作品72(夕焼日記より)
ばあさんは太陽を背にして編み物。
じいさんはごろりとなってうつら。
ラジオからはメロディーが流れています。
何の語らいもありません。
それ以上の動きもありません。
二人は穏やかな空気に包まれているのです。
まるで時が止まったように。
生きていることさえ忘れたかのように。
やがてじいさんが頭をもたげました。
今何時ごろかな。
気持ち良さそうに眠っていましたね。
眠ってはいないよ、目を閉じていただけ。
いびきをかいていましたけれど。
へえ、そうかなあ。
婆さんは編み続けます。
そのうちに再びいびきが聞こえ始めました。
何の変化もありません。
時間は止まったままです。
幸せってこんなことをいうのでしょうか。
ばあさんは太陽を背にして編み物。
じいさんはごろりとなってうつら。
ラジオからはメロディーが流れています。
何の語らいもありません。
それ以上の動きもありません。
二人は穏やかな空気に包まれているのです。
まるで時が止まったように。
生きていることさえ忘れたかのように。
やがてじいさんが頭をもたげました。
今何時ごろかな。
気持ち良さそうに眠っていましたね。
眠ってはいないよ、目を閉じていただけ。
いびきをかいていましたけれど。
へえ、そうかなあ。
婆さんは編み続けます。
そのうちに再びいびきが聞こえ始めました。
何の変化もありません。
時間は止まったままです。
幸せってこんなことをいうのでしょうか。