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地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

新歓コンパ

2010-05-13 | できごと
昨日,研究室の新歓コンパを行いました.参加者は写真の7名,西郷隆盛(下戸で写真を撮らせない),撮影者の僕の9名でした.4月から修士課程に落合君と成瀬君,博士課程に伊藤さんが新たに加わり,院生は5名です.客員研究員の林さんと,用事で空間センターにやってきた首都大の齋藤君も参加してくれました.

コンパの前には研究室のゼミがあり,M1の落合君が初めての英語発表を行いました.しっかりやっていましたが,独特の緊張感があったとのことです.僕の研究室ではゼミを基本的に英語でやっています.留学生への対応が一つの理由ですが,日本人の学生にとっては,いずれ英語を使うべき状況が必ず来るので,その時に備えることが重要と考えています.実際にOBからは,「ゼミに出ていたので後日助かりました」というコメントをもらっています.

この点で「独特の緊張感」は良い体験です.数回経験すると,「知っている緊張感」に変わり,対処しやすくなります.

So you see what we can do.
If we try something new.
(Triad / Jefferson Airplane)

三次元レーザースキャナ

2010-04-09 | できごと
特別な経費を利用できたおかげで,研究室に地上型の三次元レーザースキャナが入りました.機種はトプコンのGLS-1500で,最近出たばかりの製品です.毎秒3万回という超高速スキャンが可能で,精度は150m先の計測で4mmです.岩盤や地表の精密形状データを得ることができます.

地形学では,航空レーザスキャナで得られた高解像度データを使った研究がブームです.一方,地上型のレーザスキャナに早くから注目して地形学の研究を進めてきたのが,東キャロライナ大学のThad Wasklewiczです.彼は5年前に,僕の研究室に2ヶ月滞在したことがあり,その際には持ってきたスキャナで日本のデータを取得しました.写真は,Thadと当時の研究室のメンバーが,房総の海岸で作業を行った時のものです.彼のスキャナはライカ製で,以前はこれがデファクトでしたが,今はトプコンを含む多様な会社が同等の製品を出しています.

Thadが来た時には,この種のスキャナを自分の研究室で持てるとは全く思いませんでした.良いチャンスをもらったので,今年度はこれを有効活用したいと思っています.まずはhaya君がスキャナの使い方を習得してくれる予定です.岩や建物などの三次元データを取得して解析し,風化や崩落の評価を行いたいと考えています.

And my eyes fill with sand, as I scan this wasted land.
(Kashmir / Led Zeppelin)

博物館シンポジウム

2010-03-28 | できごと

本日,日本地理学会の春季大会において,「博物館の地理学」というシンポジウムが行われました.これは,自然保護助成基金の目代さん,滋賀県立琵琶湖博物館の宮本さん,および僕が共同で企画したものです.目代さんとは昨年12月の空間センターのシンポジウムでも連携しました.宮本さんとは1996年のスペインの学会でご一緒して以来でした.

種々の博物館にいらっしゃる地理出身者の方々に講演していただき,地理学がいかに博物館に寄与できるかを議論しました.僕の知る限り,このようなテーマで地理学会のシンポジウムが開かれたのは初めてのことです.とある経緯で僕もコンビーナの一人になりましたが,実際には目代さんの発案と宮本さんのサポートで成立したものです.

地理学は博物学の側面を持っています.よって,地理と博物館には強い関係があるはずです.また,地理出身者が博物館で活動することは,地理の普及のためにも重要です.

今後,このテーマを引き続き検討すべきと思いました.

And we walked hand in hand down from the museum.
(Sleepwalkers / Zegota)


送別会パート2

2010-03-25 | できごと
送別会の第二弾を行いました.今回は飲み会ではなく,午後のお茶会でした.先日のホームパーティーに来られなかったM2のAndy君も参加しました.写真には,研究室の外国人4名(左から張さん,王さん,Andy君,Loday君)が写っています.つくばから久々にDOSI君も来てくれました.また,お茶会の前には,今年度最後のセミナーとして王さんの研究発表がありました.

Andy君はインドネシア出身です.修士論文では関東地方の水質データと土地利用との関係をGISを用いて分析しました.多量の時空間データを処理した力作になりました.彼はオーストラリアの永住資格を持っているので,いったん母国に戻った後,オーストラリアに行って仕事をする予定です.

彼の笑顔には人を癒す力があります.修論の提出前だけは実に気合いが入った顔をしていましたが,他の時期は常に笑顔で接してくれました.

Andy君,次はオーストラリアで会おう.

Goodnight, Andy.
(Hello It's Me / Lou Reed & John Cale)

ホームパーティー+送別会

2010-03-21 | できごと
昨日,ホームパーティーを開きました.以前と同様に家内の研究室と合同です.4月から転出する3名(僕の研究室にいる客員教員の王さん+M2の大澤君,および家内の研究室のM2のイノカさん)の送別会でもありました.

スリランカ人のイノカさんは,埼玉県環境科学国際センターと共同研究を進めていたため,同センターの八戸さんも来てくれました.八戸さんとは15年くらい前に,コロラド州立大のEllen Wohlを含む外国人研究者3名と,中部日本に野外巡検に行きました.全員30歳くらいで,なかなかの珍道中でしたが,その時の話題も出て懐かしく感じられました.

王さんは2ヶ月の滞在でしたが,当初は抵抗があった寿司や刺身が好きになったようです.大澤君は卒業(修了)旅行のニューヨークから戻ったばかりでしたが,とても元気でした.

約5時間,いろいろな話題で盛り上がりました.途中ではイノカさんの着物の試着会もありました.お土産でいただいたお菓子,果物,お酒も楽しませていただきました.

転出する方々の活躍を祈ります.なお,僕の研究室から転出するM2のAndy君は,帰国前に関西旅行を楽しんでいて来られませんでした.今週,彼の送別会を研究室で別途行う予定です.

Well there's a brand new place I found.
(Going to a Go Go / Rolling Stones)

イタリア・シンポジウム

2010-02-11 | できごと
本日,東大農学部の弥生講堂で,イタリアの考古発掘プロジェクトに関するシンポジウムが行われました.僕は過去7年間ほど,このプロジェクトに関与してきましたが,今回が一つの区切りになります.そこで,これまで多数の仲間と行ってきた研究を総括する発表を行いました.

発掘の場所はヴェスヴィオ火山の北麓で,ワインを醸造していた部屋を含む建物が,5世紀の噴火の後に生じた土石流によって埋没しています.噴火で生じた裸地からの土砂流出が重要であるため,1991年の噴火で土地が荒廃したフィリピンのピナツボ火山でも研究を行い,比較しました.

今回の発表では,建物がなぜそこにあったのかを,上流域の地形・地質から推定される水資源の分布と関連づけました.同時に,噴火後の土砂移動を強く規定する,植生の回復速度についても検討しました.

このシンポジウムは毎年2/11に行われ,イタリア人の発表者が多数招待されます.プロジェクトのリーダーである,国立西洋美術館館長の青柳先生のパワーを感じます.

発掘が進んで古代のワイン醸造が明らかになった時点で,僕のやる気が倍増しました(笑).ワインの醸造にはブドウと水が必要です.火山の山麓は,土壌や日射の点ではブドウ栽培に適することが多いのですが,水を得やすいとは限りません.ヴェスヴィオ火山には涸れ谷が多いので,地下水の得やすさがワイン醸造の成否を決めたと考えられます.実際,遺跡の上流域は,ヴェスヴィオ火山に発する流域の中で,水の供給が相対的に多いことを示す特徴を持っています.

The water will change to cherry wine.
And the silver will turn to gold.
(Time out of Mind / Steely Dan)

ミニ・ホームパーティー

2010-01-10 | できごと
昨日,我が家でミニ・ホームパーティーを行いました.ミニがつく理由は,臨時の授業,家族との予定,修論の執筆などのために,参加できなかった人が多かったためです.開催を急に決め,事前に日程を調整せずに5日前にアナウンスしたのが原因です.それでも僕と家内の研究室の関係者+僕の家族が,全部で11名集まりました.

飲み物と食事類は我が家からの提供でしたが,甘味は持ってきていただいたものを全員で楽しみました.その中には,Dosi君提供の「志ち乃のどら焼き」がありました.志ち乃は土浦のお店で,以前に土浦に住んでいたときに,よく買っていたものです.しばらく会わなかった同級生と再会したような感じでした.

卒論生のOchi君は,「これが最後の息抜き」と話していました.卒論の提出は2月初頭です.

3月に再度ホームパーティを開きたいと思っています.修論生と卒論生が課題を無事に終え,リラックスして来てくれることを望んでいます(時期的に卒業旅行と重なってしまうかもしれませんが).

The Coke's out in the icebox.
Popcorn's on the table.
(Having a Party / Sam Cooke)

CSISシンポジウム

2009-12-20 | できごと
先週の金曜日,東大駒場第Ⅱキャンパスで,空間情報科学研究センター(CSIS)主催のシンポジウムが開かれました.これは毎年恒例の行事で,今回のテーマは「空間情報解析の理論と応用」でした.僕は最初の発表を担当しました.また,このブログに時々コメントを下さる目代さんが,二番目に発表されました(写真).プログラムを以下に記します.
  1. 小口 高(CSIS) GISの地形学への応用:歴史と将来展望
  2. 目代邦康(自然保護助成基金) 地形・地質の立体表現とサイエンスコミュニケーション
  3. 丸山祐造(CSIS) 空間予測の二つの方法:クリギングとカーネル回帰
  4. 久保拓弥(北海道大学・地球環境科学研究院) 生態学で使われ始めたベイズ空間統計モデルと解析ツール
  5. 片岡裕介(CSIS) 健康問題に関わる空間情報分析
  6. 奥貫圭一(名古屋大学大学院・環境学研究科) ネットワーク空間上解析ツールSANETの開発
僕は前日の夜にサンフランシスコから戻ったので,時差ボケの中での参加でした.頭の中に霧がかかっていましたが,いろいろな話が聞けて良い機会でした.

一つ感じたのは,空間情報解析の手法は多様ですが,特定の分野では限られた手法のみを使う傾向が強いことです.もっと冒険が必要と思いました.たとえば,道路網の解析などに使われるネットワーク解析を,地形学に取り入れることを,多少強引であっても考えるべきなのでしょう.

シンポジウムの後には,代々木上原でCSISの忘年会が開かれました.睡魔との戦いが予想されましたが,会が良い雰囲気で進んだこともあり,シンポジウムの時間よりも快調でした.「時差があっても5時から男」という結果には,我ながら呆れました.

会場の準備と運営をされた若手の皆さん,お疲れ様でした!

Transcendental jet lag.
Sanity I ain't gotta.
(The Farm / Aerosmith)

AGU

2009-12-17 | できごと
前回の記事で予告したように,サンフランシスコで開かれたAGU(American Geophysical Union:アメリカ地球物理学会)の大会に参加しました.5日間のうち,最初の2日のみの参加でしたが,Haya君と共著の発表を行い,雑誌Geomorphologyの編集委員会に出席しました.

僕の研究分野では,AGUの他にAAG(アメリカ地理学会)やGSA(アメリカ地質学会)が毎年大会を開いており,日本人も多数参加します.しかし僕は,これらの学会の大会に出たことがありませんでした.一方,国際地形学学会(IAG)や国際地理学会(IGU)の大会には,しばしば参加してきました.

このような状況になった理由が二つあります.一つは,AGUやAAGの大会が,4月や12月といった出張をしにくい時期に開かれることです.もう一つは,単独の国名を冠した行事が,主要な国際学会とみなされることへの個人的な反発心です.とはいえ,AGUやAAGの大会を高く評価する日本人も多いので,今回,ささやかな反抗をやめることにしました.

AGUの大会に出て最初に感じたのは,参加者1万6千人超という規模のすごさです.特にポスター会場の広さに驚きました.また,場所が広くても多数の人が集まっているため,空気が常に騒然としていました.あたかも田舎に住む人が,大都会にやってきたような感じでした.この感覚を味わうために,AGUの大会に毎年参加する人もいるのでしょう.

参加していた東洋人の大半は中国系で,北京に住んでいる研究室OBのHeさんにも久しぶりに会いました.また,サンフランシスコの人口の約2割は中国系です.街の雰囲気を含めて,「中国パワー」を実感しました.

Everything we dream can come to pass through our union.
We can turn the world around.
We can turn the earth's revolution.
(People Have the Power / Patti Smith)

CSIS DAYS 2009

2009-11-13 | できごと
昨日と本日,東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)のシンポジウム「CSIS DAYS 2009」が行われています.GISに関連した約50件の発表で構成されています.内容は,自然環境,都市,理論,システム,災害など多分野に及んでいます.

昨日のセッションでは,地形解析に関するラボの成果を土志田君と大澤君が発表しました.また,OGの林さんも,産総研での研究成果を発表してくれました.今日はOBの勝部君らの発表が予定されています.また,早川君は運営のサポートで活躍しました.

CSIS DAYSは毎年行われ,今回が5回目です.昨年の記事にも書いたように,全ての発表が5分の口頭発表+ポスター発表で構成されています.ちょっと変わったスタイルですが,すでに定着した感じです.アブストラクト集が美しいのも売りの一つです.最近の学会では,アブストラクトを印刷せず,ウェブのみに載せる場合が増えています.しかしCSIS DAYSでは,フルカラーのきちんとした冊子を作っています.

ポスターの前での討論は,普通の学会よりもリラックスした感じで進みます.懇親会も和気あいあいです.「CSIS DAYS = CSISでEASE」という感じでしょうか? 

来年度も開催予定ですので,GISに関心のある方は,ぜひご参加下さい.

I think I did have good days.
(Just Hold Me / Maria Mena)

柏キャンパス一般公開

2009-10-30 | できごと
明日まで柏キャンパスの一般公開が行われています.キャンパスにある研究科,研究所,センターが多様な展示をしていて,毎年恒例になっています.柏の葉キャンパス駅からは無料のシャトルバスも運行されていて,駅には宣伝の垂れ幕も出ました.

柏キャンパスは,とても細長い形をしており,シャトルバスはその中央に着きます.来た人の多くは,まずは目の前にある物性研究所や新領域の基盤棟に入るようです.一方,我らが空間情報科学研究センターはキャンパスの端にあります.ここまで足を延ばす人は,ずっと少なくなります.

それでも,研究室にいると,前の廊下を歩く人が多いことに気づきます.今年のセンターの展示は,都市域における測位が中心で,標題は「位置で見る、位置で考える、位置でわかる - 人と社会をナビゲート」となっています.

うちのラボは地味にポスターのみを出しています.「GISの地形学への応用」といった研究の内容を,一般受けのする展示にするのが難しいため,毎年この形になっています.ただ,小規模でも,何か違う展示を出せると良いなあとも思っています.今朝,ラジオのニュースでジオパークが取り上げられていました.ジオパークと関連した展示も一案かな,と思いました.

Whether it's big or small.
If you have a passion at all.
(Someday I will / Jimmy Buffett)

地形学連合30周年

2009-10-05 | できごと
昨日まで,日本地形学連合(JGU)の30周年を記念する学術大会が,京都で開かれました.今回は4名の名誉会員が選ばれました.知人のイギリス人,Ian Evans氏もその一人で,懇親会の際に表彰されました(写真).盾を渡しているのは松倉会長です.他の3名はThomas Dunne氏,藤木忠美氏,塚本良則氏で,学際的なJGUにふさわしく,地理学,地学,地球物理学,農学という多様な分野からの選出になりました.また,今年から40歳未満の若手に「日本地形学連合研究奨励賞」が贈られることになり,青木久さんと羽田麻美さんが受賞されました.

大会の中ではレーザーDEMに関するシンポジウムが行われました.Dosi君が,うちのラボで行ってきた,高解像度DEMを使った自動地形分類と斜面崩壊の研究について発表しました.また,僕はコンビーナの一人として後半の司会を担当しました.

ラボの関連では,haya君の滝の後退のメカニズムに関するポスター発表と,僕の地形学の教育に関する口頭発表もありました.僕は,今後も地形学を発展させ,JGUの60周年を迎えるためには,学部生に地形学の面白さを伝えることが必要と述べました.先日,地球惑星環境学科の3年生に,地形学に関連したGISの演習をやってもらい,レポートを書いてもらいました.その件も紹介しました.

Oh my next thirty years, I'm gonna watch my weight.
Eat a few more salads and not stay up so late.
(My Next Thirty Years / Tim McGraw)

五月祭

2009-05-31 | できごと
昨日,五月祭で講演をしました.前日の夜遅くに中国から戻ったので,朝は疲れていて力が出ませんでした.おそらく一生に一度の機会なのに,困ったことになったと思いました.でも,朝食を食べた後に仮眠をしたら元気が戻ってきて,昼の講演に対応でき,助かりました.

午前中の雨のため,本郷キャンパスへの出足が鈍っていたように見えましたが,多くの方に聴きに来ていただき,ありがたく思いました.質問の時間には,なぜ関東では理学部に地理があるのに関西では違うのかといった,事情に詳しい人からの質問も出て,びっくりしました.

講演の後には,授業を担当している理学部地球惑星環境学科の展示を見に行きました.限られた予算を工夫して使い,多様な分野の内容を動的にわかりやすく説明していました.来場者も多く,活気を感じました.先輩から引き継いだテーマの展示が進歩していたのが印象的でした.

Come to the festival of colours.
Celebrate the festival of colours.
(Festival of Colours / Creatures)

地考古学

2009-05-25 | できごと
先週,日本地球惑星科学連合の学術大会に参加しました.以前は,研究室のメンバーが学会で発表した時には,このブログに記事を書いていました.しかし,研究グループの新ホームページに学会の予告や報告をする場所ができ,今回の学会についても,haya君が報告を書いてくれました.そこで,ここでは裏話を書きます.

今回の大会では,新セッション「地考古学」を,首都大の渡邊先生および東工大の亀井先生と立ち上げました.発端は,昨年3月に渡邊先生らと行ったフィリピン・ピナツボ火山の調査です.現地で渡邊先生と会話をしていた時に,地理系の海外調査に関するセッションを地球惑星科学連合の大会でやったら,世界各地の状況が伝わって面白いのでは,という話が出ました.

帰国後,具体化に向けて議論をしました.「海外調査」という名前のセッションでは,焦点を絞るのが難しそうなので,考古学と関連した海外調査を意識して「地考古学」とすることにしました.そこで,この分野の専門家である亀井先生にも加わっていただき,セッションを申請しました.

今回は初回ということもあり,セッションの規模は小さめでしたが,内容はとても興味深く,「来年もぜひやろう」と話しています.

ところで,渡邊先生を最初に拝見したのは学部生の時でした.お茶大で開かれた日本地理学会で,地形学のセッションを聴講していたら,若い女性研究者が土壌に関する発表を始めました.その前の発表者はずっと男性だったので,会場の空気が変わった感じがしました.当時,僕は地形学に興味を持ち始めた頃で,卒論や大学院への進学について考えていました.関連する分野で女性の先輩が活躍しているのを見て,励まされた感じがしました.

この話をフィリピンで渡邊先生にしたところ,「あの時は子供が生まれた直後で,バタバタしながら発表したのよ」と話してくれました.発表自体はとても落ち着いていたと記憶していますが,裏では大変だったとのこと.僕の家内も,家庭と仕事を共に抱えて苦労しているので,よくわかる話です.いずれにせよ,25年の時を経て「憧れの先輩」とセッションを運営できたのは,うれしい限りです.

It seems like yesterday.
But it was long ago.
(Against the Wind / Bob Seger)

五月祭(予告)

2009-05-01 | できごと
今月末の五月祭で,ゼミ形式の公開講座の講師を担当します.ゼミ形式の講座とは,聴衆とやりとりをしながら特定の話題について語るというものです.

僕の研究室でも「ゼミ」をやっていますが,院生やポスドクの発表と質疑が中心です.よって,僕は今回の形式に慣れていませんが,せっかく声をかけていただいたので,引き受けることにしました.五月祭で発表をするのは学部生の時以来です.時の流れを感じます.

依頼された内容はGIS関係だったので,表題を「地理学と情報学の出会い」としました.詳細はこれから考えますが,とりあえずパンフレット用に下記の原稿を提出しました.

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地理学って何? 社会科の暗記科目? 中学・高校の地理とは異なり,大学の地理学では理系の要素がぐっと増える.とくに最近は情報学との結びつきが強く,「地理空間情報」「地理情報科学」という言葉がよく使われる.地理学と情報学がなぜ結びつき,結びつくことによって何が生じたのかを,一緒に考えてみよう.

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専門に特化した話ではなく,やさしい概論にしたいと思います.参加は自由とのことですので,興味のある方は当日会場に直接おいで下さい.日時は5/30(土)の12:30~14:00,場所は工学部新2号館1階の工211教室です.

Don't ask me why.
But time has passed us by.
(First of May / Bee Gees)