弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

Law&Orderからみるアメリカ、ソールメイト事件

2012年03月07日 | Law&Order

第22話はソールメイトがキーワードです。

ニューヨーク州知事の高級娼婦事件、イリノイ州知事のわいろ事件
そして南カルフォルニア州知事のソールメイト事件と
州知事をめぐる一連の事件が世間を騒がせていました。
最初の二つについてはLaw&Orderに如何に反映されているか、
既にこのブログで述べました。

さて、南カルフォルニア州知事のソールメイト事件というのは、一言でいえば
不倫です。
クリントン大統領は「不適切な関係」で逃げ切りました。
南カルフォルニア州知事のマーク・サンフォードは、2009年の夏、数日行方不明
になりました(行き先を知らせずに出て行ったということ)。
父の日にも子供にも連絡しないということで大騒ぎになったのです。
アパラッチの山にハイキングにいったらしいといわれていたのですが、
実際はブエノス・アイレスに愛人に会いにいってたということが発覚しました。
最初は否定していたのですが、とうとう居直ったのです。

そのときの言葉が「彼女はソールメイト(soulmate)である。」というものでした。
そして、公式会見の場で涙を流したのです。
(なお、涙といえば、プーチンがこのたびの大統領選挙の勝利宣言のときに
涙をみせましたね。)

通常に使われるソールメイトであれば、心の友達とか魂の友達ですから、
いわゆる清いつきあいで、非難されることはないのです。
ところが、この知事の場合はそうではなく、普通でいえば不倫にすぎないのですが、
それをソールメイトだと言い張ったのです。
ソールメイトと自分でレッテルを貼ったのですね。
同じ言葉を使いながら、実際は違った意味なのですが、こういう場合って
話が食い違ったままになりますね。
みんな話が通じないで、呆れるしかないわけです。

このドラマの女性も同じですね。でも本人がそう言い張る以上、そういう言葉で
進めていくしかないわけです。
彼女が異常なふるまいの女性として描かれているのは、そういうことです。

当時のアメリカでは、ソールメイトというとマーク・サンフォード知事のアルゼンチン
の恋人のことなのです。
ですから、異常なふるまいであるほどおもしろいのですね。
きっとアメリカでは盛り上がったと思います。

この話を知らない日本人には、面白さが分かりにくかったですね。

なお、20年も連れ添った知事夫人のジェリーは、やり切れないですよね。
結局離婚しましたが、彼女は、「stand bay man」は拒否しました。
当然ですよね。
ただ、この知事、辞めずに任期だけは全うしたのではないかと記憶しています
(間違っているかもしれません)。
「ソールメイト」だから問題ないといわれると、確かに言葉だけ聞けば反論できない
わけで、ただ実態を知っているものには、もういい加減にしてよと言いたくなります。

そういう感じはよく出ていましたね。

ただ、言葉って本当に怖いですね。
クリントンの「不適切な関係」も不適切ならやむを得ないかとなり、その後
日本でも「不適切」という言葉が氾濫するようになりました。
悪いと言っているようで実際は悪いと認めないという、責任逃れの言葉に
なりました。
そういえば「想定外」も同じですね。何でも「想定外」というと、責任がないとなって
しまうのです。
要は思考停止させてしまうのです。

マスコミの討論番組に出て、注目を浴び、政治の中核を占めるようになった
民主党の政治家がダメなのは、こういう言葉遊びをして今の地位につくように
なったからです。

今日は、この程度で・・・・・


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