地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

地図の歌

2009-11-23 | 音楽
僕の自宅の最寄り駅は京浜東北線の北浦和駅ですが,武蔵野線の東浦和駅もときどき利用します.毎年,11月から年末まで,東浦和駅前の広場にクリスマスツリーが点灯されます.派手ではないですが,見ていると家庭的な暖かみを感じます.

先日,夜7時過ぎに電車から降りたところ,駅前広場で女性がキーボードを弾きながら歌っていました.10秒ほど聴いた時点で,すっかり魅了されてしまいました.優しく透明な声に穏やかな曲.クリスマスのイルミネーションと見事に調和していました.キロロを連想しましたが, 独自性も感じました.

すぐにバスに乗る必要があったため,聴けたのは1分間くらい.キーボードの脇に書かれた「あえか」という名前を急いでメモしました.家に帰ってネットで検索したところ,春日部市のミュージシャンと判明.インディーズで高い評価を受け,最近アルバムを出したとのこと.

さっそくアルバムを入手して聴いたところ,駅前ライブの印象どおりでした.歌詞とメロディがきれいにかみ合った曲と,一音一音に微妙な抑揚がついた歌い方に癒されました.

アルバムの最後の曲は「地図」です.感動的な佳曲で,小坂明子の「あなた」と同じ旋律が一瞬聞こえるのが懐かしく感じられました.地理学を専門とする僕は,一般の人が「地図」の語をどう認知しているのかに興味があります.あえかさんの「地図」は,心の中にある情報の集合のような概念で,この点では尾崎豊の「十七歳の地図」と共通といえます.一方,あえかさんは,地図が書き換えられる過程で,新しいことが可能になるかもしれないと歌っています.

この視点は,都市などの発展を地図に示した場合と似ていると思います.たとえば地図に鉄道が加わることは,新たな行動が可能になったことを意味します.地図というと,現在もしくは過去の静的な情報を連想しがちですが,将来への期待と結びつけている点が新鮮に感じられました.

なお,少し前に地形学に関連する番組と記した「ブラタモリ」の最後には,井上陽水の「Map」という曲が流れます.地図はミュージシャンを含む多くの人に,インスピレーションを与えてくれるようです.

***

たとえ今日はできなくても
明日はできるかもしれないよ
だから今はただ前向いて
ただ一歩進めばいいよ
(地図/あえか)

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
RE:地図の歌 (田代博)
2009-11-27 07:02:39
今、パリにいらっしゃるのですね。神出鬼没ですね(^_^)。
ところで、よい歌をご紹介下さってありがとうございました。早速検索し、私のブログでも紹介させて頂きました。
「小坂明子の「あなた」と同じ旋律が一瞬聞こえる」 やはりそうでしたか。どこかで聞いたことがあるような気がしました。確かに懐かしさを覚えますね。
某試験問題に使えないかと思っています(^_^;)(入試問題などではありません)
返信する
ご返事遅れてすみません (OGU)
2009-11-30 07:49:52
田代先生

神出鬼没で,パリの後はベイルートに来ております.「地図」は十代の学生さんにも励ましを与える歌のように思います.そういう建設的な歌に,「地図」というタイトルがついているのは,嬉しい限りです.
返信する
引用 (OGU)
2009-12-25 07:42:02
この記事,あえかさんのブログで引用していただきました.

http://blog.oricon.co.jp/aeka/archive/125/0

上野の野外ライブに参加され,あえかさんと直接話をされた平石さんのおかげです.

ブログにお礼のコメントを書き込みました.
返信する
Unknown (平石)
2009-12-29 09:08:56
ブログ拝見しました.まったく偶然のできごとでしたが,楽しい出会いでした.

「2012年」というぶっとんだ映画を見た直後だったので,あえかさんの爽やかな歌に心が和みました.
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。