近詠八句 ・夏 ~『返す波』~ 2010-08-01 00:54:38 | 川柳 たそがれ時不在を強く思い知る 声上げて泣いてはならぬ夕間暮れ 仕訳けしたところで痛み減るでなし 泣き顔を見せてよいから泣いている 受け止める勇気などない十三夜 涙も涸れるとはきっと嘘だろう 秘めごとは隠してくれる波の花 終曲を聴きおり誰も居ぬ晩夏 月世
『MRI室にて』 ~近詠五句~ 2010-06-29 21:32:14 | 川柳 悪行は写らぬだろうMRI カプセルは無数の呻き聞こえ来る 懺悔なり 来し方思うカプセルで 健常でないひとだけが入るとこ 胎内か意識遠のく あとは闇 月世
『春霞 其の三』 ~近詠五句~ 2010-04-17 17:47:48 | 川柳 春風が切れた唇なぶってく 発見ス「ズルイ」と「スキ」は同義ナリ 存在さえ知らぬ頃 には帰れない 花梨酒でほどく絡まるココロ あとひとつ何かが足りぬ蓮華草 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』
『春霞 其の二』 ~近詠四句~ 2010-04-14 22:18:18 | 川柳 複雑でかつシンプルな間柄 借りた肩 顎乗せたまま別れ告ぐ 大胸筋なぞってみるももう最後 Deleteキー消せない記憶なんて ない 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』
『春霞』 ~近詠七句~ 2010-04-04 22:56:33 | 川柳 「こんばんは」あとが続かぬメール出す 爪を切る幾日逢ってないのだろ 結んでひらいてひらいて落ちて 血も涙もある女と伝えたい 何もない 予感と確信のあいだ 過去メール読んで過去だと思い知る 飲んで食べて泣いて泣いてまたあした 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』
「冬景色 其の二」 ~川柳六句~ 2010-01-26 23:39:38 | 川柳 約束はしない約束をしている 目を覚ますためイタイこと聞いておく ハッカ飴舐めつつゆるり落下する 何もまだ知らない頃に帰りたく 呻け疼け慟哭せよ 自業なり 寒椿嘘を付くのも慣れてきて 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』
「冬景色」 ~川柳五句~ 2009-12-09 22:29:19 | 川柳 影長し淋しがり屋はみな同じ 骨が鳴る程の抱擁受けており 体温を頂戴したく掌を重ね わたくしの肌湯豆腐に負けている 初詣一緒に行けぬ間柄 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』
「秋模様 其の二」 ~川柳五句~ 2009-11-11 12:11:57 | 川柳 紅迷うこわがりなのは昔から 言い出せぬ言ってはならぬおもいあり 初霜や吐く息吐息何処へいく 泣くことになるだろうとの予感あり 借りた背の触れてはならぬこと多き 月世 『これらは架空の句である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、 出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。』 ↑ ドラマ『不毛地帯』の断り書きみたいだわ・・・(笑)
「秋模様」 ~近詠九句~ 2009-11-03 16:21:47 | 川柳 湧き上がるおもいころして鰯煮る 訳ありで傷あり恋も柿・林檎 逢いたくて逢う逢いたいと言われ逢う 持ち帰り出来ぬ香りは甘露煮に ヤバそうなひとと飲んでる燗二合 とめられぬとき過ごす牡蠣を剝きつつ 幸いに鮨の好みが一致する 柚子コショウ背徳の味に似ており 我慢とか逢いたいだとか千切りに 月世 食欲の秋・・・ 色気よりも食い気のようであるワタクシ ※ これらの句は創作であり、実在の人物・団体等とは一切関係がありませんが、 心当たりのある方はあなたのことかもしれません。(笑)
しょぼい入選・・・(川柳のコト) 2009-09-20 21:52:10 | 川柳 『第64回 某市文芸祭』の川柳部門にて、ワタクシの作品が 「準佳作」になったという通知が先日届いた。(住んでいる市ではない) 準佳作って・・・ なんだかものすごく しょぼい・・・ おまけの佳作っていうか、どうでもよい評価というか。 一応、「文芸作品集」へ掲載してもらえるらしいけれど。 どのぐらいのレヴェルの文芸祭なのか、実はよく知らず、 テキトーに応募していたのだが 第64回ってことは、それなりのレキシがあるのかしらね。 ちなみにその私の作品とは 笑ってるトマト選んだ指に夏 月世