平成「21年4月23日
今夜泊るカシャンにテペ・シアルクはある。ここは、中央イランでいまだ十分に調査されていない遺跡としては最も興味ある遺跡だとされている。イラン語の案内板には紀元前6000年前の遺構から木製の車輪が発見されたと書いてある。
簡単な鉄柵を通り抜けると、すぐに小さな丘が見える。高さは25メートル。
発掘が進行中だ。
日干しレンガで積み上げられていたが崩れて土の山に見える。
発掘が進んだ低層部をみると日干しレンガがどのように積まれていたかよくわかる。上部は風雨を避けるためにトタン屋根で覆ってある。
中は、たぶん住居だったのだろう、廊下と小部屋がある。
天井が崩れ落ちて死亡した少女だと説明が付いていた。
共同墓地も付設されていて、そこからも青銅器、彩文土器、グラス製容器、石器、動物の骨製品などいろいろ出土したが、テヘランの国立博物館などに移されたらしい。ここにも一部保管されていたが、係の人もいないのに乱雑に取り扱われている印象だ。
とにかく暑い。昨日までの寒さが嘘のようだ。紀元前数千年前からいろいろな人たちが移り住んだところだが、それ以上のことは分からずに見た、といことで早々に引き揚げる。