2月3日(金)
フランスの朝食というものは、普通、ジュース、パン、コーヒーと簡素なものだが、このホテルの朝食も外国旅行者のことを考えていないようでまことにシンプル。
飛行機の中で、「私は朝は肉を食べないので、いかがですか」、と配られた機内食の自分の分を勧めてくれた人があった。ドーヴァー海峡に面した地方から出てきた人だった。しかし、朝食に肉を食べないのは、別に北西部の厳しい地方の人だけではなく、これは特別なことでもなさそうだ。パリでもそうだ。街のカフェでは、朝は、パンとコーヒーですませる人が多い。
その代わりパンだけはよく食べる。朝から菓子パンか、と私などは拒否体制だ。
オペラ座から遠くないBoudreau通りに「パセリの花」という名のレストランがある。ここのランチは最高だと、私は思う。偶然に15年ほど前に初めて入ったが、それ以来、昼食時にその近くにいたら必ず寄ることにしている。予約をせずに気が向いたままにのぞくので席がないこともあるが、その場合は不本意だがその近くのレストランか、カフェに入る。
今日は、空いていた。同じオーナーがもう何十年もずっとやっているそうだ。今は、息子がやっていると言っていたようだが、聞き違いだったかもしれない。しかし、盛り合わせ味は昔のままで、ずっと変わらない。
(Le Persil Fleur Restaurant パセリの花という名のレストラン)
わずかしかない客席は込み合っている。客は、この近所で働いている人のように見受けられる。学生のような若い人はいない。前菜、メイン、デザート、ハーフボトルのワイン、コーヒー二人分で120ユーロ。空港の換算率で円にすれば約2万円。ちょっと高いのだろう。
(サラダーインゲン、赤キャベツ、摘み菜、イタリアンパセリ、小さいトマト、蝦をカレー味の豆の粉にまぶし揚げたもの、レモンなど)
(キャベツを炒めグラタンをクレープで包んだ料理)
(白身魚、蝦、キャベツ、ほうれん草)
(牛肉のステーキ)
(デザート)
午前中取引先のRD社の社長と会談し、昼食をすませて、地下鉄でポルト・ド・ベルサイユのプレタポルテ会場に出掛ける。今年は、雨には降られなかったが、例年より寒く感じる。しかし会場内は冬物展だというのに熱気を感じる。
出展者数:1160社 入場者約4万人(約4割は海外からの来場者)
(会場入り口)
(各ブースで思い思いの趣向を凝らせてアピールする)
昨年の秋に工事中だった有名な三ツ星レストラン、「ルカ・ギャルトン」は、商売が難しくなったのか、「Senderens」と名前を変えて新規開店した。中をのぞくと賑わってはいるが興味がわかないのでやめる。ホテルのコンシエジに言って、歩ける距離で評判のよいところを聞くと「DROUANT」というレストランに予約してくれた。オペラ通りを右に行ったPlace Gaillonにある。
(Drouant Restaurant 入り口)
料理というとよくない。中途半端に日本料理を取り入れているからだ。マグロを真四角にきり切り、外側をあぶって薄切り叩きのような料理、人参の酢のもの、煮た牛肉、四角く形を整えたコール・スロー。これが少しずつ次々と懐石料理のように別々の小皿で出てくる。
メインの羊の足は、淡白水っぽい味。唯一美味かったのは表面をカリカリ焼いた豚のPoitrine だった。
ただ料理は一人ひとり好みが違うのだから、何とも言えないが、おそらく健康志向に適った今風の味とテーブル・セッティングなのだろう。
ワインをフルボトル入れて170ユーロ(28000円)
野田岩の鰻も良い値段だね。
旨い物は東京に限るよ。もう、こうなっては。
プレタポルテのモデルのアップの写真がなくてすみません。
以前に撮った写真なども調べてみます。見つかれば日曜日にも会場に行きましたので、その日の日記に載せてみます。
土曜日は鰻などつまらないものを食べて失礼しました。
空港の両替所は、アメリカン・エキスプレス。このアメリカン・エキスプレスというのは率が悪いですね。30万円も交換している人を見かけますが、なんだか随分損をしたのではないでしょうか。
私は、手持ちユーロがない時に空港で換えるのは当座の2万円くらいにしておきます。
ホテルの近くではもっと率がよく、160円強というのもあります。クレディット・カードだと更に率はよくなります。
パリに住んでいる人ならもっと率のよい銀行を使っているのでしょうけど、こちらは旅行者ですからね。
パリの食い物は高いと思いますよ。日本では、500円でランチが食べられますからね。
ホテルのこと。シティラマの隣、泊まったホテルは、レジナ・ホテルです。インターコンチではなく普通の4星ホテルです。
ただ、このホテル、ルーブル美術館に近いところから、ダヴィンチ・コード・ツアという特別な宿泊プランがあるようです。
リボリ通りに沿っては、他に4星のルーブル・ホテル、ムーリス・ホテルがあります。ムーリス・ホテルは、ケーキ屋のアンジェリアの隣にあります。
ここの「冬の庭」という名のカフェは、アール・ヌーボーの装飾が見事です。昨年の2月初めには、このカフェの前に見事なまんさくの盛花が飾ってありました。
外には氷雨が降っていましたが、カフェには華やかな人の出入りがありました。
「まんさくの華やぎてをりパリの夜」
無点句でした。