう。
柳の下に3匹目のドジョウがいたとしたら、悲しみを超えて大笑いだ。


立派に死ねます(彰ノ介日記)

2016-09-25 08:54:02 | Weblog

こんなことが書いてあった。「一人で65歳以降の老後生活を快適に過ごすには、
65歳時点で5000万円の預貯金が必要である」
数学的な裏付けの下に算出した結果であるから、それなりに信用できるだろう。

これには驚いた、しかしよく考えてみると馬鹿げた話だ。
5000万円貯めるために必死で働け、懸命に節約し生きよ、では何のための人生ぞ。
頭を切り替えられよ。
75歳までにちょいと残して、その5000万円使い切る事を考えては如何。
人生バラ色に見えてくるじゃないか。
75歳以降の人生は大半の者が惨めなもの、と考えるべきであると思うからである。

細胞の一つ一つが弱り、動き鈍り、趣味の楽しみは加速的に幅狭くなっていく。
皮膚も弱り、あちこちに湿疹やらブツができて痒く、夜も眠られぬようになる。
イキミの力が衰え、便通に苦しむようになる。
便秘が昂じていぼ痔になり、手で押し込んでもすぐに飛び出てくる。
これは精神的にかなり疲れる厄介な問題だ。
さらに、少しずつ尿の切れが悪くなり、パットが必要になる。
男性なら前立腺が弱り尿回数が格段に増えてくるからだ。
ほんの一例を述べたが、こまごまとした情けない雑用が増えてくるのは間違いない。
体力は落ち、何をやるにしても面倒になり休んでいる時間が長くなってくる。

老後を快適に過ごすなんてどだい無理な話だと思うね。
なるほど、中には凄いのが居る、しかしそれは一握り、一握りが全てでは困る。
老後、「何とかなるさ」でよいではないか。
50、60代の全盛期の皆さん、5000万円に惑わされることはないでしょう。
最初で最後の人生、そこそこのところで手を打って浪費していきましょう。
明るく元気に、世の為、人の為に。
大丈夫です、立派に死ねます。




 


 

 


そちらは如何ですか(彰ノ介日記)

2016-09-18 16:17:56 | Weblog

何しろあの暑さでしたからね、身体全体がガタガタになっています。
それにこの蒸し暑さでしょう。
毎日毎日芋蒸すみたいに蒸されてはたまったものじゃありません。
ほとほと参りました。
息苦しく、心臓がドン、ドンと変な動きをして今にも何かが起こりそうで、
とてもじっとしてられません。
これを夏バテというんでしょうかね。

お父さん、お母さん、お兄さん、そちらは如何ですか。
きっと爽やかに悠然とお過ごしのことと思います。
それとも皆さんで一杯やっていますか。
羨ましいです。
皆さっさと逝っちゃって、僕だけが取り残されて文句たらたらの毎日です。

今日はね、
久し振りに昔の写真を取り出して過去へ旅しています。
あの頃をいっぱい思い出しています。
ああ懐かしい、僕にとっては最早未来よりも過去の方が楽しいのです。
しかし、そちらの天国というところ、もっといいところでしょうね。
宇宙の中を自由に飛び回り、まるで仏様のような生活なんでしょう。

この世の残業を早く終えて、僕も大急ぎでそちらへ逝きますから。
待っててくださいね、それを楽しみに必死で修業を続けますから。


勘違いしちゃいかんよ(彰ノ介日記)

2016-09-04 09:27:55 | Weblog

この胃にはほとほと愛想が尽きたね。
調子いいぞと思うのは一か月でほんの二、三日。
ちくちくと痛み、鉛が入っているように重い。
胃カメラ飲んでも特別悪いところはありません。
昔やった胃潰瘍の影響で大腸へ流れるスピードが一寸遅い位の事かな、と先生は言う。
でもね、量を減らしても腹減るなんてこと滅多にないのです。
ラーメン頼んでも半分がやっと、寿司食べてもせいぜい五個。
コップに半量水飲みすぎても胃にずっしり重みが加わり、食欲はいっぺんになくなる。

何だろうね、これって。
胃が普通の人と比べて小さくはないですか、と訴えてはみたが先生は何も答えない。
それはそうだろうカメラを通して胃の大きさまでわかる筈はない。
でもね、きっと体積が小さいと思う。
要するに細長くひょろひょろしていて丸みがないからでは、と思っている。
何でも球体がいいからね、体積も大きくて頑丈だから。
ふっくらと丸みを帯びた体つきの人は胃もきっと丸っこいに違いない。
だからあの人、胃が強いし、よく食べられる、そうだ、きっとそうだ。
これって「生まれつきの食の格差」だよ。
おふくろに似たんだね、いや、親父の方も胃が弱かった。

それでも若かりし頃は日本酒一升は軽く飲めたのに、やっぱり元々胃が弱いんだ。
何言ってるんだ馬鹿野郎、アルコールで麻痺させていただけよ。
それがいけなかったのだ、胃潰瘍をやると大体こんなものだ。
それを称して「自業自得」というんだ。
二度と「生まれつきの格差」なんて口にするんじゃないぞ。
勘違いしちゃいかんぞ。