
映画「アスファルト・シティ」
2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
NYハーレムのNY消防署の救急救命隊の実話を映画化。
犯罪と暴力が蔓延るNYハーレム、出動命令を受けるや否や命を救うために飛び出していく救急救命隊員、彼らを待ち受けるのは、ギャングの抗争、ドラッグを巡る銃撃戦、オーバードース、DV、言葉の通じない不法滞在の外国人の争い。
まさにこの世の地獄と呼ぶべきハーレムの救急救命医療の現場で戦う英雄に捧げる物語として、元隊員が書き上げた原作を元にした映画化。
ベテラン救命隊員のラット(ショーン・ペン)は新人隊員のクロス(タイ・シェリダン)とバディを組むことになる、クロスは救命隊員として働きながら大学の医学部を目指し勉強を続けている。
犯罪、薬物中毒、移民、ホームレス、多種多様な救命現場に冷静に対応するラットに対し自分の非力さに打ちのめされ苦悩するクロス。
救えなかった命はもちろん、命を救った後の人達のその後の人生まで背負い込む。救急救命現場の隊員の一瞬の判断や処置で生死を左右する、救命隊員に掛かる重圧は彼らのメンタルを削り続ける。
救急車が走り回る深夜のハーレム、激しく点滅する赤色灯、うなり続ける警告音、緊迫する車内、神経を逆なでする様な不協和音のBGM、この映画を見続ける覚悟が求められるイントロだ。
過酷な救急医療現場で繰り広げられる生と死の極限のやり取りを描き出した。