アジア民族造形文化研究所(金子量重所長)の主催する〈アジア塾〉で「鳥と蛇の思想」という題で文化の伝播について講演しました。
私は、世界の四大文明という文明の分類の仕方は、歴史を学ぶ学生に誤解を与るのではないかと心配いたしております。四大文明(メソポタミア、エジプト、インド、中国)と言われる地域の中で中国は西アジアとは比較できないくらい新しい。西アジアでは、紀元前7000年前紀に農業が始まったが、中国では紀元前4000年です。その間2500年あります。紀元前6,7000年、東アジア(中国)はかなりの過疎地だったのでしょう。蛇と鳥の象徴主義はすでに紀元前2000年期にはメソポタミアで見られます。それがギリシャからヨーロッパに行きカドウケウスや鷲やドラゴンを生み、中国では鳳凰と龍になりました。インドでは、ガルーダとナーガになり、それが仏教の伝来とともにすでに下敷きにあった鳥と蛇の思想の上に覆い被さっていったというのが私の考えです。