平成19年8月4日(土)― 2―
高い丘の頂上に南フランスの「蜂の巣城」のような羌族の村がある。このように外敵を防ぐために要塞のように防御された村を「寨」と言って、外敵の侵攻を防ぐために地形を利用している。
「ロン」と呼ばれる石塔は、羌寨の特徴になっている。物見櫓の役にも立っているが、それだけではなく寨の狭い入り口に作られていて、外敵が入って来ようとすると、上から石を落としたりして防御の役割も果たしている。
上のロンは、観光用に作ったものだと思われるが、この村自体が観光用に道路なども整備されている。汶川県大根村羌族旅行協会の看板が出ていることからも察せられるように、観光で村起こしをはじめた。昨年5月にオープンして3万人ほどの観光客が訪れた。
下の道路を世界遺産の九寨溝や黄龍を訪れるバスはひっきりなしに通過するが、残念ながら日本人の観光客は皆無だと言っている。
働く人々。サツマイモの蔓を運ぶ。
菜っ葉の収穫。
赤色の張り紙をしている家は民宿を経営している。団体、食事付き600円、個人は素泊まりのみで300円と安い。
道は、侵入した外敵が迷うように迷路のようになっている。このような造りは、ユーラシア大陸どこも共通で、ヨーロッパや西アジアでも同じ考え方のくねくねとした複雑な道に沿って人家が建てられている。
ちょうど葬式の炊き出しをやっていた。
子供達も喪中の印に白い鉢巻をしている。
道教、仏教、チベット密教、さらに独特の古層宗教が混淆していて分かり難い。
タルチョの旗には独自の分かりづらい文字のようなシンボルが書き込まれている。
羌族の食事を出すきれいなレストランも出来ている。
木陰に食事を運ばせてランチを食べる中国人観光客。僕らも羌族の料理を食べる。本場の猪膘(保存豚ハム)が野菜炒めに入っている。飯は、玉蜀黍入りの米。魚料理はない。幼児が水葬にされる習慣があり、魚は幼児の化身とされているからである。
この村から眺める大峡谷の眺めは雄大だ。はるか下に岷江が流れている。大根村は
海抜2000メートル。
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